痴漢と盗撮の違い:逮捕の可能性

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

 

痴漢と盗撮-弁護活動はほぼ同じ

痴漢と盗撮はどちらも都道府県の迷惑防止条例で禁止されています。

 

 

刑罰については各都道府県で若干の違いがあるものの、実務においては、初犯の方の場合、何も弁護活動をしなければ、略式裁判で罰金30万円前後の支払いを命じられます(痴漢が強制わいせつに該当する場合を除く)。

 

 

また、痴漢でも盗撮でも、初犯の方で示談が成立すれば、不起訴処分の可能性が極めて高くなります。したがって、示談が最も重要な弁護活動になるという点で、痴漢と盗撮で大きな違いはないといえます。

 

 

痴漢の方が盗撮よりも逮捕される可能性が高い

痴漢と盗撮で大きな違いがひとつあります。それは、痴漢の方が盗撮に比べて逮捕されるケースが多いということです。

 

 

このコラムの著者(弁護士 楠洋一郎)は、これまで約300件の迷惑防止条例違反を担当してきましたが、盗撮より痴漢の方が逮捕されているケースが多いです。

 

 

痴漢の方が逮捕される可能性が高い理由

痴漢と盗撮で最終的な処分の内容についてはそれほど違いがありません。それではなぜ痴漢の方が逮捕されやすいのでしょうか?

 

 

考えられるのは行為態様の違いです。盗撮は被害者に直接接触しない方法で行われます。これに対して、痴漢は被害者の身体に直接接触します。

 

 

通報を受け現場に臨場する警察官から見れば、女性の身体に直接触れているという点で、盗撮に比べ、痴漢の方がより悪質で逮捕が相当との判断につながっているのかもしれません(実際には検挙者による現行犯逮捕という形で処理されます)。

 

 

もちろん、一概に痴漢の方が盗撮よりも悪質とはいえません。盗撮は被害者の画像がスマートフォン等に保存され、繰り返し再生できたりネット上に流出する危険があるという点で、被害者に持続的な不安を与えます。

 

 

ただ、被害者の初期反応としては、痴漢を受けた被害者の方がよりショックが大きく、非常に動揺されていることが多いです。そのような被害者の反応も、現場に臨場した警察官の判断に少なからぬ影響を与えているのではないかと思われます。

 

 

 

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