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背任・特別背任に強い弁護士

背任_特別背任に強い弁護士

⚖️ この記事の監修・執筆弁護士

弁護士 楠 洋一郎
(第二東京弁護士会所属 / 登録番号第39896号)

🏛️【事務所名:ウェルネス法律事務所】

刑事事件の弁護経験15年以上。これまで約3,000件の刑事事件を取り扱ってきました。豊富な実務経験と最新の法令・運用に基づき解説しています。

🏆 弁護実績:15年以上(約3,000件) ⚖️ 刑事事件に特化

☑ 背任が会社に発覚した
☑ 背任罪で家宅捜索を受けた
☑ 背任行為をしたので会社と示談したい
☑ 特別背任で東京地検特捜部から連絡がきた
☑ 背任の弁護士費用が知りたい

このような方のために、背任・特別背任の加害者側が知っておくべき重要事項を、ウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

背任とは?

背任とは、被害者(会社)の委託に反して、不正な目的で事務処理を行い、被害者(会社)に損害を与えることです。背任罪は刑法に規定されています。

【刑法247条(背任)】
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

背任罪の成立要件は?

背任罪の成立要件は、他人の事務を処理する者が、図利加害目的で、任務に反した行為をして、会社に財産上の損害を与えることです。整理すると次の4つの要件に分けられます。

誰が?他人の事務を処理する者
どのような目的?図利加害目的
どのような行為?任務違背
どのような結果?財産上の損害
それぞれの成立要件について詳しくみていきましょう。

① 他人の事務を処理する者
他人(会社)から信任され委託された事務を処理する者です。具体例として、法人の取締役や理事、従業員などが挙げられます。

② 図利加害目的
「図利目的」とは自己または第三者の利益を図る目的のことであり、「加害目的」とは会社に損害を加える目的を指します。
「自分の利益にもなるし、会社の利益にもなると思ってやった」というように、図利目的と会社の利益を図る目的が併存していても、会社の利益を図る目的がメインと言えなければ、図利加害目的の要件を満たします。

③ 任務違背
任務違背とは、会社からの委託の趣旨に反する行為をいいます。委託の趣旨に反するかどうかは、行為者と会社との契約内容や当時の状況をふまえてケースごとに判断されます。
株式投資や先物取引といった冒険的取引を任されていた場合は、単に損失が出たからといって直ちに任務違背になるわけではありません。しかし、冒険的取引であっても委託の趣旨に反して取引を行った場合は任務違背となります。

④ 財産上の損害
財産上の損害については経済的な観点から実質的・柔軟に判断されます。例えば、不正融資のケースでは、銀行から融資先に貸付金が移転しても、形式的には銀行に貸付債権が発生するため、法律上は損害がないようにも見えます。
しかし、融資先が倒産寸前であれば、貸付金を回収できないリスクが極めて高いため、実質的な財産上の損害として扱われます。

背任罪の罰則は?

背任罪の罰則は5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。同じく会社絡みの財産犯罪である業務上横領罪(10年以下の拘禁刑)に比べて刑罰が軽くなっています。

背任罪の法定刑:5年以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金
同じく会社を舞台とする代表的な財産犯罪である業務上横領罪(10年以下の拘禁刑)と比較すると、背任罪の刑罰はやや軽めに設定されています。

背任罪は実刑?それとも執行猶予?

背任罪の刑罰を決める最も大きな要素は会社に与えた損害の額です。損害額が200万円以上で示談が成立せず被害弁償もしていない場合は、実刑になる可能性が高いです。

⚠️ 損害額が200万円以上の場合:実刑リスク大
被害弁償をしておらず示談も成立していない場合、実刑判決となる可能性が非常に高いです。

💡 損害額が1,000万円以上でも:執行猶予の可能性
被害金額が高額であっても、「処罰を求めない」「許す」といった宥恕条項の付いた示談を締結し、被害額の弁償を完了している場合は、執行猶予が付く可能性が高くなります。

背任の時効は?

背任行為には刑事上の時効(公訴時効)と民事上の損害賠償請求権の消滅時効の2種類が存在します。

刑事事件の時効(公訴時効)
公訴時効が完成すると、検察官は起訴することができなくなります。背任罪の公訴時効は背任行為から5年です。背任行為が複数回にわたる場合は、それぞれの行為ごとに個別に時効が進行します。

民事事件の時効(損害賠償請求権)
背任は民法709条の不法行為に該当し、民事上の賠償問題となります。民事事件の消滅時効は、背任行為が発覚した時から3年、または背任行為の時から20年です。こちらも個々の行為ごとに進行します。

背任の事例

背任罪が成立する典型的な具体例として、以下のようなケースがあります。

事例 ① 倒産寸前の取引先への不正融資
銀行の支店長が、回収が極めて困難であることを知りつつ、倒産寸前の取引先に不正融資を行い、その見返りにお礼として金品を受領した。

事例 ② 法人カードの私的私用・私的購入
会社から貸与されていた法人用クレジットカードを利用して、業務とは全く無関係な商品を私的に購入した。

事例 ③ 会社備品と偽った購入および転売
会社に対して「業務上必要な機器である」と偽ってパソコンを購入させ、その後自ら転売して利益を得た。

事例 ④ 過大発注による資金流出とリベート受領
施設移転工事を巡り、私立大学の理事長が大学資金から建築士へ過大な報酬を支払わせ、その一部を建築士からキックバックとして受け取っていた。

背任と業務上横領の違いは?

背任と業務上横領は「本人の信頼を裏切る行為により財産上の損害を与えた」という点で共通しています。両者はどのように区別されるのでしょうか?

判断の分岐点:『自己が管理している物』をとったかどうか
業務上、自分が事実上または法律上に占有・管理している財物を横領した場合は、業務上横領罪が成立します。

【典型的な業務上横領の例】
顧客から集金した現金をそのまま自己の個人口座に入金した場合
⇒ 顧客から金銭を集金した時点で「自己が管理しているお金」となり、それを自分のものにしているため、背任罪ではなく業務上横領罪が成立します。
業務上横領は「自己が管理している物」を対象とする点で適用範囲が明確であり、刑罰も10年以下の拘禁刑と背任罪より重く定められています。
そのため、双方の犯罪要件を同時に満たす競合ケースでは、業務上横領罪のみが成立します。

特別背任とは?

会社の取締役、監査役、執行役など会社法で定められている一定の者が背任行為をすると、特別背任罪になります(会社法960条)。

特別背任罪の刑罰:10年以下の拘禁刑 または 1,000万円以下の罰金(併科可能)
重要ポストにある人物の裏切りは企業やステークホルダーに致命的な打撃を与えるため、一般の背任罪に比べて刑罰が大幅に加重されています。また、情状によっては拘禁刑と罰金刑の両方が同時に科される(併科)こともあります。

【会社法960条(抜粋)】
次に掲げる者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えたときは、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
三 取締役、会計参与、監査役又は執行役
【特別背任の具体例】
会社の代表取締役が、正当な業務実態が全く存在しないにもかかわらず、コンサルティング料や業務委託費の名目で知人企業へ巨額の送金を行わせ、その裏で一部を不正にキックバックさせていたケース。

特別背任と経営判断の原則

会社経営をしていく上でリスクはつきものです。

会社の利益を図るために、取締役がリスクをとって経営判断をしたところ、それが裏目に出て損失が膨らんでしまった-このようなケースは少なくありません。
大きな損失が出てしまうと、会社のためにした行為であっても、後に経営権をめぐる紛争が生じ、特別背任罪として告発されることがあります。

経営の裁量を守る「経営判断の原則」
会社経営は、多くの事情を考慮して行われる高度に専門的な判断です。また、経営の専門家である取締役には広い裁量があります。したがって、当時の状況を前提として著しく不合理でない限り、取締役の経営判断は尊重されるべきです。
このような考え方を経営判断の原則といいます。会社の利益のためにした行為が裏目に出てしまった場合は、弁護士が経営判断の原則をもとに、「任務違背」に当たらないことを主張します。

背任罪の逮捕率は?

刑事事件として処理された背任事件(特別背任を含む)のうち、被疑者が逮捕された割合は25.94%(約4人に1人)です。

背任事件の逮捕率:25.94%(約26%)
背任事件の約74%は逮捕されずに在宅事件として捜査が進められますが、約4人に1人(25.94%)は実際に逮捕されて身柄を拘束されています。
被害金額が億単位にのぼる事案や、関係者との口裏合わせ・証拠隠滅の恐れが高いと判断された場合は、強制捜査(家宅捜索)とともに突然逮捕されるリスクが極めて高くなります。
※出典:法務省「検察統計年報(2025年・最新版)」第41表(罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員)

背任罪で逮捕された後の流れは?

背任事件は手口が巧妙で多数の関係者や複雑な資金移動が絡むため、捜査に時間がかかります。そのため、背任罪で一度逮捕されると、検察官の勾留請求および裁判官の勾留質問を経てほぼ確実に勾留(10日以上の身体拘束)されます。

逮捕後の勾留率
98.55%
逮捕された被疑者のうち98.55%(ほぼ100%)が勾留決定されています。
※出典:法務省「検察統計年報(2025年・最新版)」第41表
勾留期間の延長率
94.12%
勾留された事件の94.12%で身柄拘束が最長20日まで延長されています。
※出典:法務省「検察統計年報(2025年・最新版)」第42表
検察官は最長20日の勾留期間内に被疑者を起訴するか釈放しなければなりません。この期間内に会社側と示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高くなります。不起訴になれば刑事裁判にならないため、処罰されたり前科がつくことはありません。

背任罪で逮捕されない場合の流れは?

背任容疑で警察の取調べを受けているものの逮捕はされていない場合、警察での捜査⇒書類送検⇒検察官による起訴・不起訴の決定という流れで手続が進みます。

【在宅事件の一般的なタイムスケジュール】
警察から最初に連絡があった日から書類送検まで少なくとも2か月、長い場合は6か月以上かかることもあります。書類送検されてから起訴・不起訴が決定されるまで2〜3ヶ月かかることが多いです。

背任罪の不起訴率は?

法務省の最新検察統計データによれば、背任事件のうち不起訴となった割合は64.89%(約65%)、起訴率は35.11%(約35%)です。

・不起訴率:64.89%(約65%)
・起訴率:35.11%(約35%)
・公判請求率(起訴内):94.57%(起訴された事件の約95%が正式裁判)
・略式請求率(起訴内):5.43%(書面審理による罰金はわずか約5%)
背任事件は起訴された場合、94.57%という圧倒的多数が公開法廷の刑事裁判で拘禁刑(旧懲役刑)を求刑されます。罰金(略式請求)で済むケースは極めて例外的です。

📊 背任事件における刑事処分の統計データまとめ
指標割合実務上の位置づけ・ポイント
逮捕率25.94%約4人に1人が逮捕。被害額が大きい事案や共犯事件は逮捕リスク大
勾留率 (逮捕後)98.55%逮捕された場合はほぼ100%勾留(10日以上の身柄拘束)される
勾留延長率94.12%複雑な取引・証拠関係の解明のため9割以上が最長20日まで延長
起訴率35.11%刑事処分が確定した事件のうち裁判請求される割合は約35%
不起訴率64.89%被害弁償や示談成立等により約65%が不起訴(前科なし)を獲得
略式請求率 (起訴内)5.43%書面審理で罰金刑となる割合はわずか約5%と極めて例外的
公判請求率 (起訴内)94.57%起訴された事件の約95%が正式な裁判で拘禁刑(懲役刑)を求刑される

※出典:法務省「検察統計年報(2025年・最新版)」第8表・第41表・第42表の公表データに基づき当事務所にて算出(小数点以下第3位を四捨五入)。

背任と示談

背任が刑事事件となり広く報道されると、企業イメージが悪化することから、会社にとっても示談で穏便に解決するメリットがあります。

背任事件は本質的には会社内の問題ですので、告訴状や告発状が提出されなければ、捜査機関が独自に捜査に入ることはありません。

告訴状が受理される前の示談が決定打
告訴状や告発状が受理される前に示談で解決すれば、事件化を阻止することができます。刑事事件になってしまった場合でも、示談が成立すれば不起訴や執行猶予の可能性が高くなります。
背任事件では被害金額が大きくなりやすく、一括で示談金を支払えないケースが多いです。そのようなケースでは、分割払いの示談をすることになります。

背任・特別背任と特捜部

社会的に影響力のある法人を舞台とする背任・特別背任事件に関しては、東京地検特捜部または大阪地検特捜部が捜査の指揮をすることがあります。日本大学の背任事件についても東京地検特捜部が捜査を手がけています。

特捜部が指揮する背任・特別背任事件は、複雑なスキームが組まれ、巨額の金銭が動いているケースが多いです。事案の真相を解明するために、特捜検事によってほぼ毎日長時間の取調べが実施されます。
ウェルネスの弁護士は特捜事件で執行猶予を獲得した実績があります。また、東京地検特捜部で捜査にあたっていた元検察官の顧問もおります。背任・特別背任の容疑で東京地検特捜部から連絡がきた方はお気軽にご相談ください。

背任・特別背任の弁護士費用の相場は?

背任・特別背任の弁護士費用は、逮捕されていないケースで60万円~120万円、逮捕されたケースで80万円~160万円前後です。

在宅事件(逮捕なし)
60万円 〜 120万円前後
身柄拘束がないため接見対応等の負担が少なく、比較的抑えめの水準となります。
身柄事件(逮捕あり)
80万円 〜 160万円前後
頻繁な接見や勾留阻止・準抗告・保釈請求など活動範囲が広がるため高額になります。

【注意】相場より費用が高額化する代表的ケース
逮捕されたケースでは弁護士が接見に行ったり、釈放のための活動をする必要がありますので、逮捕されていないケースに比べて費用が高くなります。
背任の容疑を否認している場合は、幅広い証拠の検討や関係者への反対尋問が必要になるため、上記の費用相場よりも高くなります。
東京地検や大阪地検の特捜部が捜査を担当している場合は、連日にわたり取調べが実施されるため上記の費用相場よりも高くなります。再逮捕・追起訴された場合も上記の費用相場より高くなります。

背任・特別背任の弁護士費用|ウェルネス法律事務所

ウェルネス法律事務所における背任・特別背任の弁護士費用は以下の通りです。

1.逮捕されていないケース
(1)不起訴になった場合
項目金額(税込)
起訴前の着手金22万円
不起訴の報酬金22万円
合計44万円
(2)執行猶予になった場合
項目金額(税込)
起訴前の着手金22万円
起訴後の着手金16万円
執行猶予の報酬金22万円
合計60万円

2.逮捕されたケース
(1)不起訴になった場合
項目金額(税込)
起訴前の着手金33万円
釈放の報酬金22万円
合計55万円
(2)執行猶予になった場合
項目金額(税込)
着手金33万円
起訴後の着手金22万円
保釈の報酬金22万円
執行猶予の報酬金22万円
合計99万円

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