即日審尋(そくじん)とは?流れや適用されるケースを弁護士が解説

即日審尋について

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

即日審尋とは

1.即日審尋の意味

被疑者が逮捕されると48時間以内に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。検察官によって勾留請求されると、今度は裁判所に連行され裁判官の勾留質問を受けることになります。

 

 

検察官の取調べと裁判官の勾留質問を同じ日に実施することを「即日審尋」といいます。捜査機関や裁判所の職員の間では「即尋(そくじん)」と呼ばれています。

 

 

即日審尋は全国的に使用される用語ではなく、主として東京都内の捜査機関や裁判所で使われています。

 

 

2.【東京以外】逮捕された被疑者の取り扱い

被疑者は逮捕されると翌日か翌々日に護送バスで検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。検察官によって勾留請求されると、その日のうちに検察庁に隣接する裁判所に連れて行かれ、そこで裁判官の勾留質問を受けます。

 

 

3.【東京】逮捕された被疑者の取り扱い

東京都内では他県に比べて被疑者の数が多いため、勾留請求された多くの被疑者をその日のうちに裁判所に連れて行くことが時間的に厳しい状況です。そのため、勾留請求された被疑者については、バスでいったん警察署に戻し、翌日改めて裁判所まで押送する運用になっています。

 

 

4.即日審尋となるケース

勾留請求された日の翌日に勾留質問が行われるのが東京都内の特徴ですが、次のケースでは即日審尋とされることが多いです。通常は、護送バスで他の被疑者と一緒に検察庁や裁判所に連行されますが、即日審尋のケースでは、車で単独護送され、1日で検察庁と裁判所に順次連行されます。

 

 

【即日審尋になる場合】

①被疑者が体調不良

②被疑者が松葉づえをついている

③被疑者が車いすに乗っている

④被疑者が精神的に不安定

 

 

5.即日審尋となる理由

即日審尋となるのは一言で言うと集中護送になじまないケースです。集中護送の際には被疑者を整列させ一人ずつ腰縄をつけて移動させます。また、検察や裁判所の庁舎内では長時間にわたって密な状態で待機します。

 

 

上の4つのケースではそのような状況になじまず、不慮の事故が発生するおそれがあります。

 

 

被疑者が病気の場合は、被疑者自身の体調面に配慮する必要もあります。もし伝染性の病気にかかっている場合は、集中護送にするといっきに感染が広まるおそれもあります。

 

 

そのため、これらのケースでは即日審尋となる可能性が高いです。なお、新型コロナの感染防止のため、警視庁管内では逮捕時に37度以上の熱がある被疑者については、全て即日審尋に回されています。

 

 

6.即日審尋と釈放される時間

東京都内では、勾留されなかった場合は、いったん警察署に戻されてそこで釈放されます。通常の集中護送の場合は、被疑者全員の取調べが終わった後にみんなと一緒にバスに乗せられ警察署に帰ってきますので、釈放の時間は午後6時以降になることが多いです。

 

 

これに対して、即日審尋で勾留されずに釈放される場合は、単独護送のため、他の被疑者が取調べを終わるのを待つ必要がなく、より早く警察署に戻って釈放されることが多いです。

 

 

もっとも、体調不良で即日審尋となった場合、勾留質問は他の被疑者全員が終わってから実施される扱いになっていますので、釈放される時間は夕方以降になる可能性が高いです。

 

 

即日審尋について弁護士が注意すること

東京都内では勾留質問は勾留請求の次の日に実施されるため、弁護士は、「遅くとも勾留質問の日までに意見書を提出して勾留を阻止しよう。」と考えがちです。

 

 

ですが、即日審尋が実施されると勾留請求の日に勾留質問が実施されるため、勾留阻止のために弁護活動できる日が1日少なくなってしまいます。

 

 

「あと1日ある。」と思って、弁護士が即日審尋になることを把握していなければ、「気づいいた時には勾留されている。」ということになりかねません。

 

 

一度勾留されてしまうと、準抗告等によって釈放させる途はありますが、一気にハードルが高くなってしまいます。

 

 

そのため、弁護士としては、初回接見の時点で、留置係官に即日審尋について確認しておくことが必要です。

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