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銭湯での公然わいせつについて弁護士が解説
このページが弁護士 楠 洋一郎が作成しました。
銭湯での公然わいせつとは
東京都内を中心として、銭湯での公然わいせつで検挙される方が増えています。検挙されるのはゲイの男性です。男性同士が銭湯で知り合ってその場で性行為に発展するケースが多いです。
「そんなことがあるのか？」と思われるかもしれませんが、ネット掲示板に性行為に利用できる銭湯の情報がアップされており、それを見たゲイの男性が銭湯に行き、浴場で別の男性と意気投合してそのまま性行為に至るケースがあるのです。
他の客の前で堂々と性行為をするのではなく、閉店間際など客が少ないときに、手淫や口淫などの性交為類似行為をするケースが多いです。
ゲイ男性の性行為に利用されるのは特定の銭湯に集中する傾向があります。銭湯側は日常的にゲイ同士の性行為に悩まされており、行為を見つけるとすぐに警察に通報することが多いです。
銭湯での性行為はなぜ公然わいせつになる？
１．公然わいせつの要件
銭湯で手淫や口淫などの性行為をした場合は、公然わいせつ罪が成立します。公然わいせつ罪の要件は①公然と②わいせつな行為をすることです。
２．「公然」について
「公然」とは不特定または多数の人が認識できる状態をいいます。実際に認識していなくても、認識できる状態であれば公然の要件を満たします。
銭湯に他の客がいれば、性行為に気づかれていなかったとしても、いつ気づかれてもおかしくない状況ですので、公然の要件を満たします。
たまたま浴場に他の客が一人もいなかったとしても、営業時間内である限り、客が浴場に入ってくる可能性があるため、やはり公然の要件を満たします。
３．「わいせつ」について
公然わいせつ罪の「わいせつ」とは、性欲を刺激・興奮・満足させる行為で、一般人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいいますが、手淫や口淫は、このような意味でのわいせつ行為にあたります。
そのため、銭湯で手淫や口淫をした場合は、公然わいせつ罪が成立します。
銭湯での公然わいせつと逮捕
銭湯での性行為が従業員に見つかり警察に通報されると、警察官が銭湯にやってきて、事情聴取を行います。この時点で二人の男性は引き離され、それぞれ別の警察官が対応します。
その後、二人とも別の車で最寄りの警察署に連行され、取調べを受けることになりますが、公然わいせつで逮捕されるケースは少なく、取調べを受けた後に解放されることが多いです。
ただ、警察が家族に連絡し、身元引受人として警察署まで迎えに来てもらうことがあります。
銭湯での公然わいせつと書類送検
銭湯での公然わいせつで検挙された場合、検察庁に書類送検されることになります。書類送検とは、被疑者の身柄を拘束せず、捜査資料だけを警察から検察に引き継ぐことです。
書類送検のタイミングは、事件が発生した日から２，３か月後になることが多いです。書類送検された時点で担当の検察官が決まります。
その後、検察官から呼出しがあり、検察庁で取調べを受けることになります。何も弁護活動をしていなければ、検察官から略式手続の説明を受け、その後、簡易裁判所に略式起訴され、罰金になることが多いです。
この場合、被疑者は裁判所に一度も行く必要がなく、裁判を受けたという実感が持てないと思われますが、罰金も刑罰の一種ですので、前科がつくことになります。
⇒略式裁判とは？罰金の金額や払えない場合について弁護士が解説
銭湯での公然わいせつと不起訴
銭湯での公然わいせつで不起訴を獲得するためには、銭湯の経営者と示談をすることが重要です。
一般客が銭湯で男性同士の性行為を目にすれば、二度と銭湯を利用してくれなくなるかもしれません。ゲイ男性が性行為をしていたという風評が広まれば、銭湯の経営にも大きなダメージになってしまいます。
公然わいせつ罪は特定の被害者がいる犯罪ではありませんが、最も迷惑を受けるのは銭湯ですので弁護士を通じて銭湯の経営者と示談をした方がよいでしょう。
示談をすることにより不起訴の可能性が高まります。不起訴であれば処罰はされませんので、前科はつきません。
ウェルネスの弁護士は銭湯での公然わいせつについて豊富な弁護経験があります。銭湯での公然わいせつで検挙された方がお気軽にご連絡ください。
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