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恐喝とは?恐喝に強い弁護士の選び方や弁護士費用について
☑ 恐喝事件で家族が逮捕された
☑ 恐喝事件で家宅捜索をされた
☑ 恐喝の被害届を出された
このようなケースでまず考えるのが弁護士に相談することです。もっとも、刑事事件の対応を弁護士に相談した経験のある方はほとんどいないと思われます。
そのため、どのような弁護士に何を相談すればよいのかよくわからない方もいらっしゃるでしょう。示談する場合の慰謝料の相場や弁護士費用についても気になるところです。
そこでこのページでは、恐喝罪の基礎知識にくわえ、恐喝事件で弁護士に依頼するメリットや弁護士の呼び方・選び方・弁護士費用等について、刑事事件の経験豊富な弁護士が解説しました。ぜひ参考にしてみてください。
目次
恐喝とは
恐喝とは、暴行や脅迫によって相手を怖がらせ、「金をよこせ!」とか「借金を免除しろ!」といった財産上の要求をすることです。恐喝によって実際に金品を出させたり、借金を免除させたときは、恐喝罪が成立します。
【刑法】
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恐喝罪は懲役のみ
恐喝罪の刑罰は10年以下の懲役です。脅迫罪と異なり罰金刑がありませんので、簡易な略式裁判で審理されることはなく、起訴されれば公開の法廷で審理され、検察官から懲役刑を請求されます。
恐喝未遂とは
暴行や脅迫によって金銭的な要求をしたけれども、相手が要求に従わなかった場合は恐喝未遂罪が成立します。
恐喝未遂罪の刑罰も10年以下の懲役ですが、未遂に終わったことを理由として5年以下の懲役に減軽することできます(未遂減刑)。
恐喝罪の時効
1.刑事事件の時効
恐喝罪の時効は7年です。恐喝未遂罪も7年です。時効が過ぎると起訴できなくなるため、逮捕されたり家宅捜索されることはありません。
2.民事事件の時効
恐喝は民法上の不法行為(民法709条)になるため、民事で損害賠償請求されることもあります。
損害賠償請求権の時効は、被害者が損害及び加害者を知ったときから3年です。3年以内であっても恐喝被害を受けたときから20年が経過すると、賠償請求権は時効により消滅します。
恐喝罪の成立要件
恐喝罪が成立するためには、暴行や脅迫により相手を怖がらせ、金品を巻き上げたり、借金を免除させることが要件になります。暴行や脅迫は、相手を怖がらせる程度のものであることが必要です。
相手を怖がらせる程度か否かは、「その相手が怖いと思うかどうか」ではなく、「世間一般の人が怖いと思うかどうか」で判断します。
たまたま相手が非常に勇気のある人で怖いと思っていなくても、世間一般の人が怖いと思うような言動があれば、金品を渡さなくても恐喝未遂罪が成立します。
暴行や脅迫が被害者を怖がらせるにとどまらず、反抗できなくなる程度にまで達していると、恐喝ではなくより重い強盗になります。
恐喝罪になる言葉
次のような言葉は恐喝になり得ます。被害者がお金を払えば恐喝罪、払わなくても恐喝未遂罪になります。
①カツアゲ
路地裏で被害者を取り囲み「1万円を出さないとボコボコにするぞ!」と言った。
②ぼったくり
キャバクラで法外な金額を請求し「払うまで帰さないぞ!」とすごんだ。
③盗撮ハンター
盗撮している人を見つけ、被害者の友人のふりをして「被害者は100万円の示談金を払えば許すと言っている。払わなければ警察に突き出す。」と言った。
④美人局
共犯女性と性交した男性に対して、「俺の女に手を出したな。妻にばらされたくなければ50万円を払え。」と言った。
⑤いきすぎた権利行使
「借金を返さないと拉致するぞ。」と言って、貸していた100万円を取り立てた。
【恐喝罪になる言葉】
カツアゲ | 「1万円を出さないとボコボコにするぞ!」 |
ぼったくり | 「払うまで帰さないぞ!」 |
盗撮ハンター | 「示談金100万円を払わなければ警察に突き出す。」 |
美人局 | 「俺の女に手を出したな。妻にばらされたくなければ50万円を払え。」 |
いきすぎた権利行使 | 「借金を返さないと拉致するぞ。」 |
恐喝の証拠
恐喝罪の証拠としては、SNSやメール、ICレコーダー、防犯カメラが一般的です。これらの証拠がなければいきなり逮捕されることはまずありません。
ただ、暴力団や美人局、盗撮ハンターといった犯罪グループに属している場合は、被害者の供述だけで逮捕されることもあります。
恐喝罪と脅迫罪の3つの違い
恐喝罪も脅迫罪も脅迫を手段とする点では同じですが、次の3つの違いがあります。
1 恐喝罪は金品などを要求する
脅迫罪は相手を怖がらせるだけですが、恐喝罪は相手を怖がらせた上でさらに金品などを要求する犯罪であり、より被害が大きいため、刑罰も重くなります。
*恐喝罪の最高刑は懲役10年、脅迫罪は懲役2年です。
2.恐喝罪の方が害を加える対象が広い
脅迫罪の脅迫は、被害者やその親族に害を加える内容であることが必要です。これに対して、恐喝罪にはそのような制限はありません。
例えば、「100万円を払わないとお前の恋人に危害を加える。」と言って怖がらせた場合、恋人は親族ではないため脅迫罪にはなりませんが、恐喝罪にはなります。
3 恐喝罪の脅迫内容には制限がない
脅迫罪の脅迫は、生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加えるものに限定されています。これに対して、恐喝罪の脅迫にはそのような制限はありません。
例えば「100万円払わないと告訴する。」と脅してお金を支払わせることは、恐喝罪にはなり得ますが、脅迫罪にはならないでしょう。
恐喝といきすぎた権利行使
相手に対して貸付金や売掛金がある場合でも、回収の仕方が社会の常識に照らして許される限度を超えている場合は、恐喝になります。
例えば、被害者に対して100万円を貸している加害者が、「150万円を払わないと家に火をつけるぞ!」と言って怖がらせ、150万円を払わせた場合、回収の仕方が違法であるため、貸付金を超える50万円だけではなく、貸付金に相当する100万円についても恐喝罪が成立します。
恐喝の逮捕率は?
2021年に刑事事件になった恐喝事件のうち、被疑者が逮捕されたケースは75%です。恐喝罪で逮捕された後、勾留されたケースは96%です。勾留期間(原則10日・最長20日)が延長されたケースは85%です。
*本ページの数値は2021年検察統計年報に基づいています。
恐喝罪は脅迫罪や強要罪に比べて勾留される確率が非常に高くなっています。勾留された場合は、弁護士が被害者との間で示談をとりまとめ早期釈放を目指します。
恐喝の起訴率は?
2021年に検察庁で取り扱われた恐喝事件のうち、起訴されたケースは29%です。恐喝罪は、脅迫罪と異なり罰金刑がありませんので、起訴されれば、全て正式裁判となり懲役刑を請求されることになります。
起訴された場合は弁護士が保釈請求を行います。
恐喝で弁護士に依頼するメリット
1.逮捕・報道を回避する
恐喝事件は何らかの人間関係を前提にして生じることが多く、加害者と被害者はお互い面識があるのが通常です。加害者が被害者の連絡先を知っていれば、弁護士が被害者に連絡をとって示談交渉を始めます。
事件化する前に「被害届を提出しない」という内容で示談をまとまれば、警察が介入しないため、逮捕や報道等の不利益を回避することができます。
2.早期に釈放させる
恐喝で逮捕されたら勾留される可能性が高いです。もっとも、被害者との間で示談が成立すれば、起訴されずに速やかに釈放されることが多いです。
恐喝容疑を否認している場合は、取調べで自白調書をとられなければ、起訴されずに釈放されることが少なくありません。弁護士が本人の状況に応じた最適な弁護プランを立て、早期釈放に向け動きます。
3.職場に発覚しないようにする
恐喝で逮捕されたらスマートフォンを使えなくなるので、会社に欠勤の連絡を入れることもできません。そのため、無断欠勤の状態になります。
逮捕中は家族であっても本人と接見することができません。弁護士が速やかに本人と接見し、職場の誰にどのような形で連絡を入れればよいのかを打ち合わせます。
打ち合わせの内容を家族と共有し、家族から職場に連絡を入れてもらうことにより、恐喝で逮捕されたことが職場に発覚しないようにします。
4.不利な調書をとらせない
恐喝で逮捕されたら、すぐに警察署に連行され取調べを受けることになります。逮捕されて不安でいっぱいな状況で、弁護士のサポートなしで取調べに対応するのは困難です。
警察は、弁護士が来ないうちに、被疑者にプレッシャーをかけて都合のよい調書をいっきに作成しようとします。
恐喝を否認していても、「怖がらせてお金をとるつもりでした。」といった内容の自白調書をとられてしまうと、無罪や不起訴を獲得するのが困難になります。
弁護士が速やかに本人と接見し、黙秘権等を説明し、取調べにどのように対応すればよいのかをアドバイスします。
5.被害者と示談をする
恐喝で不起訴をとる最短ルートは被害者と示談をすることです。もっとも、恐喝の被害者は加害者に対して恐怖感を持っており、関わりたくないと思っています。
そのため、加害者が被害者の連絡先を知っている場合でも、被害者に直接連絡するのは避けるべきです。弁護士が間に入れば、被害者としても安心でき、示談交渉を進めやすくなります。
6.前科を回避する
起訴されれば無罪にならない限り前科がついてしまいます。司法統計によれば、起訴された事件のうち無罪になる確率は0.1%未満です。
一方、恐喝罪で不起訴になる確率は71%です。不起訴になれば刑事裁判にかけられないので、前科がつくこともありません。
これらのデータから、前科を回避するためには不起訴を獲得することが重要であることがわかります。不起訴を獲得するためには示談が最も有効ですが、示談が成立しない場合は、賠償金を法務局に供託します。
ご家族にも今後の監督プランを書面にまとめてもらい、弁護士が検察官に提出します。
恐喝の弁護士は国選・私選・当番?
1.恐喝で逮捕されていないケース
恐喝が事件化した場合、逮捕される確率は75%です(2021年検察統計年報)。4件に1件は逮捕されていないことになります。事件化していない恐喝も含めると逮捕されていないケースはさらに増えます。
逮捕されていなければ、私選弁護人に依頼するという選択肢しかありません。国選弁護人も当番弁護士も身柄拘束されていなければ呼べないからです。
2.恐喝で逮捕されたケース
逮捕されれば、国選弁護人・私選弁護人・当番弁護士を呼ぶことができます。どの弁護士を呼ぶのがよいでしょうか?
結論から言うと私選弁護人がベストです。私選弁護人であれば逮捕当日から呼べますし、弁護士を選ぶこともできるからです。これに対して、国選弁護人を呼べるのは勾留後になりますし、弁護士を選ぶこともできません。
当番弁護士は逮捕当日から呼べますが、弁護士を選べませんし、1回接見してくれるだけです。
そのため、弁護士費用はかかってしまいますが、私選弁護人を呼ぶのがベストです。本人が逮捕された場合は、家族が私選弁護人を呼ぶことになります。
私選弁護人のメリットはいつでも呼べることと呼ぶ側で弁護士を選べるということです。以下では私選弁護人を呼ぶことを前提として、恐喝に強い弁護士の特徴や選び方を解説していきます。
恐喝に強い弁護士とは
1.恐喝事件の経験豊富な弁護士
ほとんどの弁護士は個人間の民事トラブルや会社法務に注力しており、刑事弁護に精通しているわけではありません。経験不足の弁護士に依頼すると、対応の仕方を誤ってしまったり、後手に回って不利な結果になることがあります。
恐喝の弁護経験が豊富な弁護士であれば、不起訴や執行猶予を獲得するためのベストな活動をすることができます。
2.動き出しの早い弁護士
恐喝で逮捕・勾留されれば、最長23日にわたって拘束されます。この間に示談がまとまれば、釈放され不起訴になる可能性が高くなります。示談がまとまらなければ、起訴されて検察官から懲役刑を請求される可能性が高くなります。
このように逮捕・勾留された場合は厳格なタイムリミットが設定されているため、弁護士が速やかに示談交渉に入る必要があります。
取調べで不利な調書を取られないようにするためにも、可能であれば当日に接見に行ってくれる弁護士に依頼するとよいでしょう。
3.弁護士費用の安い弁護士
恐喝事件で最も重要なことは被害者との間で示談を成立させることです。弁護士費用が高い事務所に依頼すると、予算のほとんどが弁護士費用に消えてしまい、肝心の示談金が足りなくなるリスクがあります。
経験豊富な弁護士でも、示談金が不足していれば示談をまとめることが難しくなります。弁護士費用が安ければ、予算の多くを示談金に振り向けることができ、示談の成功率を高めることができます。
恐喝に強い弁護士の選び方
1.刑事事件に特化している事務所に注目
恐喝のような刑事事件に力を入れて取り組んでいる弁護士は少ないです。そのため、知人に紹介された弁護士や自宅近くの弁護士に相談しても、的を得たアドバイスを得られないかもしれません。
最近では東京や大阪などの都市部を中心として、刑事弁護に特化した弁護士事務所が増えてきました。
恐喝は刑事事件の中では決して珍しい事件ではありませんので、そのような事務所であれば、恐喝の弁護ノウハウが蓄積されているでしょう。
2.弁護士に会ってみよう
いくつか事務所をピックアップしたら事務所に行って法律相談をしてみましょう。目の前の弁護士に事件の概要をお話しした上で、弁護方針や疑問点について確認してみてください。
弁護士費用についても必ず確認してください。事務所のホームページで宣伝している費用よりもずっと高い弁護士費用を提示されることもありますのでご注意ください。
費用面や相性も含めて納得のいく弁護士に依頼するとよいでしょう。
恐喝の慰謝料の相場
恐喝の被害者と示談をするためには、慰謝料を払って許してもらうことが必要です。
慰謝料とは相手に怖い思いをさせたことに対する賠償金のことです。恐喝罪の慰謝料は、恐喝の仕方や回数、被害者との関係、恐喝した金額によって異なりますが、10万円~30万円程度になることが多いです。
恐喝の弁護士費用の相場
恐喝の弁護士費用の相場は、逮捕されていないケースで総額60万円~90万円、逮捕されているケースで総額80万円~120万円です。
逮捕されていれば、弁護士が接見に行く必要がありますので、逮捕されていないケースより費用が割高になります。刑事裁判で無罪を主張するケースでは、弁護活動の量が増えるため、弁護士費用も高くなります。
恐喝の弁護士費用を節約するポイント
1.大手の事務所にこだわらない
恐喝事件のような刑事事件を手がける法律事務所は、ネットマーケティングを活用して集客しています。
大手の法律事務所は、リスティング広告やSEO対策、ポータルサイトへの登録等に多額の費用をかけています。その結果、事務所のホームページがネット上で目立ちやすくなっており、多くの問い合わせを集めています。
もっとも、多額の広告費用は弁護士費用から回収されるため、どうしても費用が高くなりがちです。弁護士費用を節約するためには、検索上位の大手事務所にこだわらないことがポイントです。
2.接見日当がない費用プランにする
恐喝で逮捕された場合、勾留される確率は100%近くに達しています。逮捕・勾留されると、弁護士がひんぱんに接見に行く必要があります。
弁護士が接見に行く度に日当が発生する料金プランの場合、着手金が低額でもトータルの弁護士費用は高くなってしまいます。
接見日当が発生しない料金プランを採用している事務所も多々ありますので、そのような事務所に依頼するとよいでしょう。
3.複数の事務所の弁護士費用を比較する
恐喝事件について弁護士に相談する方は、家族が逮捕されたり、自分に逮捕が迫っていて非常に焦っています。そのため、弁護士から高額の費用を提示されても、じっくり検討することなく依頼してしまうことがあります。
恐喝の弁護士費用についても相場はありますが、特定の価格帯に集中しているわけではなく、幅広く分布しています。
そのため、事務所によって弁護士費用は大きく異なります。弁護士費用を節約するためには、複数の法律事務所の料金プランを比較するとよいでしょう。
恐喝の弁護士費用が安い法律事務所
ウェルネスの恐喝の弁護士費用は、逮捕されていないケースで総額44万円(税込)、逮捕されているケースで総額55万円(税込)になることがほとんどです。
【逮捕されていないケース】
着手金 | 22万円 |
不起訴の報酬金 | 22万円 |
出廷日当 | 無料 |
実費 | 無料 |
【逮捕されたケース】
着手金 | 33万円 |
釈放の報酬金 | 22万円 |
不起訴の報酬金 | 無料 |
接見日当 | 無料 |
出廷日当 | 無料 |
実費 | 無料 |
ウェルネスではネットマーケティングにお金をかけていないため、弁護士費用に広告費用がほとんど上乗せされておりません。そのため、他の事務所に比べて圧倒的に安い弁護士費用を実現しています。
弁護士費用を節約して不起訴をとりたいという方はお気軽にウェルネスへご相談ください。
このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しました。
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