恐喝

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

恐喝とは

恐喝とは、暴行または脅迫によって、人を怖がらせ、金品の交付や借金の免除といった財産上の要求をすることです。恐喝によって実際に金品を得たり、借金の免除等をさせたときは、恐喝罪が成立します。

 

恐喝罪の刑罰

恐喝罪の刑罰は10年以下の懲役です。

 

恐喝における暴行・脅迫の程度

恐喝の手段としての暴行・脅迫は、被害者を怖がらせる程度のものであることが必要です。暴行・脅迫が被害者を怖がらせるだけではなく、反抗できなくなる程度にまで達していると、恐喝ではなくより重い強盗になります。

 

恐喝罪の脅迫と脅迫罪の脅迫の違い

恐喝罪も脅迫罪も脅迫を手段とする点では同じですが、脅迫について次の二つの違いがあります。

 

(1)告知内容について

脅迫罪の脅迫は、生命、身体、自由、名誉、財産に対して害を加えるものに限定されています。これに対して、恐喝罪の脅迫は、そのような限定はありません。例えば「警察に告訴する。」と脅してお金を要求することは、恐喝罪の脅迫にはなりますが、脅迫罪の脅迫にはなりません。

 

(2)害を加える相手について

脅迫罪の脅迫は、被害者自身やその親族に害を加える内容であることが必要です。これに対して、恐喝罪にはそのような制限はありません。例えば、「100万円払わないと恋人に危害を加える。」という発言は、恐喝罪の脅迫にはなりますが、脅迫罪の脅迫にはなりません。

 

権利行使と恐喝

被害者に対して貸付金や売掛金を持っている場合でも、暴行・脅迫によって被害者を怖がらせて支払いを要求する行為は恐喝にあたります。

 

例えば、被害者に対して100万円の貸付金をもっている加害者が、被害者を脅迫して怖がらせ、150万円を払わせた場合、50万円について恐喝罪が成立することは当然ですが、貸付金に対応する100万円についても恐喝罪が成立します。

 

恐喝の逮捕率は78%【2017】

2017年に刑事事件として処分された恐喝事件のうち、被疑者が逮捕されたケースは78%です。恐喝罪で逮捕された後、勾留されたケースは96%です。勾留期間(原則10日・最長20日)が延長されたケースは85%です。

*本ページの数値は2017年検察統計年報に基づいています。

 

恐喝の起訴率は32%【2017】

2017年に検察庁で取り扱われた恐喝事件のうち、起訴されたケースは32%です。恐喝罪は、脅迫罪と異なり罰金刑がありませんので、起訴されれば、全てのケースで懲役刑を請求されることになります。

 

初犯者の場合、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴処分を獲得できる可能性が高いです。前科があると、起訴される可能性が高くなりますが、示談が成立すれば、執行猶予になることが多いです。

 

恐喝罪の弁護方針(罪を認める場合)

(1)被害者に謝罪する

まずは、怖い思いをさせた被害者に謝罪することが必要です。恐喝罪のケースでは、被害者は加害者を恐れており、対面での謝罪を希望されない方が多いです。そのため、本人に謝罪文を書いてもらい、弁護士を通じて、被害者にお渡しします。

 

【不起訴処分を獲得するために】

本人が作成した謝罪文の写しを検察官に提出します。また、検察官に対して、被害者への思いを直接語ってもらいます。

 

(2)示談をする

検察官は、起訴するか不起訴にするかを決めるにあたって、恐喝の被害者との間で示談が成立しているか否かを最も重視します。そのため、示談をまとめることが最も重要な弁護活動となります。

 

たとえ示談が成立する前に起訴されてしまったとしても、判決までに示談がまとまれば、執行猶予となる可能性が高くなります。

 

【不起訴処分を獲得するために】

弁護士が検察官に示談書や示談金の領収書を提出します。

 

(3)環境を改善する

暴力団の一員として恐喝事件を起こした場合は、組織との関係を断ち切ることが必要です。友人とつるんで恐喝事件を繰り返していたようなケースでは、交友関係の見直しが必要となってくるでしょう。いずれにせよ環境を改善するためにはご家族の協力が必要です。弁護士がご家族と共に、本人の更生をサポートしていく方法を考えていきます。

 

【不起訴処分を獲得するために】

責任をもって本人を監督する旨の誓約書をご家族に作成してもらい、弁護士が検察官に提出します。

 

*その他の弁護活動

① 早期の釈放を目指す

逮捕・勾留されている場合は、弁護士が早期釈放のための活動を行います。

 

② 供託・寄付をする

示談がまとまらなかった場合、損害賠償金を供託したり、反省の気持ちを形にするため、弁護士会等の団体に贖罪寄付(しょくざいきふ)をします。不起訴処分を獲得するため、弁護士が寄付したことの証明書を検察官に提出します。

 

恐喝罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)捜査機関に自白調書をとらせない

恐喝事件において、脅迫文書やメール等の客観的な証拠がなければ、「相手が怖がるような言動をしたのか」ということが大きな争点になります。その際、ご本人が最も気をつけなければいけないことは、「捜査機関に自白調書をとらせない」ということです。ひとたび自白調書がとられてしまうと、後の刑事裁判でそれに反することを言っても、裁判官はなかなか信じてくれません。

 

だからこそ、捜査機関は被疑者に様々なプレッシャーをかけ、「私が恐喝しました」という調書を作成しようとします。不起訴処分や無罪判決を目指すのであれば、捜査機関のプレッシャーに負けないことが前提となります。弁護士がご本人と頻繁にお会いして自白調書をとられないよう継続的にバックアップしていきます。

 

(2)被害者の供述調書を検討する

貸付金や売掛金を回収する場合であっても、暴行・脅迫によって相手を怖がらせてお金を回収すれば、恐喝罪になります。もっとも、このように、本人と相手との間に利害関係がある場合は、相手の言っていることを慎重に吟味する必要があります。

 

自らの債務を免れるため、さしたる根拠もないのに警察に被害の申告をする人間もいるからです。弁護士が被害者の供述調書を閲覧して不自然な変遷がないか調べたり、法廷で被害者を反対尋問することによって、供述の矛盾点を明らかにします。 

否認事件の刑事弁護

 

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オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。各々の事件によってベストな弁護活動は異なります。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

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