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リベンジポルノの加害者弁護に強い弁護士-弁護士費用についても解説

このページはリベンジポルノの加害者に向け、リベンジポルノ防止法違反の要件や逮捕後の流れ、示談のポイント、弁護士費用等について解説しています。

 

 

被害者の方は、法テラスや被害者弁護を手がけている弁護士にご相談ください。このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が作成しました。

 

 

リベンジポルノとは?

リベンジポルノとは、恋人にふられた腹いせや嫌がらせ等のため、被害者の性的な画像をSNS等を使って拡散することです。

 

 

リベンジポルノは「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」(リベンジポルノ防止法)によって規制されています。

 

 

何を拡散すればリベンジポルノになる?

リベンジポルノ防止法が取締りの対象にしているのは次の3つの姿態が撮影された画像です。

 

 

①性交または性交類似行為に係る人の姿態

 

②他人が人の性器等(性器・肛門・乳首をいう)を触る行為または人が他人の性器等を触る行為に係る人の姿態であって性欲を興奮させまたは刺激するもの

 

③衣服の全部または一部を着けない人の姿態であって、ことさらに人の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、でん部または胸部をいう。)が露出されまたは強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するもの

 

 

これらの姿態が撮影された画像を「私事性的画像」と呼びます。また、私事性的画像を記録したものを「私事性的画像記録物」と言います。

 

 

【私事性的画像記録物の例】

性交中に盗撮した元恋人の写真、元恋人との性交動画が保存されているUSBメモリやサーバー

 

 

リベンジポルノにはどのようなものがある?罰則は?

1.私事性的画像記録公表罪

第三者が撮影対象者を特定できる方法で、私事性的画像を不特定または多数の者に提供した場合は、私事性的画像記録公表罪が成立します。

 

 

撮影対象者の顔が写っていれば、氏名や住所を提供していなくても「第三者が撮影対象者を特定できる」とみなされます。また、SNS上で拡散すれば不特定または多数の者に提供したといえます。

 

 

例えば、性交中に撮影した元恋人の動画をショートメールやLINEで多数の者に送信したケースが挙げられます。

 

 

私事性的画像記録公表罪の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

 

2.私事性的画像記録物公表罪

第三者が対象者を特定できる方法で、私事性的画像記録物を不特定または多数の者に提供したり、公然と陳列した場合は、私事性的画像記録物公表罪が成立します。

 

 

例えば、性交中に撮影した元恋人の写真を電柱に貼り付けたり、同様にして撮影した動画をサーバーに送信して保存させ、不特定多数のインターネット利用者が閲覧可能な状態にするケースが挙げられます。

 

 

私事性的画像記録物公表罪の罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

 

 

3.公表目的提供罪

私事性的画像記録を公表させる目的で、私事性的画像記録を提供した場合は、提供相手が一人であっても公表目的提供罪になります。公表目的で私事性的画像記録物を提供した場合も同様です。

 

 

例えば、性交中に撮影した元恋人の動画を知人にEメールで送信し、拡散を依頼するケースが挙げられます。

 

 

公表目的提供罪の罰則は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

 

 

リベンジポルノは親告罪

リベンジポルノ防止法違反は親告罪です。親告罪とは、被害者の告訴がなければ起訴できない犯罪のことです。

 

 

リベンジポルノは被害者の性的プライバシーに密接に関わってくるため、起訴にあたって被害者の意向を最大限に尊重すべきであることから親告罪とされました。

 

 

リベンジポルノの関連犯罪

1.撮影罪

私事性的画像にあたる姿態を隠し撮りした場合は撮影罪が成立します。

撮影罪(性的姿態等撮影罪)について弁護士が解説

 

 

罰則は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。

 

 

2.強要罪

私事性的画像をネタにして復縁や面会を迫った場合は強要(未遂)罪が成立します。

強要罪とは?脅迫罪・恐喝罪との違いや強要の事例について

 

 

罰則は3年以下の懲役です。

 

 

3.わいせつ電磁的記録頒布罪

拡散した私事性的画像に局部が含まれている場合は、わいせつ電磁的記録頒布罪が成立します。罰則は2年以下の懲役・250万円以下の罰金・科料のいずれかです。懲役と罰金は併科されることもあります。

 

 

4.名誉棄損罪

私事性的画像を公表すれば、被害者の社会的評価を害することになるため、名誉棄損罪が成立します。

名誉毀損とは?侮辱罪との違いや慰謝料の相場【事例あり】

 

 

罰則は、3年以下の懲役・禁錮・50万円以下の罰金のいずれかです。

 

 

リベンジポルノで逮捕された後の流れは?

1.逮捕後の流れ

リベンジポルノで逮捕されれば、逮捕の翌日または翌々日に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。

逮捕後に東京地検・東京地裁に連行されるときの流れ

 

 

検察官が勾留の要件(逃亡や証拠隠滅のおそれ)を満たすと判断すると、裁判官に対して被疑者の勾留を請求します。満たさないと判断すると被疑者を釈放します。

 

 

被疑者が勾留請求されると、翌日までに裁判所に連行され裁判官の勾留質問を受けます。裁判官も勾留の要件を満たすと判断すると、被疑者を勾留します。満たさないと判断すると被疑者を釈放します。

 

 

2.勾留後の流れ

被疑者が勾留されると原則10日にわたり身柄拘束されます。勾留が延長されるとさらに最長10日にわたって勾留が継続します。検察官は最長20日の勾留期間内に被疑者を起訴するか釈放しなければなりません。

逮捕後の流れや釈放のタイミングについて図でわかりやすく解説

 

 

リベンジポルノと示談

1.リベンジポルノで示談をするメリット

リベンジポルノは被害者の告訴がなければ起訴できない親告罪です。そのため、被害者と示談をして告訴を取り消してもらえれば、確実に不起訴になります。

 

 

不起訴とは被疑者を刑事裁判にかけないこととする検察官の処分です。不起訴になれば処罰されることはなく、前科がつくこともありません。

不起訴処分とは?無罪との違いは?弁護士がわかりやすく解説

 

 

2.リベンジポルノの示談交渉は弁護士が行う

リベンジポルノの被害者は加害者に対して強い恐怖心を抱いています。そのため、加害者は捜査機関から被害者の氏名や連絡先を教えてもらえません。

 

 

リベンジポルノの被害者が元恋人で加害者が被害者の氏名や住所、連絡先等を知っている場合でも、被害者に直接連絡をとるのは禁物です。そのようなことをすれば二次被害になってしまい、逮捕される可能性が高まります。

 

 

リベンジポルノの被害者との示談交渉は弁護士に任せましょう。弁護士が交渉の窓口になれば被害者も安心して話をすることができます。

 

 

3.リベンジポルノの示談金の相場は?

リベンジポルノの示談金の相場は50万円前後です。インターネットを通じて性的画像が拡散した場合、全て削除することは事実上困難であり、被害者の不安はずっと続くことになります。そのため、10~20万円程度で示談が成立する可能性は低いです。

 

 

リベンジポルノのケースでは、被害者側で削除業者に依頼して削除の手続をしていることが少なくありません。その場合は示談金に加えて削除費用も支払う必要があるでしょう。

 

 

リベンジポルノの示談に強い弁護士は?

リベンジポルノの示談に強い弁護士は、弁護士費用が安い弁護士です。

 

 

リベンジポルノの加害者の多くは、予算に限りがあると思われます。弁護士費用が高いと限られた予算のほとんどが弁護士費用に消えてしまい、肝心の示談金を用意できなくなってしまいます。

 

 

弁護士費用が安ければ、十分な示談金を用意できるので、示談の成功率もアップします。

 

 

リベンジポルノの弁護士費用の相場は?

リベンジポルノの弁護士費用は、逮捕されているか否かによって変わってきます。逮捕されていれば、早期釈放のための弁護活動が必要になるため、逮捕されていない場合に比べて費用が高くなります。

 

 

リベンジポルノで逮捕された場合の弁護士費用の相場は、60万円~120万円です。接見費用や釈放のための弁護活動の費用も含まれます。

 

 

リベンジポルノで検挙されたものの逮捕はされていない場合の弁護士費用は、50万円~100万円です。弁護士の活動としては示談交渉がメインになります。

 

 

リベンジポルノの弁護士費用を節約する方法は?

1.大手の事務所にこだわらない

大手の弁護士事務所は、ネットマーケティングを積極的に活用して集客する傾向にあります。ネットマーケティングには多額の費用がかかるため、弁護士費用も高くなりがちです。

 

 

ネットマーケティングにお金をかけていない中小規模の事務所であれば、弁護士費用にマーケティング費用がほとんど含まれていないため、大手に比べると格段に安いことが多いです。

 

 

2.わかりやすい料金プランにする

刑事弁護の料金プランには「着手金○万円~」、「報酬金○万円~」等と上限が明示されていないことが少なくありません。「事案簡明な事件は○万円」等と意味がわかりづらいプランもあります。

 

 

事前に弁護士費用の合計額を把握できないと、費用がどんどん増えていき、途中で支払えなくなることもあります。予想外に高額化しないよう、弁護士費用の上限や合計額がはっきりとわかる料金プランを選びましょう。

 

 

3.複数の事務所を比較する

リベンジポルノの弁護士費用にも相場がありますが、費用が高い事務所と安い事務所では2倍程度の開きがあります。

 

 

刑事事件で弁護士に相談される方は、家族が逮捕されていたり、自分に逮捕が迫っていたりして、非常にあせっています。そのため、弁護士からびっくりするほど高い費用を提示されてもそのまま依頼してしまいがちです。

 

 

素朴な経済感覚で「高すぎる」と思ったらすぐに依頼するのではなく、見積書だけもらって別の事務所にも相談に行くとよいでしょう。