逮捕後に東京地検・東京地裁に連行されるときの流れ

逮捕後に東京地検_東京地裁に連行されるときの流れ

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しました。

 

 

逮捕後の流れと東京地検・東京地裁に連行されるタイミング

被疑者が東京23区内の警察に逮捕されると、留置の必要がないとして釈放されない限り、逮捕の翌日か翌々日に東京地方検察庁(東京地検)に連行され、検察官の取調べを受けます。

 

 

取調べをした検察官が勾留の要件(逃亡や証拠隠滅のおそれ等)があると判断すると、東京地方裁判所(東京地裁)の裁判官に対して、被疑者の勾留を請求します。

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被疑者は勾留請求の翌日に東京地裁に連行され、裁判官の勾留質問を受けます。

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裁判官が検察官の勾留請求に理由があると判断すれば、勾留請求を許可して勾留状を発付します。その結果、被疑者は勾留されます。検察官の勾留請求に理由がないと判断すれば、勾留請求を却下します。その結果、被疑者は釈放されます。

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逮捕後に東京地検・東京地裁に連行されるタイミングを整理すると以下のようになります。

 

 

連行のタイミング

連行先

検察庁・裁判所で何をするのか

逮捕の翌日または翌々日

東京地検

検察官が勾留の要件を満たすと判断すれば勾留請求する。

①の翌日

東京地裁

裁判官が勾留請求を許可するか却下する。

10日勾留の満期日近く

東京地検

検察官が勾留延長を請求するか否か判断する。

延長勾留の満期日近く

東京地検

検察官が起訴するか釈放するかを判断する。

 

 

逮捕後に東京地検に連行される際の流れ

1.東京地検に行きのバスに乗る

男性用のバスは16系統、女性用のバスは2系統あります。各系統ごとに立ち寄る警察署が決まっています。順番に警察署を回って被疑者を乗せながら東京地検に向かいます。バスの中では手錠をつけられ全員一本のロープでつながれています。

  

2.バスが東京地検に到着

交通事情にもよりますが、午前10時30分頃東京地検に到着します。到着後、庁舎の脇にある大型エレベーターで地下2階に移動します。

 

3.部屋で待機

男性用の同行室は2つあり、1つの同行室の中に15の部屋があります。女性用の同行室は1つで、その中に6つの部屋があります。1つの部屋に10人程度が収容されます。

 

 

検察官の取調べ以外の時間はこの部屋で待機します。「新宿8番は5室」等と、被疑者ごとに部屋を指定されます(被疑者は名前ではなく番号で呼ばれます)。

 

 

部屋に入る前にロープは外されますが、手錠はつけたままです。部屋の両側に木製のベンチが置かれており、向かい合う形で座って待機します。部屋の出入口は鉄格子になっています。私語禁止です。

 

 

昼ごはんはコッペパン2本(ジャム2種類とマーガリン付き)、スティックチーズ、ジュースが出ます。食事中は片手錠にしてもらえます。希望者は昼食時のみお湯をもらうことができます。

 

 

部屋のすみに便器と洗面台があります。便器の横には腰高の簡易な仕切りがありますが個室にはなっていません。小便は手錠をつけたまま行います。大便をするときは片手錠にしてもらえます。

 

 

4.検察官の取調べを受ける

留置係官に腰縄をつけられ、エレベーターで検察官の部屋まで連行されます。検察官の部屋で手錠を外されます。腰縄は外されず椅子にくくられます。留置係官も検察官の部屋で待機しています。

 

 

5.部屋に戻る

取調べが終わると手錠をかけられ留置係官と一緒に地下2階の同行室まで戻ります。

 

6.バスに乗って警察署に戻る

全ての被疑者の取調べが終わった時点で全てのバスが一斉に出発します。午後4時過ぎに検察庁を出ることが多いですが、被疑者の数が多いときは午後6時過ぎに出発することもあります。

 

 

逮捕後に東京地裁に連行される際の流れ

1.東京地検行きのバスに乗る

東京地裁に行く場合もまずはバスに乗って東京地検に行きます。

 

 

2.バスが東京地検に到着

交通事情にもよりますが、午前10時30分頃検察庁に到着します。到着後、大型エレベーターで地下2階に移動します。

 

  

3.部屋で待機

東京地裁に行く被疑者専用の部屋で待機します。

 

 

4.東京地裁に向け出発

東京地裁は東京地検のすぐ隣ですが徒歩ではなく護送バスで移動します。同じバスに乗る全員が一本のロープでつながれた状態でバスに乗車します

 

 

5.バスが東京地裁に到着

バスが東京地裁地下1階の駐車場に到着します。午前11時頃に到着することが多いです。東京地裁地下1階の同行室に通されそこでロープをとられます。部屋には青いプラスチック製の椅子が並んでおり、各自指定された椅子に座ります。通常、椅子をひとつあけてとびとびに座らされます。

 

6.同行室で待機

勾留質問の順番が回ってくるまで同行室で待機します。

 

 

まず勾留質問について解説したビデオが約5分上映されます(「あなたがたは10日間勾留をしてもらいたいという検察官からの請求があったのでここにいます。これから、裁判官が検察官の請求が正しいのかどうか判断します」)。

 

 

昼食は東京地検と同様にコッペパンとスティックチーズ等が支給されます。部屋の中にお湯がでる蛇口があり自由にお湯を飲むことができます。東京地検では食事中は片手錠にしてもらえますが、東京地裁では食事中も両手錠のままです。トイレは東京地検と異なり個室です。

 

7.勾留質問を受ける

待機場所から裁判官と書記官がいる勾留質問室に移動します。手錠と腰縄は外された状態で部屋に入り勾留質問に臨みます。留置係官は部屋の外で待機しています。

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8.同行室に戻る

勾留質問が終われば手錠と腰縄をつけて同行室に戻ります。

 

9.バスに乗って検察庁に戻る

全ての被疑者の勾留質問が終わるとバスに乗って検察庁に戻ります。午後3時30分頃にバスが裁判所を出ることが多いです。

 

 

10.バスに乗って警察署に戻る

全ての被疑者の取調べが終わった時点で全てのバスが一斉に出発します。午後4時過ぎに検察庁を出ることが多いですが、被疑者の数が多いときは午後6時過ぎに出発することもあります。

 

 

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