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強盗事件に強い弁護士
強盗で家族が逮捕された方や強盗の被疑者として取調べを受けている方は次のような疑問をお持ちのことと思います。
☑ 強盗事件で逮捕された後の流れは?
☑ 強盗事件で不起訴や執行猶予はとれる?
☑ 強盗事件で示談をした方がいいの?
☑ 強盗事件の示談金はどれくらいになる?
☑ 強盗事件の弁護士費用は?
このページではこのような疑問に答えるため、刑事事件の経験豊富な弁護士 楠 洋一郎が、加害者側の立場で強盗について知っておいた方がよいことをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
強盗とは
強盗とは、暴行や脅迫を手段として他人の金品を奪うことです。
金品ではなく目に見えない財産上の利益を得ることも強盗になります。たとえば、タクシー運転手を暴行して料金の支払を免れるケースです。
金品を奪うタイプの強盗を1項強盗罪、財産上の利益を得るタイプの強盗を2項強盗罪といいます。
強盗における暴行・脅迫の程度
強盗の手段としての暴行や脅迫は、被害者の反抗を抑圧する程度であることが必要です。
反抗を抑圧する程度であるか否かは、犯人の性別・年齢・体格や凶器の有無、被害者の性別や年齢、周囲の状況などをふまえて、「一般人なら反抗を抑圧されるか」という観点から判断します。
ナイフを突きだして「金を出せ」と脅迫すれば、一般人なら反抗を抑圧されるといえるでしょう。
他方で、ひったくりは相手のスキをついてはいますが、一瞬のことであり反抗を抑圧するとまでは言えず、窃盗罪にとどまることが多いです。
強盗と窃盗の違い
強盗は暴行・脅迫によって被害者の犯行を抑圧して金品を奪い取る犯罪です。これに対して、窃盗は被害者に気づかれないようこっそりと、または一瞬のスキをついて金品を盗み取る犯罪です。
強盗は、財産上の被害を与えるだけでなく、被害者の生命・身体にも危険を与えるという点でより悪質であることから、窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)に比べて重い刑罰(懲役5年~20年)が科されます。
強盗の関連犯罪
1.事後強盗
窃盗犯が、次の①、②、③のいずれかの目的で、暴行や脅迫をしたときは強盗として扱われます。これを「事後強盗」といいます。法律用語ではありませんが、「居直り強盗」とも呼ばれます。
【目的】
①盗んだ金品を取り返されるのを防ぐため
②逮捕を免れるため
③犯罪の痕跡を隠すため
2.昏睡強盗
睡眠薬を飲ませる等して被害者を昏睡させて金品を奪った場合も強盗として扱われます。犯人が自分で昏睡させることが必要です。
泥酔して寝ている被害者から財布をとった場合は、犯人自ら昏睡させたわけではないので、窃盗罪が成立するにとどまります。
3.強盗致傷
強盗(事後強盗と昏睡強盗を含む)に際して人にケガを負わせた場合は強盗致傷罪が成立します。
強盗それ自体によってケガをさせた場合だけではなく、強盗の「機会」にケガをさせた場合を含みます。ケガを負わせる相手は必ずしも強盗の被害者に限られるわけではありません。
【強盗致傷の例】
強盗して逃げる途中に追ってきた目撃者を殴ってケガをさせた
4.強盗致死
強盗(事後強盗と昏睡強盗を含む)に際して人を死亡させた場合は強盗致死罪が成立します。
強盗致傷と同様に、強盗の機会に人を死亡させた場合に成立し、死亡させた相手は強盗の被害者に限られません。
5.強盗予備
強盗罪を犯す目的で準備をした場合は強盗予備罪が成立します。計画したり打合せをするだけでは予備とはいえませんが、強盗の際に使用する凶器を調達したり、被害者の家に下見に行くなど行動に移した場合は予備とみなされます。
強盗の刑罰
犯罪 | 法定刑 |
強盗罪 | 懲役5年~20年 |
事後強盗罪 | |
昏睡強盗罪 | |
強盗致傷罪 | 懲役6年~20年または無期懲役 |
強盗致死罪 | 死刑または無期懲役 |
強盗予備罪 | 2年以下の懲役 |
強盗の時効
犯罪 | 時効 |
強盗罪 | 10年 |
事後強盗罪 | |
昏睡強盗罪 | |
強盗致傷罪 | 15年 |
強盗致死罪 | なし |
強盗予備罪 | 3年 |
強盗で逮捕される確率
2021年の検察統計年報によれば強盗罪で逮捕されるケースは54%です。意外に少ないと思われるかもしれませんが、強盗罪で逮捕されないのは以下のような軽微な強盗に限られます。
【軽微な強盗】 スーパーで200円の食料品を万引きして店を出た後、従業員が追いかけてきたので逃げたが追いつかれ、もみあいになった(事後強盗)。 |
典型的な強盗事件では、身元が特定されれば逮捕される可能性が非常に高いです。
典型的な強盗事件では、身元が特定されれば逮捕される可能性が非常に高いです。逮捕後に勾留されるケースは99%、勾留が延長されるケースは95%です。
いったん逮捕されるとほぼ全てのケースで勾留されてしまいます。人違いであることが明らかである等よほどの事情がない限り、1日、2日で釈放に持ち込むのは難しいでしょう。
勾留は最長で20日です。検察官はこの間に被疑者を起訴するか釈放するかを決めなければなりません。
示談が成立すれば勾留の期間内に釈放され不起訴になる余地があります。起訴されれば保釈されない限り、裁判が終了するまで勾留が続きます。
*本ページに記載した確率は全て2020年の検察統計年報に依拠しています。
*確率は、強盗・事後強盗・昏睡強盗・強盗予備を基礎として算定しています。強盗致死・強盗致傷は含まれていません(以下も同じ)。
強盗で起訴される確率
強盗罪で起訴される確率は52%です。強盗罪に罰金刑はありませんので、起訴されれば簡易な略式裁判ではなく正式裁判で審理され、検察官から懲役刑を請求されます。
強盗致傷罪と強盗致死罪で起訴された場合は、公判前成立手続を経た後に、裁判員裁判で審理されます。
強盗で執行猶予はとれる?
1.執行猶予の要件
懲役刑に執行猶予をつけるためには3年以下でなければなりません(刑法25条)。
2.強盗は懲役3年を超える
強盗関連の犯罪の法定刑は、強盗予備罪を除き、全て懲役3年を超えています。そのため、「どんなに頑張っても執行猶予はつかないのではないか?」と思われるかもしれません。
3.酌量減軽という道がある
強盗関連の犯罪については、強盗致死罪を除き、酌量減軽(しゃくりょうげんけい)されれば、法律上は執行猶予をつけることができます。
酌量減軽とは犯罪の情状に酌量すべきものがあるときに適用され、懲役の上限と下限がそれぞれ半分になります。また、死刑は無期懲役、無期懲役は懲役7年~20年に短縮されます。
犯罪 | 酌量減軽された後の刑罰の下限 |
強盗罪 | 懲役2年6月 |
事後強盗罪 | |
昏睡強盗罪 | |
強盗致傷罪 | 懲役3年 |
強盗致死罪 | 懲役7年(執行猶予は不可) |
単に反省しているというだけで酌量減軽されることはありませんが、示談が成立すれば酌量減軽の余地は十分にあるでしょう。
4.強盗致傷で執行猶予はとれる?
強盗致傷罪は、酌量減軽されると懲役刑の下限が3年になるため、ぎりぎり執行猶予をつけられます。ただ、強盗致傷罪は裁判員裁判の対象となる重大犯罪ですので、示談が成立しても実刑になる可能性が高いです。
もっとも、被害者のケガが全治1週間以下の軽傷であれば執行猶予になる余地はあるでしょう。
強盗と示談
1.強盗における示談の位置づけ
強盗罪は被害者に経済的・身体的・精神的に重大な被害を与える犯罪ですので、検察官は起訴するかどうかを決めるにあたって、被害者の処罰感情を重視します。
そのため、示談という形で被害者に許してもらえれば、不起訴になる可能性が高まります。
もし起訴されたとしても、裁判官も刑罰を決めるにあたって、被害者の意思を重視しますので、示談が成立すれば執行猶予になる可能性が高まります。
2.示談と不起訴・執行猶予
万引きから事後強盗に発展したケースや酔っぱらってタクシー運転手に暴行して乗り逃げしたケースでは、示談が成立すれば不起訴になる可能性が高いです。
それ以外の強盗であっても、①初犯で、②単独犯であり、③被害金額が10万円以下で、④ケガをさせていなければ、示談が成立すれば不起訴になる余地が十分にあります。
特殊詐欺グループによる強盗など組織的に強盗した場合や強盗致傷のケースでは、示談が成立しても起訴される可能性が高いですが、執行猶予になる余地は十分にあります。
3.強盗と示談金
強盗の示談金の内訳は奪い取った金品の額と慰謝料です。ケガをさせた場合は、治療費や休業損害を支払う必要もあるでしょう。
慰謝料の金額については明確な相場はありませんが、強盗は被害者に対して多大な恐怖を与える犯罪であり、50万円を超える場合も少なくありません。
ただ、万引きが事後強盗に発展したケースや酔余のタクシー乗り逃げの場合はそれほど高額にならないこともあります。
強盗を否認する場合の弁護活動
強盗に関わっていないのに逮捕された場合は、捜査段階で「私が強盗しました」という自白調書をとられないようにしなければなりません。
取調官は、逮捕直後に被疑者が動揺している状況を利用して、被疑者にプレッシャーをかけ、いっきに自白させようとします。
いったん自白調書がとられてしまうと、刑事裁判で「私はやっていません」と言っても、裁判官はなかなか信じてくれません。
逮捕直後から、弁護士がご本人と接見を重ね、捜査機関のプレッシャーに屈しないようにサポートする必要があります。
強盗の弁護士費用-ウェルネス法律事務所
強盗で逮捕された後に示談をまとめて不起訴を獲得した場合の弁護士費用は、合計55万円になります。
【弁護士費用の内訳】
起訴前の着手金…33万円
釈放の報酬金…22万円
強盗で逮捕・起訴され執行猶予を獲得した場合の弁護士費用は合計99万円になります。
【弁護士費用の内訳】
起訴前の着手金…33万円
起訴後の着手金…22万円
保釈の報酬金…22万円
執行猶予の報酬金…22万円
*全て税込表記です。
逮捕・勾留されていない強盗事件で、示談をまとめて不起訴になった場合の弁護士費用は、合計44万円になります。
【弁護士費用の内訳】
起訴前の着手金…22万円
不起訴の報酬金…22万円
強盗を否認する場合の弁護士費用は以下のページをご覧ください。
強盗致傷・強盗致死の弁護士費用は以下のページをご覧ください。
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ウェルネスの弁護士は強盗致傷で不起訴を獲得した実績があります。家族が強盗で逮捕された方はウェルネス(03-5577-3613)へご相談ください。