無免許運転のご質問

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

Q1:無免許運転をした場合、どのような捜査が行われるのでしょうか?

主として以下の捜査が行われます。

 

① 引き当たり捜査

当日の運転経路を明らかにするため、ご本人が警察車両に同乗し、車の運転を開始した地点から無免許運転で摘発された地点まで、捜査官を案内していきます。

 

② 取調べ

ご本人が捜査官から、

・運転免許が停止・取消になった理由

・無免許運転をした理由

・当日の運転経路

・警察に停止を求められた後の言動や心境

等について聴取されます。

 

 

Q2:運転手が無免許運転で検挙された場合、同乗者は何らかの責任を負うのでしょうか?

同乗者が、運転手が無免許であることを知りつつ、自己を乗せて運転することを要求したり、依頼した場合は、無免許運転同乗罪が成立します(道路交通法64条3項)。罰則は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です(同法117条の3の2第1号)。

 

 

Q3:無免許運転をしていた車が他人名義だった場合、警察から車の所有者や管理者に連絡がいきますか?

はい。車の所有者や管理者自身が道路交通法違反に問われる可能性がありますので、警察が、所有者や管理者に、本人が無免許であることを知っていたか等の事情を確認することになります。

 

例えば、無免許運転していた車が社用車だった場合、警察から会社の車両管理責任者に連絡がいくことになります。自家用車の場合は、通勤や仕事に使っていた等の事情がない限り、警察から勤務先に連絡がいくことは通常ありません。

 

<本人以外の罰則規定>

対象者

罰則

根拠法令

無免許運転をするおそれがある者に対し車を提供した者*

年以下の懲役または50万円以下の罰金

道路交通法117条の2の2第2号、64条2項

自動車の使用者・管理者であって、業務に関し、無免許運転を命令・容認した者

道路交通法117条の2の2第8号、75条1項1号

運転者が無免許であることを知りながら自己を運送することを要求・依頼した者

年以下の懲役または30万円以下の罰金

道路交通法117条の3の2第1号、64条3項

*提供された者が実際に無免許運転をした場合に限る

 

 

Q4:無免許運転で摘発された場合、最終的にどのような刑になるのでしょうか?

前科がなければ罰金どまりとなる可能性は十分にあります。

 

免許停止・取消中に無免許運転で摘発された場合、免許停止や取消の原因となった交通違反(飲酒運転、スピード違反等)により、既に刑事処罰を受けていることが多いと思われます。罰金等の前科がある場合は、正式裁判となり、懲役刑を請求される可能性が高くなります。

 

以前の違反により、懲役刑の判決を受け、執行猶予中の場合は実刑となる可能性が高くなります。早期の段階から十分な公判対策をしておくべきでしょう。

 

 

 

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