器物損壊の示談書の作り方を弁護士が解説-書式あり

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

器物損壊の示談書の書式

 器物損壊の示談書は以下の内容が一般的です。

 

【示談書の書式】

 

示 談 書 

 

  〇〇(以下「甲」という)と 〇〇(以下「乙」という)との間において、令和〇年〇月〇日、〇〇において発生した、乙が甲所有の〇〇を損壊した器物損壊事件(以下「本件」という)につき、以下のように示談が成立したので、示談成立の証として本書面2通を作成し、甲乙各1通ずつ保管する。

 

1 乙は、甲に対し、本件の示談金として、金〇円の支払義務があることを認める。

 

2 乙は、甲に対し、前項の金○万円を本日支払い、甲はこれを受領した。

 

3 甲は、乙を許し、本件について捜査機関に対してした告訴を速やかに取り消す。

 

4 甲と乙は、本示談書記載のほか、甲乙間に何らの債権債務が存しないことを相互に確認する。

以 上

令和  年  月  日

(甲)

住所または生年月日

 

氏名           印

 

(乙)

住所

 

氏名           印

 

*甲が被害者、乙が加害者です。

*被害者が「住所までは教えたくない」と言っている場合は、住所の代わりに生年月日の記載でもよいでしょう。

 

器物損壊の示談書の3つのポイント

器物損壊の示談書のポイントは次の3つです。

 

①示談の対象を特定する

示談書の頭書きで事件の発生日と発生場所、損壊した物を具体的に記し、何について示談をするのか特定します。

 

②告訴取消し条項を入れる

器物損壊は被害者の告訴がなければ起訴することができない親告罪です。告訴は起訴されるまでは取り消すことができます。いったん告訴を取り消すと、再び告訴することができなくなります。

 

そのため、被害者に告訴を取り消してもらえば、不起訴が確定します。不起訴になれば前科はつきません。したがって、器物損壊の示談書で最も大切なことは、告訴取消しの条項を入れるということです。記載例の第3項が告訴取消し条項です。

 

③精算条項を入れる

精算条項とは、示談書に記載された義務以外にいかなる義務も負わない旨を記載した条項のことです。記載例の第4項が精算条項です。

 

精算条項をつけないと、示談金を払ったのに被害者側から再び金銭を請求される可能性があります。示談金の支払いをもって最終的な解決とするために、必ず精算条項を入れてください。

 

器物損壊の示談書-告訴取消書も作成してもらおう

示談書のなかに告訴取消しの条項を入れたとしても、それだけで自動的に告訴が取り消されるわけではありません。

 

別途、被害者に警察署に行ってもらい告訴取消しの手続をしてもらう必要があります。ただ、実際に被害者がそこまで協力してくれるかどうかはわかりません。

 

そこで、あらかじめ告訴取消書を用意し、被害者に署名・捺印してもらいます。告訴取消書の書式は以下の通りです。

 

【告訴取消書の書式】

 

告 訴 取 消 書

 

令和  年  月  日

〇〇警察署長 殿

 

住所または生年月日 

 

告訴人             

 

 私(告訴人)は、被告訴人〇〇が、令和〇年〇月〇日、〇〇において、私の所有する〇〇を損壊した器物損壊事件についてした告訴を取り消します。

以 上

 

 

器物損壊の示談書-委任状も作成してもらおう

本来、告訴取消書は、告訴人である被害者が警察署に提出するものですが、被害者に告訴取消書を渡しておくと、いつまでたっても提出してもらえず、告訴が取り消されない可能性があります。

 

そこで、被害者に署名・捺印してもらった告訴取消書は加害者が預かり、加害者の方から警察署に提出します。ただ、告訴取消書は本来被害者が提出するものですので、加害者が提出するにあたっては、提出について被害者の委任状があった方がよいでしょう。

 

委任状の書式は次の通りです。

 

【委任状の書式】

 

委 任 状

 

令和   年  月  日

 

住所または生年月日 

 

委任者 

 

私は、次の者を代理人と定め、下記の事件に関する各事項を委任します。

 

住 所 

氏 名 

1 私を被害者とする器物損壊事件(発生日…令和〇年〇月〇日、発生場所…〇〇)について、私が作成した〇〇警察署長宛ての告訴取消書を、同警察署長に提出すること

 

2 1に関連する一切の事項

 以上

 

器物損壊の示談書と弁護士のサポート

上で紹介したものは最低限の内容です。事件によって最適な示談書の内容は異なってきます。

 

また、被害者が加害者に氏名や電話番号などの個人情報を教えたくないというケースも少なくありません。被害者から過大な賠償額を請求されることもあります。

 

被害者との示談交渉や示談書の作成は弁護士のサポートを受けた方がよいでしょう。

 

【関連ページ】

器物損壊に強い弁護士

器物損壊の解決事例

示談の相談は弁護士へ

刑事事件の法律相談24時間受付

03-5577-3613

お問い合わせ

オーダーメイドの法律事務所

ウェルネス法律事務所

【大きい地図を見る】