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青少年を深夜外出させると青少年健全育成条例違反?逮捕や前科は?
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
青少年を深夜外出させると青少年健全育成条例違反になる
東京都青少年の健全な育成に関する条例は、青少年を深夜に外出させる行為にについて次のように定めています。
何人も、保護者の委託を受け、又は同意を得た場合その他正当な理由がある場合を除き、深夜に青少年を連れ出し、同伴し、とどめてはならない。 |
「青少年」とは18歳未満の男女をいいます。「深夜」とは午後11時から翌日の午前4時までです。
「連れ出す」とは相手に対して働きかけをして、相手の自宅から外に出すことです。「同伴」とは相手と行動を共にすることです。「とどめる」とは相手が帰宅したいと言っているのに帰宅させないことです。
「正当な理由」とは、災害が生じたときの避難誘導などで保護者の同意を得る余裕がなかった場合をいいます。
青少年が深夜に外出すると、犯罪に巻き込まれたり、非行に走るおそれがあります。そのため、正当な理由がある場合を除いて、青少年を深夜に外出させることが禁止されています。
東京以外の他の自治体でも同様の条例があります。ただ、「深夜」に該当する時間帯については、自治体によって違ってくることがあるので、注意が必要です。
青少年を深夜外出させたときの罰則
東京では18歳未満の青少年を深夜に外出させることは禁止されていますが、処罰の対象となるのは、16歳未満の青少年を相手とする場合に限られます。
埼玉、神奈川、千葉では18歳未満の青少年が対象となりますので、東京より厳しいといえるでしょう。
| 罰則 | 処罰される年齢 | 過失の処罰規定 |
東京都青少年の健全な育成に関する条例 | 30万円以下の罰金 | 16歳未満 | あり |
埼玉県青少年健全育成条例 | 18歳未満 | あり | |
神奈川県青少年保護育成条例 | なし | ||
千葉県青少年健全育成条例 | 20万円以下の罰金または科料 | あり |
東京、埼玉、千葉では、過失により相手が18歳未満であると知らなかったとしても処罰されます。一方、過失がなければ処罰されることはありません。
身分証明書で年齢を確認していれば、過失がないとされるケースが多いでしょう。一方、口頭で年齢を確認しただけであれば過失があると判断されることが多いでしょう。
神奈川県では過失処罰規定がないため、過失により18歳未満であると知らなかった場合でも処罰されません。
もっとも、「もしかしたら18歳未満かもしれない」という認識があった場合は、未必の故意が認められますので、犯罪が成立します。
青少年を深夜外出させたら逮捕される?
青少年の深夜外出は、懲役刑が定められておらず、重くても罰金で終わる軽微な犯罪です。そのため、住所不定とか警察への出頭拒否などの例外的な事情がなければ逮捕される可能性は低いです。
もっとも、深夜外出がきっかけとなり、児童買春や淫行が発覚した場合は、そちらの犯罪で逮捕される可能性は十分にあります。
こころあたりのある方は弁護士にご相談ください。
青少年を深夜外出させたら前科がつく?
青少年を深夜外出させた場合、罰金刑になる可能性があります。
罰金刑は略式裁判という簡単な裁判で言い渡されますが、ご自身は法廷に行く必要はなく、支払いも銀行でできるため軽く考えがちです。
⇒略式裁判とは?正式裁判との違いや拒否すべきかを弁護士が解説
しかし、罰金は刑事罰の一種であり、交通違反の反則金とは異なり、前科がついてしまいます。
深夜外出の条例違反は軽微な犯罪であり、反省文や贖罪寄付などで、罰金を回避できる可能性は十分にあります。まずは弁護士へご相談ください。
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