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取調べで黙秘したらどうなるか
このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
否認事件の取調べでは黙秘が基本
否認事件とは、容疑を認めていない刑事事件のことです。
否認事件の取調べで絶対に避けなければならないことがあります。それは自白調書をとられてしまうことです。自白調書をとられてしまうと、後の裁判で有罪認定の証拠として使われてしまいます。
自白調書をとられないようにするために、否認事件の取調べでは、黙秘することが基本になります。
黙秘したときの取調官の発言5パターン
取調べで被疑者が黙秘した場合、取調官はあの手この手で口を割らせようとします。黙秘したときの取調官の発言は次の5つに分類できます。あらかじめ発言のパターンを知っていれば、取調べでも動揺しないですみます。
① 良心に訴えかけようとする発言
「黙秘していて罪の意識を感じないのか?」
「自分の罪を軽くすることばかり考えるな。」
「被害者の気持ちになれ。」
「今ちゃんと話さないとやり直せないぞ。」
「黙秘していて堂々と胸を張ることができるのか?」
「彼女は白になって出てきてほしいと言ってるぞ。」
「黙秘していることをお母さんに話したら泣いてたぞ。」
② 危機感をあおる発言
「今日言わないともう時間がないよ。」
「黙秘のままいけば悪人のまま裁かれる。それでいいのか?」
「いろんなところに防犯カメラがあるんだよ。黙秘して何とかなると思ってるの?」
「黙秘していると、裁判官が、『あなたつかまったときに何も話していませんでしたね』と意地悪な質問をしてくるよ。」
「(平静な様子で)へ~黙秘するんだ。わかりました。ではこちらはこちらで判断します。」
③ 感情的な発言
「黙秘はだめだ!」
「人を殺しておいて黙秘しているその態度はなんだ!」
「逮捕されている時点でお前がやったってことなんだ!」
「黙秘しますじゃねえんだよ!」
④ 寄り添ってくる発言
「やっていないのであればやっていないと言ってくれ。」
「ちゃんと話そうや。」
「俺も君から自白とったからって給料が上がるわけじゃないから。」
「今日、君がしゃべってくれると思ったので1日あけています。」
「君が言ってくれたら今録音録画しているから自発的に言ったという証拠が残ります。」
「黙秘は構わないが今でてきている証拠から判断しなければいけないので、言いたいことがあれば聞きたい。」
⑤ 弁護士を攻撃する発言
「弁護士は君の将来のことまで考えていない。お金のために動いているだけだ。」
「本当に黙秘でいいの?弁護士は依頼を受けて依頼者のためにやるけれども、結局ふりかかってくるのは自分だからね。」
「証拠があるから逮捕しているわけであって、弁護士さんそこらへんの証拠はおさえてるの?その場しのぎで黙秘を指示してるんじゃないの?」
黙秘した後の対応方法
弁護士と協議して黙秘すると決めたのであれば、上記の発言は想定内ですので、取調官に同じようなことを言われても黙秘を貫いてください。
そうはいっても、逮捕・勾留された状態で四六時中、このようなことを言われると、精神的に追い詰められてしまいます。
対策として、取調べが終わる度に被疑者ノートに取調官の発言を詳しく記録し、弁護士に接見した際に、状況をお伝えください。
違法・不当な取調べが行われている場合は、弁護士が検察官に抗議します。
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