被疑者ノートは逮捕・勾留された被疑者の必須ツール

被疑者ノート

 

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

 

被疑者ノートとは

被疑者ノートとは、逮捕・勾留された被疑者が取調べの状況を記録する書き込み式のノートです。日本弁護士連合会(日弁連)が作成しており、日弁連のホームページから誰でもダウンロードできます。

 

 

日本語版だけではなく、英語、韓国語、中国語、ポルトガル語、ロシア語、スペイン語、ベトナム語、タイ語、タガログ語版もあります。

被疑者ノート日弁連のページにリンクします)

 

 

被疑者ノート-どうやって手に入れる?

ホームページからダウンロードできるといっても、逮捕・勾留された方はパソコンやプリンターを使えませんので直接手に入れることはできません。接見に来た弁護士が本人に差し入れ、使い方を説明することになります。

 

 

私選弁護人であれ国選弁護人であれ、刑事事件の弁護士であれば、被疑者ノートについて知らない人はいないでしょうし、接見の際に差し入れてくれるはずです。もし弁護士からの差入れがなければ、ご家族から弁護士に差し入れを依頼するとよいでしょう。

 

 

ウェルネスの弁護士も接見する際に被疑者ノートを差し入れています。

 

 

被疑者ノートの内容

被疑者ノートには、見開き2ページにわたって、取調べについてのさまざまな質問が記載されています。取調べを受けた後、これらの質問に答えていけば、弁護士が取調べの状況を把握できるようになっています。被疑者ノートに記載されている主な質問は以下の通りです。

 

 

・取調べが実施された日

・取調べの開始時刻

・取調べの終了時刻

・取調官の氏名

・取調べ事項

・取調官はどのような点に関心を示していたか

・黙秘権は告知されたか

・録画が行われたか

・殴られたり、蹴られることがあったか

・脅されたり、侮辱されたりしたことはあったか                                             

・自白した方が利益になると言われたことはあったか

・印象に残った取調官の態度・言葉

・取調官に具体的にどのような供述をしたのか

・調書を作成したか

・調書の読み聞かせがあったか

・調書の訂正を申し入れたか

・訂正してくれたか

・調書の署名・押印に応じたか

・弁護人について話題になったか

・その他(雑談など)

 

 

被疑者ノートの3つのメリット

1.違法・不当な捜査をやめさせる

被疑者ノートの内容から違法・不当な捜査が行われていることがわかったときは、弁護士が警察署長や捜査を指揮している検察官、その上司に対して抗議します。弁護士が抗議することにより、取調官の対応がソフトになることも多々あります。

 

 

2.自分の記憶を整理する

何度も取調べを受けていると、以前に受けた取調べで自分がどのようなことを言っていたのか覚えきれなくなってきます。その結果、複数の調書の間で供述に矛盾が生じてしまい、裁判で問題になることがあります。被疑者ノートに取調べの状況を記録しているとそのような心配はなくなります。

 

 

3.捜査機関の狙いを把握する

刑事事件の経験豊富な弁護士であれば、被疑者ノートに記載された取調官の発言から、捜査機関がどのようなストーリーを作り上げようとしているのか把握できるものです。あらかじめ捜査機関の狙いを把握することによって、前もって対策を立てることが可能になります。

 

 

 

【取調べを乗り切るために】

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弁護士が教える取調べ対応の極意

検察官の取調べ(在宅事件) 

取調べのご質問

否認事件の取調べ

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黙秘について

取調べで黙秘したらどうなるか

黙秘しているときに取調官と雑談してはいけない理由

黙秘した被疑者へのアメとムチ

黙秘と取調べ状況報告書

黙秘と親へのプレッシャー

否認・黙秘とポリグラフ検査

被疑者ノートは逮捕・勾留された被疑者の必須ツール(本ページ)

 

 

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