前科・前歴がある方と自首

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

前科・前歴があれば逮捕の可能性が上がる

自首の一番の動機は「逮捕されることを避けるため」だと思われます。反省や謝罪のために自首したいという方もいるでしょうが、そのような方でも、「自首によって何とか逮捕をさけたい。」という思いをもっているはずです。

 

犯罪行為をしてしまった後、逮捕される可能性がどれくらいあるかは、一概にはいえませんが、以下の4つのケースでは、前科や前歴があれば、それらがない方に比べて逮捕の可能性が上がります。

 

前科や前歴があれば、捜査機関が指紋やDNAといった個人の特定につながる有力な情報を保有しているためです。

 

前科・前歴により逮捕の可能性が上がる4つのケース

①のぞき

前科・前歴がある方が住居の敷地内に入って風呂場をのぞいたケースでは、窓やサッシ、フェンスなどに指紋がついていれば、鑑識係が指紋を採取し、そのデータを警察庁に送ります。その後、警察庁の指紋自動識別システムにより、登録されている自分の指紋と一致すれば、身元が特定され、逮捕される可能性が高くなります。

 

②盗撮

コンビニ・飲食店などの商業施設のトイレ内に小型カメラを設置して盗撮したケースでは、店員に回収された小型カメラに自分の指紋がついていれば、警察庁の指紋自動識別システムにより身元を特定され、逮捕される可能性が高くなります。

 

③器物損壊

前科・前歴がある方が、電車内で女性に精液をかけたケースでは、女性が警察に被害を申告すると、警察は、科学捜査研究所に、衣類などに付いた精液のDNA鑑定を依頼します。DNA鑑定した結果、データベースに登録されている自身のDNAとマッチングすれば、身元を特定され、逮捕される可能性が高くなります。

 

④強制わいせつ・強制性交等

前科・前歴がある方が、強制わいせつや強制性交等をして、被害者の身体や衣類に精液が付着したり、犯行現場に精液が遺留されていれば、科捜研によるDNA鑑定を通じて、身元が特定され逮捕される可能性が高くなります。

 

前科・前歴があっても特定前であれば自首が成立する

前科・前歴があれば、遺留された指紋や精液のDNA等によって、身元を特定され逮捕される可能性が上がりますが、たとえ特定されるのが時間の問題であっても、実際に特定されるまでは、自首が成立します。

 

そのため、とりわけ上に述べた4つのケースに該当する方は、早めに自首に向けて動いた方がよいでしょう。ウェルネスの弁護士は前科・前歴のある方の自首も多数取り扱ってきました。お悩みの方はウェルネス(03-5577-3613)までお電話ください。

 

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