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ヘロインで逮捕されたら?逮捕後の流れや弁護士費用について

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しています。

 

 

 

 

ヘロインとは

ヘロインは植物のケシを原料とする薬物です。ケシの果汁を乾燥させたアヘンからモルヒネを抽出し、それを精製することによりヘロインを製造します。

 

 

純粋なヘロインは白色の粉末ですが、混ぜ物があると灰色や灰褐色になります。ヘロインは腕に注射して使用します。火であぶって煙を吸入したり、鼻から吸引する方法により使用することもあります。

 

 

ヘロインを使用すると、多幸感や陶酔感に満たされ、精神的に依存するようになります。ヘロインの効果は2,3時間にわたり続きます。

 

 

効果が切れると体中の関節や筋肉、骨に激痛が走り、吐き気や嘔吐、倦怠感、失神などの激烈な離脱症状に襲われます。

 

 

欧米では社会問題になっていますが、日本ではコカインやMDMAといった他の麻薬に比べると摘発件数は少ないです。

 

 

ヘロインの罰則

ヘロインは麻薬の一種として麻薬及び向精神薬取締法によって厳しく規制されています。罰則は下表のとおりです。

 

 

 

営利目的なし

営利目的あり

ヘロインの施用(使用)

10年以下の懲役

懲役1年~20年

情状により500万円以下の罰金も

ヘロインの所持・譲渡し・譲受け・小分け・製剤

10年以下の懲役

懲役1年~20年

情状により500万円以下の罰金も

ヘロインの輸入・輸出・製造

懲役1年~20年

無期懲役または懲役3年~20年、情状により1000万円以下の罰金を科されることも

 

 

製剤…麻薬に化学的変化を加えないで他の麻薬にすること(調剤を除く)

製造…麻薬を精製すること、及び麻薬に化学的変化を加えて他の麻薬にすること

小分け…他人から譲り受けた麻薬を分割して容器に収めること

 

 

ヘロインは依存性が非常に強いことから、コカインやMDMAといった他の麻薬に比べて刑罰が重くなっています。

 

 

特に営利目的の輸入・輸出・製造は、最高刑が無期懲役であり、起訴されれば裁判員裁判によって審理されます。

 

 

ヘロインで逮捕された後の流れ

1.逮捕~起訴の流れ

刑事事件の身柄拘束は逮捕→勾留という流れで進みます。逮捕は最長3日しかできませんが、勾留されると最長20日わたって拘束されます。勾留の主な要件は逃亡のおそれと証拠隠滅のおそれです。

 

 

逮捕されると48時間以内に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。検察官が勾留の要件を満たすと判断すれば、裁判官に勾留を請求します。

 

 

裁判官は、勾留請求の当日か翌日に被疑者に対して勾留質問を行い、勾留するか釈放するかを決めます。

 

 

勾留されると原則10日にわたって拘束されます。検察官の請求により最長10日の範囲で勾留が延長されることもあります。そのため、起訴前の勾留期間は最長20日になります。

 

 

検察官はこの間に被疑者を起訴するか釈放するかを決めなければなりません。起訴すれば保釈が許可されるまで勾留が続きます。

 

 

2.ヘロインの事件は勾留(延長)されやすい

ヘロインは容易に隠したり捨てたりできますし、取引相手とのSNSのやりとりもすぐに削除できます。そのため、証拠隠滅のおそれが高いと判断され、勾留される可能性が高いです。

 

 

また、万引きのように一人で完結する事件ではなく、売人らとの取引が介在することから全容解明のために時間が必要として、勾留が延長されることが多いです。

 

 

そのため、起訴前に釈放させることは難しいですが、初犯の方であれば、初公判の前に保釈請求が許可されることが多いです。

 

 

起訴前から弁護士が保釈の準備を進め、起訴直後に保釈請求を行います。

保釈を弁護士に相談-保釈金・申請が通る確率・保釈の流れ

 

 

ヘロインは執行猶予?実刑?

1.初犯のケース

ヘロインの使用や単純所持で起訴されたケースでは、初犯であれば、執行猶予が付く可能性が高いです。判決は懲役1年6月・執行猶予3年程度になることが多いです。

 

 

執行猶予になれば直ちに刑務所に行く必要はありません。もっとも、執行猶予中や執行猶予が終わって3年以内に再犯すればほぼ確実に実刑になります。そのため、決して安心はできません。

 

 

ヘロインは他の薬物に比べて依存性が高く、強烈な離脱症状におそわれるため、執行猶予の可能性が高いとしても、裁判前の最も反省を促しやすい時期に、専門のクリニックに通院するなどしてきちんと治療を受けた方がよいでしょう。

 

 

2.再犯のケース

薬物犯罪の前科がある方が再犯した場合は、実刑になる可能性が高いです。執行猶予を狙うのであれば、入院治療をした上で医師に証人として出廷してもらう等して万全の対策をして裁判に臨んだ方がよいでしょう。

 

 

3.営利目的があるケース

営利目的で大量のヘロインを所持したり外国から輸入した場合は、初犯であってもいきなり実刑判決になる可能性が高いです。

 

 

ヘロインの密輸事件では、海外の指示役に誘惑され、「日本にいる友人のために荷物を運んでもらいたい。」等と騙され、知らないうちにヘロインの運び屋に仕立て上げられることがあります(ブラインドミュール)。

 

 

このようなケースでは、違法薬物の故意がないとして無罪になる余地があります。故意を否認するのであれば、不利な調書をとられないよう、逮捕直後から弁護士がサポートすることが必要です。

 

 

4.捜査に問題があるケース

☑ 勝手に車の中を捜索された

☑ 家までついて来て強引に中に入って来た

 

 

このような行き過ぎた捜査がなされた場合は、その捜査によって得られた証拠が違法取集証拠として排除され、無罪になる余地があります。警察の対応に疑問のある方はまずは弁護士へご相談ください。

違法収集証拠の排除について弁護士が解説

 

 

ヘロインの弁護士費用

1.ヘロインの弁護士費用の相場

ヘロインの弁護士費用の相場はトータル100万円~200万円です。

 

 

相場といっても費用が高い事務所と安い事務所で2倍程度の開きがあります。そのため、複数の事務所の料金プランを比較することをオススメします。

 

 

ヘロインの弁護士費用の相場は、覚せい剤の弁護士費用の相場とほぼ同じです。弁護士費用が高くなる理由や節約のポイントについては以下のページをご覧ください。

覚せい剤事件の弁護士費用の相場は?

 

 

2.【ヘロイン】ウェルネスの弁護士費用

ウェルネスの弁護士費用は、容疑を認めているケースで合計99万円になることが多いです。

 

 

ウェルネスは法テラス出身の弁護士が運営する法律事務所です。弁護士自らSEO対策を行うことによって広告費を削減し、リーズナブルな弁護士費用を実現しています。

刑事事件の弁護士費用が安い法律事務所

 

 

家族がヘロインで逮捕された方はお気軽にウェルネス(03-5577-3613)の弁護士へご相談ください。