【弁護士向け】刑事事件で口頭の提供により供託するときの流れ

【本ページは刑事事件を手がける弁護士向けのコンテンツです】

 

 

供託と弁済の提供

刑事事件(不法行為)で供託する場合、まず被害者に弁済の提供をする必要があります。弁済の提供としては、現実の提供をするケースと口頭の提供をするケースが考えられます。

 

 

現実の提供をして供託するケース

不法行為債務は持参債務です。そのため、民法上は、現実の提供をするのが原則です(民法493条)。

 

【供託までの流れ(現実の提供)】

平成30年7月1日

①刑事事件が発生

平成30年8月1日

②弁済の提供(現実の提供)→被害者が受領拒否

平成30年8月5日

③供託手続

 

もっとも、現実の提供をするためには、弁護士が被害者の住所を知っている必要があります。仮に被害者の住所を知っていたとしても、弁護士が被害者の自宅を訪問すればトラブルになる可能性が高いので、控えた方がよいでしょう。

 

そこで、口頭の提供によって供託をすることになります。

 

 

口頭の提供をして供託するケース

【供託までの流れ(口頭の提供)】

平成30年7月1日

①刑事事件が発生

平成30年7月10日

②弁護士が損害賠償の支払を申し出る→被害者が受領拒否

平成30年8月1日

③口頭の提供→被害者が受領拒否

平成30年8月5日

④供託手続

 

持参債務の場合でも、あらかじめ受領拒否されているときは、口頭の提供で足りるとされています(民法493条但書)。そのため、③の口頭の提供の前に②の損害賠償の支払を申し出る必要があります。②を省いていきなり③の口頭の提供をしても、債務の本旨にかなった弁済の提供にはなりません。

 

③の口頭の提供の際は遅延損害金もあわせて提供する必要があります。遅延損害金の額は口頭の提供をした日の時点で確定します。供託する日まで日割りで増えていくわけではありません。

 

 

口頭の提供で供託する際の留意事項

口頭の提供により供託をする場合は、口頭の提供をした日付は必ず覚えておく必要があります。口頭の提供をした日付がわからなければ遅延損害金の額を確定できなくなるため、供託所に受理されません。

 

口頭の提供前のアプローチについては「平成○年○月頃」という記載でも受理されるでしょう。

 

 

口頭の提供と供託書の記載

口頭の提供により供託をする場合、「供託の原因たる事実」末尾の記載は以下のようになります。遅延損害金額をいちいち計算する必要はありません。

 

「供託者は平成○年○月○日頃、被供託者に対して、自己が相当と考える損害賠償債務の支払いを申し出たが、被供託者から拒絶されたため(←受領拒否=口頭の提供の要件)、平成○年○月○日に、改めて、被供託者に対して、自己が相当と考える損害賠償額〇万円(不法行為の日から同日までの年5分の割合による遅延損害金を含む)の弁済を申し出たが(←口頭の提供)、その受領を、被供託者側から明白に拒絶されたため供託する。」

 

 

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