刑事裁判の判決-執行猶予か実刑かすぐわかるポイント等を解説

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

刑事裁判の判決言渡し

刑事裁判の判決は、法廷で、被告人の面前で、裁判長が口頭で宣告します。裁判長は判決の主文と理由を朗読します。<主文→理由>の順で朗読することが多いです。

 

裁判長は、有罪判決を言い渡したときは、被告人に対して、上訴の期間と上訴申立書を提出する裁判所を告げます。

 

【上訴についての告知例】

「この判決に不服があれば、明日から14日以内に東京高等裁判所あての控訴申立書をこの裁判所に提出してください。」

 

また、有罪判決を言い渡したときは、裁判長は、被告人に対して、訓戒(=説教)をすることができます。

 

判決言渡しの間は、被告人はただ聞いているだけです。弁護士や検察官も同様です。軽微な自白事件のケースでは、判決言渡しは10分以内に終わることが多いです。重大事件や否認事件の判決言渡しは、30分以上かかることもあります。

 

執行猶予判決と実刑判決をすぐに見わける方法

多くの被告人が関心を持っているのは、「執行猶予がつくか否か」です。開廷後、裁判長はすぐに被告人を証言台の前に立たせ、主文を朗読します。

 

裁判長が「被告人を懲役○年に処する。」と言った後、「その執行を猶予する。」という言葉が出てくれば執行猶予、出てこなければ実刑ということになります。

 

【執行猶予判決の主文例】

「主文、被告人を懲役1年に処する。この裁判が確定してから3年間その執行を猶予する。

 

【実刑判決の主文例】

「主文、被告人を懲役3年に処する。未決勾留中60日をその刑に算入する。」

 

執行猶予判決が出たら自由の身に!

執行猶予判決が出ると勾留状の効力がなくなります。そのため、判決の時点で保釈されていなければ、言い渡し直後に、その場で解放されることになります。

 

実務では、裁判終了後に護送車でいったん拘置所に戻し、私物を持ち帰ってもらうことが多いです。行きの護送車では手錠をはめられ腰縄がつけられていますが、帰りの護送車では、既に勾留状が失効していることから、手錠も腰縄もつけられません。

 

もし護送車に乗りたくなければ、「自分で拘置所に行くので護送車には乗りません。」と言えば、強制的に乗せられることはありません。無罪や罰金の判決が出た場合も、同様に勾留状は失効します。

 

実刑判決がでるとすぐに拘束される

実刑判決が出ると、保釈の効力はなくなります。そのため、保釈中の被告人は閉廷後すぐに身柄を拘束されます。

 

法廷に入るときは、家族や弁護士と一緒に入りますが、裁判が終わった後は、検察事務官に連れられ、法廷の裏口から出て行きます。その後、拘置所に移送されます。

 

実刑判決後すぐに再保釈の請求をした場合は、検察庁に待機している間に再保釈が許可され、拘置所に移送されないこともあります。実刑判決が予想されるケースで、再保釈を希望する場合は、弁護士が再保釈請求書を用意した上で、判決に臨みます。

 

刑事裁判の判決書について

判決書がなくても判決を宣告できる

刑事裁判では、民事裁判と異なり、判決言渡しの時点で、判決書ができている必要はありません。実務でも、裁判官は、言い渡しの時点では判決書を作っておらず、ドラフトを朗読することが多いです。

 

判決書の取得方法

判決書を手に入れるためには、弁護士が裁判所に判決書の謄本を請求することが必要です。

 

被告人からも検察官からも控訴がなければ、判決書の謄本は、宣告の翌日から14日以内に請求しなければいけません。判決が確定すると、調書判決になり判決書が作成されない可能性があるからです。

 

被告人か検察官のどちらかが控訴すれば、調書判決は作成されませんので、14日が経過した後でも判決書の謄本を請求することができます。判決書の取得費用は1枚あたり60円です。収入印紙で納付します。

 

判決書はいつ取得できる?

前述したように、判決宣告の時点では判決書が作成されていないことが多いため、宣告当日に判決書を取得できることはほとんどありません。取得まで数日から1,2週間のタイムラグがあることが多いです。

 

弁護士が取得した後、被告人にお渡しすることになります。

 

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