大麻の共同所持とは?不起訴になるケースや対処法について解説

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しました。

 

 

 

 

大麻の共同所持とは?

☑ 大麻を家に保管していた夫が逮捕された

☑ 友人の車のダッシュボードの中から大麻が発見され友人が逮捕された

 

 

このような状況では、同居していた妻や同乗していた友人も大麻の共同所持で逮捕されることがあります。

 

 

大麻の共同所持が問題になるケースでは、大麻を所持していたことが明らかな人が少なくとも1人いるのが通常です。

 

 

上の例でいうと逮捕された夫や友人については、問題なく大麻の所持が認められることが多いです。

 

 

同居していた妻や同乗していた友人が大麻を共同所持していたと認定されると、逮捕された夫や友人と同様に、大麻所持の「共同正犯」として処罰されます。

 

 

【大麻取締法24条の2第1項】

大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、五年以下の懲役に処する。

 

 

【刑法60条】

二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。

 

 

大麻は覚せい剤等と異なり、使用についての処罰規定はありません。そのため、もし尿検査で大麻の使用が明らかになったとしても、使用罪で逮捕・起訴することはできません。

 

 

そのような事情があるため、警察も何とか罪に問おうとして、同居人や同乗者を大麻の共同所持で見込み逮捕するケースが多いのです。

 

 

大麻の共同所持の要件

大麻の共同所持が成立するためには、自ら大麻を所持しているのと同様の状態であると評価される必要があります。そもそも「所持」とはどのような意味でしょうか?

 

 

大麻所持罪の所持とは、大麻を直接手で持っている状態に限られるわけではなく、より広く大麻を自ら管理しうる状態をいいます。

 

 

例えば、自宅の一室に大麻を保管しており、吸いたい時に自由に吸うことができるのであれば、大麻を管理しているといえ、大麻を所持しているといえます。

 

 

大麻の共同所持についても同様に考えることができます。すなわち、メインの所持者でなくても、大麻を管理できる状態にあれば共同所持が認められます。

 

 

大麻の共同所持になる?ならない?

メインの所持者ではなくても、大麻についての管理権があると認められれば、大麻の共同所持が成立します。大麻が自宅や車の中にあることを知らなかった場合は、管理権は認められません。

 

 

大麻が自宅や車内にあることを知っていても、それだけで大麻に対する管理権が認められるわけではありません。

 

 

もっとも、大麻の存在を知っていることに加え、以下のような事情があると管理権が認められやすくなります。判例でもこれらの事情を重視して共同所持を認めています。

 

 

大麻の共同所持が認められやすくなる事情

大麻が家のどこにあるかを知っていた

吸いたい時に箱から大麻を取り出して吸っていた

夫に頼めばいつでも大麻を持ってきて吸わせてくれた

車で移動した先でみんなで大麻を吸う予定だった

訪問者に大麻が見つからないように隠していた

自分の部屋や車に大麻を持ち込むことを許可していた

大麻の購入資金を出した

 

 

これらの事情があれば、大麻の管理権があったものとして共同所持が認められやすくなります。

 

 

メインで所持していた者から「この大麻を預かっておいてくれ」と明示的な依頼がなくても、共同所持が認められ得ることに注意してください。

 

 

逆に以下のような事情が認められると、管理権が否定されやすくなり、共同所持が認定されにくくなります。

 

 

大麻の共同所持が認められにくくなる事情

大麻が自宅や車内のどこにあるかわからない

大麻が金庫に保管されており自分で開けられない

メインで所持している者の許可なく、大麻を使用したり持ち出すことができない

 

 

大麻の共同所持で逮捕されたらどうなる

1.勾留される可能性が高い

大麻は証拠隠滅が容易です。また、共同所持のような共犯事件では共犯者同士による口裏合わせを警戒されます。そのため、大麻の共同所持として立件されると、逮捕・勾留される可能性が高いです。

 

 

勾留されると原則10日にわたって留置場に入ることになります。検察官が裁判官に勾留の延長を請求しこれが認められた場合は、さらに10日を限度として勾留が延長されます。

 

 

検察官は勾留の期間内に被疑者を起訴するか釈放するかを決めなければなりません。

 

 

2.共同所持を否認する場合の流れ

被疑者が共同所持を否認する場合、検察官は公判を維持するだけの十分な証拠があると考えれば、勾留の満期日までに被疑者を起訴します。

 

 

検察官が起訴すれば刑事裁判が始まります。裁判官が証拠に基づき有罪・無罪を判断し、有罪であるときはふさわしい刑罰を宣告します。

 

 

検察官が「起訴しても公判を維持できない」と考えた場合は、嫌疑不十分で不起訴にします。

 

 

3.共同所持を認める場合の流れ

被疑者が共同所持を認める場合は、起訴される可能性が高いです。もっとも、押収された大麻が0.5mg以下の微量である場合は、本人の反省状況や再発防止策もふまえ、起訴猶予で不起訴にすることもあります。

 

 

起訴猶予とは、本来起訴できるが検察官の裁量によって起訴しないこととする処分です。起訴猶予であっても不起訴である以上、前科はつきません。

 

 

大麻の共同所持で逮捕されたら弁護士を呼ぼう

1.取調べに適切に対応する

共同所持を否認する場合は取調官に不利な調書をとらせないようにすることが大切です。

 

 

日本の裁判では、供述調書は有罪を認定するための強力な証拠になることから、取調官は被疑者にプレッシャーをかけて、自白調書を作成しようとします。

 

 

☑ 大麻の置き場所を知っていました

☑ 夫がよく大麻を吸っていました

☑ 大麻が見つからないように片付けていました

 

 

このような内容の調書をとられてしまうと、後の刑事裁判で「本当は違うんです。」と言っても、裁判官に信用してもらえず、調書どおりの判決になってしまうことが多いです。

 

 

被疑者には黙秘権が認められているので、たとえ不利な事情があったとしても、黙秘権を適切に行使して、嫌疑不十分で不起訴を獲得できることもあります。

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取調べは逮捕直後から集中的に実施されます。一刻も早く弁護士のサポートを受けて取調べに臨んだ方がよいでしょう。

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2.共犯者の供述を弾劾する

大麻の共同所持で逮捕された場合、メインで所持していた者も逮捕されているはずです。

 

 

メインで所持していた者は、自分の責任をできるだけ軽くしようとして、共同所持で逮捕された者を引っ張り込もうとする傾向があります。

 

 

「大麻は〇〇が持ち込んだ物です。」

「〇〇から大麻を保管するように指示された。」

 

 

一方的にこのようなことを言われた場合は、弁護士が、メインで所持していた者の供述に信用性が認められないことを検察官や裁判官に指摘します。

 

 

 

ウェルネスの弁護士は大麻の共同所持で不起訴(嫌疑不十分)を獲得した実績があります。家族が大麻の共同所持で逮捕されたらウェルネス(03-5577-3613)までお気軽にご連絡ください。

 

 

 

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