盗撮の再犯を防ぐための方法を弁護士が解説

盗撮の再犯防止

 

 

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

盗撮する人の特徴は?

盗撮癖(窃視症)の治療を行っている榎本クリニックの調査によれば、初診時の年齢で最も多いのが30代で40%、次いで20代で33%です。

 

 

盗撮する人の学歴で最も多いのは大卒、職業で最も多いのは会社員です。結婚歴のある方は59%です。これらのデータから、盗撮する人の特徴として普通の会社員をイメージすることができます。

 

 

同じ依存症でもクレプトマニア(窃盗症)や幼児性愛の人は、機能不全家族で育ったケースが多いと言われていますが、盗撮癖は幼少期の家庭環境との関連性は低いようです。

【参考文献】「盗撮をやめられない男たち」(斉藤章佳著)

 

 

盗撮癖は病気?

盗撮したいという衝動をコントロールできず、後先考えずに盗撮を繰り返してしまうようであれば、依存症になっていると考えられます。

 

 

世界保健機関(WHO)によれば、依存症とは、「快感・高揚感を伴う行為をくり返し行った結果、さらに刺激を求める渇望が生じ、刺激を求めることが最優先となり、刺激がないと精神的・身体的に不快な症状を起こす状態」と定義されています。

 

 

精神疾患の診断基準であるDSM-5やICD-11によれば、盗撮癖は「パラフィリア障害」として分類されています。

【参考文献】「盗撮をやめられない男たち」(斉藤章佳著)

 

 

盗撮の再犯率は?

性犯罪は再犯率が高いことが知られています。

 

 

平成27年版犯罪白書によれば、盗撮の再犯率は36.4%です。この36.4%には全ての犯罪が含まれていますが、痴漢・盗撮の再犯に絞ると27.4%になります。盗撮で捕まった人の約4人に1人が痴漢・盗撮で再び捕まっているということです。

 

 

盗撮の再犯防止-3つのアプローチ

盗撮の再犯防止のためには、次の3つのアプローチが有効です。

 

1.性依存症のクリニックに通う

2.盗撮できる状況をなくす

3.家族に協力してもらう

 

以下では、これら3つのアプローチについて弁護士が解説していきます。

 

盗撮の再犯防止法1-性依存症のクリニックに通う

依存症になっている場合、自分の意思だけで再発を防ぐことは容易ではありません。医師やカウンセラーのサポートを受け、衝動が生じないようにする方法や衝動が生じても行動化することを防ぐ方法を学びます。

 

 

以下に、東京・横浜で性依存症に対応している医療機関をまとめました。

 

【性依存症に対応している医療機関】

名称

所在地

電話番号

榎本クリニック

東京都豊島区西池袋1-2-5

03-3982-5321

ライフサポートクリニック

東京都豊島区要町3-11-1 菊信第一ビル2.3.4階

03-3956-5555

ゆうメンタルクリニック上野院

東京都台東区上野6-16-16 上野ORAGAビル8F

03-6663-8813

ゆうメンタルクリニック池袋東口院

東京都豊島区東池袋1-7-5 池袋イースタンビル

03-5944-8883

ゆうメンタルクリニック池袋西口院

東京都豊島区西池袋1-15-9 第一西池ビル7F

03-5944-9995

ゆうメンタルクリニック渋谷院

東京都渋谷区道玄坂1-3-1 飯島ビル6F

03-5459-8885

ゆうメンタルクリニック新宿院

東京都新宿区西新宿1-11-11 河野ビル2F

03-3342-6777

ゆうメンタルクリニック秋葉原院

東京都千代田区神田佐久間町2-1 大原ビル2F

03-3863-8882

大石クリニック

神奈川県横浜市中区弥生町4-41大石第一ビル

045-262-0014


医療機関の提供する治療プログラムには、①医師の診察、②グループミーティング、③カウンセリングの3つがあります。

 

 

榎本クリニック、ライフサポートクリニック、大石クリニックは①と②がメインになります。ゆうメンタルクリニックは①と③がメインになります。

 

①医師の診察

精神科医がご本人の話を聞き、依存症になっているか否かを診断します。治療が必要であれば、今後の治療方針を立てます。薬物療法を行う場合は、医師が適切な薬物を処方します。

 

 

抗うつ薬の一種であるSSRIには、副作用として勃起不全や性欲の減退が生じることが知られています。性依存症で苦しんでいる人のなかには、悩みを抱えてうつの症状がみられる方もいます。そのような方には、SSRIを処方してもらい、副作用を逆手にとって再犯防止につなげます。

 

 

②グループミーティング

性的な問題を抱えた方々が集まり、参加者ひとりひとりが、自らの体験や再犯防止のために実践していることを話していきます。

 

 

参加者の中には、盗撮で逮捕・起訴された経験のある方もいるでしょう。そのような方の体験談を聞き、自らの更生に活かしてもらいます。

 

 

性の問題はなかなか人には話しづらいものです。参加者の話を聞き「悩んでいるのは自分だけではないんだ」と実感できることは大きな励みになります。ミーティングでは、氏名等の個人情報は伏せて発表しますので、自分の情報が外に漏れることはありません。

 

 

③カウンセリング

 カウンセリングは、複数の方が参加するグループミーティングとは異なり、心理士と1対1で行われます。人前で話をするのが苦手な方は、グループミーティングよりもカウセリングの方が始めやすいでしょう。

 

 

グループミーティングでは人とのつながりができる反面、専門家に自身の悩みや問題に深く向き合ってもらえないというデメリットがあります。カウンセラーにじっくり話を聞いてもらうことで、自身の問題点を深掘りすることができます。

 

盗撮の再犯防止法2-盗撮できる状況をなくす

盗撮したいという衝動そのものをなくすことは容易ではありません。そのため、まずは「盗撮しようと思えばできる状況」を作らないようにすることが大切です。具体的には以下の方法が考えられます。

 

 

①スマートフォンのレンズを破壊する

盗撮の多くはスマートフォンを使って行われます。スマートフォンは常時携帯しているため、駅でミニスカートを着用している女性を見たとき等に、簡単に盗撮を実行できてしまいます。

 

 

スマートフォンのレンズを破壊することで物理的に盗撮できない状態にします。レンズにガムテープを貼り付けるだけでも効果があるでしょう。

 

②エスカレーターを使用しない

盗撮は駅構内や商業施設のエスカレーターで行われることが多いです。エスカレーターで前にミニスカートの女性が立っているのを見たことでスイッチが入り、再犯してしまうこともあります。再犯防止のため、エスカレーターは一切使わず、階段やエレベーターで移動します。

 

③小型カメラを廃棄する

小型カメラを使用して盗撮をしたケースでは、手持ちの小型カメラを全て廃棄してもらいます。小型カメラの販売サイトも閲覧しないようにします。

 

④スマートフォンを鞄に入れない / 鞄を変える

スマートフォンを入れた鞄をスカート内に差し向けて盗撮したケースでは、「スマートフォンを鞄に入れない」、「ビジネスバッグをリュックサック」に変える等の取り組みにより再犯を防止します。

 

⑤スマートフォンに鈴をつける

盗撮の多くはスマートフォンを使って行われます。スマートフォンに鈴をつけ、動かすたびに音がなるようにすることによって、盗撮したくてもできない状況にします。

 

⑥スマートフォンの待ち受け画面を妻や子供の写真にする

スマートフォンを見るたびに愛する家族を目にすることで再犯防止につなげます。

 

⑦妻からもらった指輪や数珠を身につける

常に家族の存在を身近に感じてもらうことで、再犯防止を徹底します。

 

盗撮の再犯防止法3-家族に協力してもらう

盗撮癖は病気ですので、本人の力だけで克服することは容易ではありません。再犯防止のためには家族の協力も必要です。以下、具体的に見ていきます。

 

 

①家族にスマートフォンの中身をチェックしてもらう

盗撮の多くはスマートフォンによって行われます。家族にスマートフォンを操作してもらい、盗撮画像が保存されていないかチェックしてもらいます。あらかじめ家族にスマートフォンのパスワードを伝えておきます。

 

②家族に付き添ってもらう

通勤の際に、家族に最寄り駅まで付き添ってもらいます。クリニックに通院する際に付き添ってもらうこともあります。家族の存在を強く意識することが再犯防止につながります。

 

③コミュニケーションの機会をなるべく多くとる

本人がストレスをため込んでいることが盗撮の一因になっていることが少なくありません。家族でコミュニケーションを十分にとり、本人の悩みやストレスに耳を傾けてもらいます。

 

 

 

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