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痴漢で後日逮捕されるケースと後日逮捕の流れを弁護士が解説
このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。
痴漢で後日逮捕されるケース
痴漢は現行犯で逮捕されることが多い犯罪ですが、後日逮捕されることもあります。痴漢で後日逮捕されるのはどのようなケースでしょうか?
被害者が痴漢の犯人をとり逃がした場合、その時点であきらめてしまい、警察に被害を申告しないことがあります。被害申告がなければ、警察が自発的に捜査することはありませんので、後日逮捕されることもありません。
被害者があきらめずに警察に被害申告をした場合であっても、常に警察が積極的に捜査を始めるわけではありません。
現行犯でつかまえた場合と異なり、これから捜査をして痴漢の被疑者を特定する必要があるため、警察の負担が大きくなるからです。
そのような場合であっても、被害者が粘り強く警察に働きかけることによって、警察が被害届を受理して捜査を始めることがあります。
痴漢は電車内で行われることが多い犯罪ですが、ほとんどの駅には防犯カメラが設置され、交通系ICカードも普及していることから、警察がいったん本腰を入れれば、被疑者を特定できるケースも多々あります。
前科・前歴のある方が痴漢をした場合は、女性の衣服についた精液のDNA鑑定によって足がつくこともあります。
被疑者を特定できれば、逮捕せずに在宅で捜査することもありますが、逃亡や証拠隠滅の可能性が高いと判断すれば、逮捕状を請求して後日逮捕します。後日逮捕のケースでは、痴漢の被疑者は一度逃げているので、逃亡の可能性が高いと判断されやすいです。
まとめると、①被害者があきらめずに警察に被害を申告し、②警察が捜査を開始すれば、後日逮捕される可能性が十分にあるといえるでしょう。
痴漢で後日逮捕されるときの流れ
電車内の痴漢について後日逮捕の流れは次の通りです。
*ウェルネスの弁護士が実際に取り扱った後日逮捕のケースで、被害者から教えてもらった情報を参考にしています。
①痴漢発生→被害者が被疑者の腕をつかむ→被疑者がふりきって駅ホームから逃走
②被害者が警察に被害を申告する
③捜査員が防犯カメラを解析したり、鉄道会社に交通系ICカードの所有者を照会することにより被疑者を特定する
④捜査員が被疑者を尾行し、ばれないように写真撮影する
⑤捜査員が被害者に被疑者を含む何人かの写真をみせて、「この人に触られました」と特定できるか確認→特定
⑥被疑者の逮捕状を請求→逮捕状が出る
⑦私服警察官が被害者と一緒に被疑者を待ち伏せ→被害者が被疑者を確認できればその場で逮捕
痴漢で後日逮捕を防ぐ方法
痴漢で後日逮捕を防ぐためには、警察に自首することが考えられます。自首について詳しくは以下のページをご覧ください。