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詐欺で示談なしで不起訴を狙える３つのケース
詐欺が刑事事件になった場合、不起訴を獲得するためには被害者と示談をすることが最も重要です。ただ、示談をしなければ１００％起訴されるわけではありません。
このページでは、詐欺事件で示談なしでも不起訴になり得るケースや不起訴になる理由、不起訴になるための方法について、ウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が解説しています。ぜひ参考にしてみてください！
詐欺で不起訴になるためには示談がベスト
詐欺事件で不起訴処分を獲得するためには、被害者との間で示談をまとめることが最も重要です。
詐欺罪は、被害者をだまして財産的な損害を与える犯罪ですので、不起訴になるためには、示談という形で損害を賠償し被害者の許しを得ることが必要になるのです。
示談が成立すれば、前科があったり、オレオレ詐欺や投資詐欺などの組織的な詐欺でない限り、不起訴になる可能性が高くなります。不起訴になれば刑事裁判にかけられないため、処罰されることはなく前科もつきません。不起訴になった時点で刑事手続は終了します。
詐欺で示談なしでも不起訴を狙える？
１．示談なしで不起訴になり得る詐欺事件
詐欺で不起訴を獲得するためには被害者との間で示談をまとめることが重要です。もっとも、示談できなければ例外なく起訴されるというわけではありません。
詐欺事件の中でも財産的な被害が小さく、それほど悪質とはいえないケースでは、たとえ示談できなくても不起訴になることがあります。
２．詐欺が示談なしで不起訴になる理由は？
なぜ示談なしで不起訴になるのでしょうか？
ポイントは詐欺罪には罰金刑がないという点です。詐欺の刑罰は１０年以下の懲役のみです。
窃盗罪であれば、懲役刑も罰金刑もあるので、検察官は、悪質なケースであれば正式裁判で懲役刑を求め、万引きのように軽微なケースであれば略式起訴して罰金刑を求めるというように、事案の軽重に応じて、求める刑罰のタイプを柔軟に変えることができます。
統計的にも、窃盗罪で起訴されたケースのうち約２０％が略式裁判で罰金刑となっています（２０２３年検察統計年報）。
これに対して、詐欺罪には懲役刑しかありませんので、検察官は、起訴するのであれば、どんなに軽い事案であっても、正式裁判で懲役刑を求めざるを得ません。
そのため事案によっては被告人に酷なケースもでてきます。
したがって、軽微な詐欺のケースでは、「行為と責任のバランス」という観点から、示談が成立していなくても、検察官が不起訴にすることがあるのです。
詐欺で示談なしで不起訴を狙える３つの事件
詐欺罪には懲役刑しかないことから、軽微な事案については、検察官は被疑者に懲役という重い刑を与えることを避けるため、示談なしでも不起訴にすることがあります。
具体的には次の３つの詐欺では示談なしでも不起訴を狙えるでしょう。
① 値札のはりかえ
② 無銭飲食
③ キセル乗車
これらもれっきとした詐欺ですが、被害金額がそれほど高額にはならない傾向があります。また、特殊詐欺などの組織的な詐欺に比べれば悪質性が高いとはいえません。
そのため、「余罪多数」とか「同種前科あり」といった事情がない限り、示談なしで不起訴をとれる余地は十分にあります。
詐欺で示談なしで不起訴になるための方法は？
上の３つの事件のいずれかに該当するからといって、何もしなくても自動的に不起訴になるわけではありません。
まずは弁護士を通じて被害者と示談に向けて交渉します。もし示談を受けてもらえなければ、賠償金を供託することにより被害回復に向け尽力していることを検察官に示します。
供託であれば示談のように被害者の同意が必要になるわけではありません。むしろ被害者に弁済の提供を拒絶されたことが供託の要件になります。
贖罪寄付をして深く反省していることを検察官にアピールすることも有用です。
軽微な詐欺事件であれば、このような活動を行うことで不起訴になる可能性が高まります。事実関係に争いのないケースでは、いったん起訴されれば、たとえ執行猶予がついても懲役刑になることは避けられません。
まずは詐欺事件の経験豊富な弁護士に相談してみてください。ウェルネス法律事務所（０３－５５７７－３６１３）でも詐欺事件の法律相談を受け付けています。詐欺でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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