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会社の更衣室・トイレでの盗撮について弁護士が解説

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しました。

 

 

会社で盗撮したらどんな犯罪になる?

会社で盗撮した場合にどのような犯罪が成立するかは、会社の所在地と会社内のどのようなスペースで盗撮をしたのかによって変わってきます。

 

1.更衣室・トイレで盗撮した場合

更衣室やトイレで盗撮した場合は、会社の所在地によって、迷惑防止条例違反になるケースと軽犯罪法違反になるケースの2つがあります。

 

盗撮した会社が東京、千葉、神奈川にある場合は、刑の重い迷惑防止条例違反になりますが、埼玉に会社がある場合は刑の軽い軽犯罪法違反になります。

盗撮の刑罰

 

駅の構内や電車内など、誰でも立ち入ることができる「公共の場所」や「公共の乗物」での盗撮は、どの自治体の迷惑防止条例でも規制されています。

 

一方、会社の更衣室やトイレは誰でも入れる公共の場所とはいえません。もっとも、公共の場所でなくても、更衣室やトイレのような「衣服の一部を着けないでいる場所」での盗撮についても、多くの自治体が迷惑防止条例で規制しています。

 

首都圏では、東京、千葉、神奈川の迷惑防止条例は「衣服の一部を着けないでいるような場所」での盗撮も規制しています。ただ、埼玉の迷惑防止条例は規制していないため、より罪の軽い軽犯罪法違反しか成立しません。

 

更衣室やトイレで盗撮した場合、迷惑防止条例違反・軽犯罪法違反に加えて、建造物侵入罪が成立する余地もあります。

 

2.オフィスで盗撮した場合

会社のオフィスは、「公共の場所」でもなければ、「衣服の一部を着けないでいる場所」でもありません。このような場所は迷惑防止条例で規制されているのでしょうか?

 

東京と千葉の迷惑防止条例は、公共の場所や衣服の一部を着けないでいる場所以外であっても、「不特定または多数の人が出入りする場所」での盗撮も禁止しています。そのため、オフィス内での盗撮も迷惑防止上条令違反になり得ます。

 

一方、埼玉と神奈川の迷惑防止条例は、単に「不特定または多数の人が出入りする場所」というだけで、盗撮を規制しているわけではありませんので、オフィスで盗撮しても迷惑防止条例違反にはなりません。

 

軽犯罪法違反も便所や浴室など衣服の一部を着用しない場所を対象としていますので、結局、オフィスで盗撮しても犯罪にはなりません。ただし、同じ女性を多数回、盗撮している場合は、ストーカー規制法違反に該当することがあります。

 

オフィスの盗撮で多いのが、下着ではなく同僚の顔や着衣姿を盗撮するというものです。お尻や胸といった性的な部位を執拗に盗撮するケースを除き、普通に目で見える部分を盗撮しても、犯罪には該当しません。

 

会社で盗撮したらどんな社内処分になる?

駅や電車内で盗撮したケースでは、公務員でない限り、警察が勤務先に報告することはありません。そのため、逮捕されない限り、会社にばれる可能性は低いです。

 

ただ、会社内で盗撮した場合は、盗撮されたことに気づいた被害者は、いきなり警察に通報するのではなく、まずは上司に相談すると思われますので、会社にばれないということは考えにくいです。

 

もし被害者が勤務先に相談せずに警察に通報したとしても、警察は盗撮の現場を実況見分したり、会社に加害者の勤務スケジュールを確認するため、会社にばれることになります。

 

会社での盗撮が発覚した場合は、懲戒解雇になるケースが多いです。諭旨退職にしてもらえることもありますが、いずれにせよ会社に残ることは難しいと思われます。

 

オフィス内で顔や着衣姿を盗撮したケースでは、戒告や異動にとどまることが多いです。

 

会社で盗撮した場合の示談

1.刑事事件化を阻止できることも

公共の場所での盗撮であれば、被害者の連絡先がわかりませんので、示談をしようと思えば、弁護士が捜査機関を通じて、被害者に電話番号の開示を依頼するしかありません。

 

一方、会社内での盗撮の場合は、加害者が被害者の電話番号を知っていることがあります。そのような場合は、被害者が警察に被害届を出す前に、示談交渉をして「被害届を出さない」という内容の示談が成立すれば、刑事事件になることはありません。

 

もし被害者の連絡先がわからなければ、弁護士を通じて、会社に連絡先の開示を依頼すれば、会社が被害者に確認した上で電話番号を開示してもらえることがあります。

 

【ウェルネスの解決事例】

アルバイト先の居酒屋の更衣室に盗撮目的でスマートフォンを設置したのが被害者にばれてしまい、スマートフォンを回収されてしまいました。会社側がスマートフォンを調査したところ、盗撮された女性従業員は全部で5名いました。弁護士が会社から5名全員の電話番号を教えてもらい、「被害届を提出しない」という内容の示談を5名全員とまとめて、刑事事件化を阻止しました。

 

2.加害者・被害者・会社の三者で示談をすることも

会社で盗撮をした場合、加害者だけではなく、会社も被害者に対して損害賠償義務を負うことがあります。

 

会社としても、従業員が犯罪被害にあうことがないよう、安全な職場環境を構築・維持する義務があるからです。

 

加害者としては、逮捕や起訴を阻止するために、是非とも被害者と示談をしたいところですが、会社も被害者からの訴訟リスクをなくすために、被害者との示談を希望することがあります。

 

そのようなケースでは、加害者・被害者・会社の三面契約で示談を締結することがあります。示談金については、会社が賠償義務を負うことがあるとはいえ、第一次的には加害者に責任がありますので、加害者が全額負担するのが通常です。

 

示談交渉については会社の顧問弁護士と加害者の弁護士がそれぞれ被害者と交渉すると、被害者も混乱してしまいますので、加害者の弁護士が窓口になり被害者と交渉することになります。

 

【ウェルネスの解決事例】

更衣室にスマートフォンを設置して盗撮していたのが被害者にばれ、警察に通報されました。その後の捜査で他にも被害者が4名いることが判明し、全部で5件の迷惑防止条例違反として書類送検されました。弁護士が、会社を交えて5名全員と三面契約で示談を締結し、全ての盗撮事件で不起訴を獲得しました。

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