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前科とは?前歴との違いや前科を回避する方法について解説

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しています。

 

 

前科とは?

前科とは有罪の刑事裁判を受けたことです。刑事裁判が確定した時点で前科になります。不起訴処分になった場合は、刑事裁判にはなりませんので、前科はつきません。

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逮捕されたからといって、必ず前科がつくわけではありません。逮捕された後に起訴され、有罪の刑事裁判が確定して初めて前科になります。逮捕されても不起訴になれば前科はつきません。

 

 

前科と前歴の違いは?

前歴とは、警察や検察などの捜査機関によって捜査の対象にされたことです。不起訴になれば前科はつきませんが、被疑者として犯罪捜査の対象となっているので前歴はつきます。そのため、前歴は前科よりも広い概念です。

 

 

警察署で始末書を書いただけで帰されたような場合は、被疑者として扱われておらず、前歴にもなっていないことが多いです。

 

 

供述調書を作成したり、身元引受人に警察署まで迎えにきてもらった場合は、刑事事件として立件されており、前歴としてカウントされる可能性が高いです。

 

 

罰金や科料は前科になる?

罰金と科料はどちらも刑罰の一種ですが、金額に違いがあります。科料は1万円未満の財産刑、罰金は1万円以上の財産刑です。

 

 

罰金や科料は、略式裁判という簡単な裁判で決まることが多いです。略式裁判の結果は、略式命令という書面で本人に通知されます。

 

 

略式裁判は書面のみで審理され、被告人が法廷に行くこともありません。そのため、裁判を受けたという実感を持ちにくいですが、略式であっても裁判ですので、罰金や科料になれば前科がつくことになります。

 

 

交通違反は前科になる?

1.青切符のケース

交通違反で青切符を交付され反則金を払った場合、前科はつきません。反則金は、行政処分であり刑罰ではないからです。この点が罰金との違いです。

 

 

2.赤切符のケース

赤切符を交付された場合は刑事手続に乗せられます。略式起訴され罰金刑が確定した時点で、前科がつきます。

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3.正式裁判になった場合

80キロ以上のスピード違反や無免許運転で公判請求され正式裁判になったケースでは、無罪になった場合を除き、前科がつきます。

 

 

前科?それとも前歴?具体例で解説

 ケース

状況

解説

逮捕された後に不起訴になった。

前歴

刑事裁判になっていないので前科は付きません。

逮捕・起訴され、懲役1年・執行猶予3年の判決を受けた。

前科

執行猶予でも前科がつきます。

逮捕されず在宅捜査を受けていたが、不起訴になった。

前歴

刑事裁判になっていないので前科はつきません。

逮捕されず在宅捜査を受けていたが、略式起訴され30万円の罰金になった。

前科

罰金でも前科がつきます。

逮捕されず在宅捜査を受けていたが、起訴され無罪判決を受けた。

前歴

有罪ではありませんので前科はつきません。

 

 

前科を回避するための方法は?

1.不起訴を目指すべき

前科を回避するためには適切な弁護活動をすることが必要です。統計データによると、起訴されれば99.9パーセント以上の確率で有罪判決が下されます。一方、起訴される確率は刑事事件の約5割にとどまります。

 

 

そのため、前科を回避するためには、不起訴を目指すのが現実的です。

 

 

2.自白事件で前科を回避する方法

本人が容疑について認めているのであれば、「起訴猶予」による不起訴を目指します。起訴猶予とは、起訴して公判を維持するだけの証拠はあるが、検察官が様々な事情を考慮して不起訴にする処分です。

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起訴猶予を獲得するためには、何よりも被害者と示談をすることが重要です。

 

 

交通違反や薬物犯罪など被害者がいない犯罪の場合は、反省の気持ちを示すために贖罪寄付をしたり、再犯防止プランを実行することにより、起訴猶予による不起訴を目指します。

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3.否認事件で前科を回避する方法

本人が容疑について否認しているのであれば、「罪とならず」、「嫌疑なし」、「嫌疑不十分」による不起訴を目指します。これらはいずれも、検察官が「被告人が犯罪をしたと証明できない」と判断した場合に下される不起訴処分です。

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当初は否認していても取調官のプレッシャーに負けてしまい、「私がやりました」という自白調書をとられてしまうと、起訴され前科がつく可能性が高くなります。

 

 

弁護士が取調べにどのように対応すればよいのかをアドバイスし、自白調書がとられないように活動します。

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