略式裁判

 

略式裁判とは

通常の裁判に比べて手続が簡略化された裁判です。略式裁判では、通常の裁判のように、法廷で審理が行われることはなく、本人が、裁判官の前で言い分を述べることができません。そのため、略式裁判を行うためには本人の同意が必要とされ、懲役・禁固刑や100万円を超える罰金を科すことはできません。

 

略式裁判と正式裁判の違い

 

本人の同意

管轄

裁判所への出廷

刑罰

略式裁判

同意が必要

簡易裁判所のみ

本人が出廷することはできない

100万円以下の罰金または科料しか科すことができない

正式裁判

同意は不要

簡易裁判所または地方裁判所

原則として本人が出廷する必要あり

制限なし

 

 

略式裁判にすることを誰が決めるの?

検察官が決めます。もっとも、略式裁判にするためには本人の書面による同意が必要とされています。そのため、自己の意思に反して、略式裁判を強制されることはありません。

 

略式裁判と通常裁判-どっちがいいの?

略式裁判のメリットは本人が裁判所に行く必要がなく、負担が軽減されるということです。また、通常裁判のように審理が公開されないため、裁判の内容が外に漏れるおそれがなくなります。デメリットは、裁判官に対して、自己の言い分を述べることができないということです。

 

容疑となっている事実を全て認めている場合は、裁判で争う必要がないため、略式裁判で問題ありません。逆に、無罪を主張している場合は、裁判官の前で自己の言い分を述べる必要がありますので、正式裁判によるべきです。もっとも、ご本人が無罪を主張している場合、検察官が略式請求をすることはありません。

 

略式裁判でも前科はつくの?

略式命令が確定すれば、罰金あるいは科料の前科がつくことになります。

 

略式裁判の流れ

逮捕・勾留されていない事件

① 書類送検

事件が警察から検察官に引き継がれます。自白事件の場合は、取調べ開始後、2ヶ月程度で書類送検されることが多いです。

 

② 検察官による手続の説明+告知手続書・申述書への署名・捺印

略式裁判を利用するためには、法律上、検察官が本人に略式裁判の手続きについて説明し、本人が書面により同意することが必要とされています。書類送検の約1ヶ月後に、本人が担当検察官から呼び出しを受け、事件について取調べを受けた後に、略式裁判についての説明を受け、申述書に署名・捺印する場合が多いです。

 

③ 検察官による略式請求

②の手続の後、担当検察官が上司に決裁を上げます。正式に略式請求で決裁が下りると、担当検察官が簡易裁判所の裁判官に対して略式裁判を請求します。ご本人が同意書に署名・捺印してから、略式裁判の請求まで1週間~1ヶ月程度かかります。

 

④ 略式命令の発付・本人への送達

③の約2週間後に、略式命令が発付され、本人のもとに郵送(特別送達)されます。

 

⑤ 罰金・科料の支払い

④の約1週間後に、検察庁から罰金の納付書が自宅に届きます。略式命令に不服がなければ、金融機関で罰金を支払い手続終了となります。不服があれば、略式命令の告知を受けた日から2週間以内に正式裁判を請求することができます。

 

【進行イメージ】 

3月1日

書類送検される

4月1日

検察庁に出頭→検察官から略式裁判について説明を受け同意する

4月15日

検察官が略式裁判を請求する

4月30日

簡易裁判所から略式命令が自宅に郵送される。

5月7日

検察庁から罰金の納付書が自宅に郵送される→金融機関にて支払う

 

逮捕・勾留されている事件

逮捕・勾留されている場合は、通常、勾留の満期日(逮捕の約3週間後になることが多いです)またはその直前に、検察官が略式裁判を請求をします。略式命令が出るまでの間、被疑者を検察庁に待機させ、略式命令が出た時点で、被疑者を検察庁から裁判所に連れて行き、略式命令書を受け取らせます(在庁略式)。それと同時に被疑者は釈放され、罰金を仮納付して手続が終了します。

 

【進行イメージ】

3月1日

逮捕

3月3日

検察官による勾留請求

3月4日

勾留開始

3月22日午前

検察庁に連行→検察官から略式裁判について説明を受け同意する

3月22日午前

検察官が略式命令を請求する

3月22日午後

略式命令が出る→釈放される→検察庁の窓口で罰金を納付する。

 

 

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