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コカインで逮捕されたら?逮捕後の流れや弁護士費用について
このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しています。
コカインとは
コカインは南米原産のコカの葉から抽出された薬物です。白色の粉末で取引されています。興奮作用があり使用すると多幸感や万能感が得られます。
鼻から吸引したり、静脈に注射することによって使用します。クラックと呼ばれる白い塊状のコカインを熱して蒸気を吸入する方法で使用することもあります。
効果が15分~30分程度しか持続しないため、ひんぱんに使用しがちで依存症になりやすいと言われています。
コカインの副作用として被害妄想や暴力的になることが挙げられます。腕の中を虫が這っているような幻覚に襲われることもあります。コカインの過剰摂取により脳卒中、心不全になることもあります。
コカインの罰則
コカインは麻薬及び向精神薬取締法によって、使用や所持等が厳しく規制されています。規制に反した場合の罰則は以下のとおりです。
| 営利目的なし | 営利目的あり |
コカインの施用(使用) | 7年以下の懲役 | 懲役1年~10年 情状により300万円以下の罰金も |
コカインの所持・譲渡し・譲受け・小分け・製剤 | 7年以下の懲役 | 懲役1年~10年 情状により300万円以下の罰金も |
コカインの輸入・輸出・製造 | 懲役1年~10年 | 懲役1年~20年 情状により500万円以下の罰金を科されることも |
製剤…麻薬に化学的変化を加えないで他の麻薬にすること(調剤を除く) 製造…麻薬を精製すること、及び麻薬に化学的変化を加えて他の麻薬にすること 小分け…他人から譲り受けた麻薬を分割して容器に収めること |
コカインと逮捕
1.コカイン所持と逮捕
コカインの所持は警察の職務質問がきっかけとなり発覚することが多いです。所持品検査でコカインと思われる物が見つかると、その場で試薬を使って簡易鑑定が行われ、陽性反応が出たら現行犯逮捕されることが多いです。
2013年にコカイン所持で無実の方を誤認逮捕した事件がありました。簡易鑑定でコカインの陽性反応が出たことから現行犯逮捕したところ、後に規制対象外の薬物であったことが判明し釈放されたのです。
この事件以降は捜査の現場でコカインの簡易鑑定は中止されていました。
もっとも、最近、より精度の高い試薬が開発されたことから、再びコカインの簡易鑑定が復活し、現行犯逮捕されるケースも増えてきました。
現行犯逮捕されない場合は、科捜研で正式鑑定され、陽性反応が出た後に令状逮捕される可能性が高いです。
2.コカイン使用と逮捕
コカイン使用も職務質問がきっかけで発覚することが多いです。最寄りの警察署へ任意同行を求められ、紙コップに尿を出して警察に提出するように促されます。
拒否すると強制的に採尿される可能性があります。強制採尿になれば、警察が裁判所で捜索差押令状をとった上で、医師がカテーテルを尿道に強制的に挿入して尿を採取します。
使用についても、尿を材料として簡易鑑定をすることができますが、仮に陽性だったとしても現行犯逮捕されることはなく、科捜研の正式鑑定に回し陽性であった場合に逮捕されます。
コカインや大麻など他の薬物の所持で逮捕された後にコカインの使用で再逮捕されることもあります。
【関連ページ】再逮捕とは?報道や執行猶予との関係など「気になること」を全解説
3.コカインと逮捕阻止
職務質問がきっかけとなりコカインを押収された場合、コカイン所持で現行犯逮捕されずに自宅に帰されることもあります。
押収されたコカインは科捜研に回され鑑定されます。鑑定の結果、コカインの陽性反応が出れば、後日逮捕される可能性が高いです。
逮捕前の段階で、弁護士が警察に意見書等を提出することにより逮捕を回避できる余地もあります。まずはコカイン事件の経験豊富な弁護士へご相談ください。
【関連ページ】大麻リキッドで逮捕の可能性を下げるためにできること
コカインで逮捕された後の流れ
コカインで逮捕されると、翌日か翌々日に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。検察官に勾留請求されると当日か翌日に裁判所に連行され、裁判官の勾留質問を経て勾留されるか否かが決まります。
勾留されると原則10日にわたって身柄が拘束されます。勾留が延長されるとさらに最長10日にわたって拘束が続きます。
コカインで逮捕されると多くのケースで勾留→勾留延長を経て20日近く拘束された上で起訴されます。起訴後も保釈されない限り裁判が終わるまで勾留が続きます。
コカインと不起訴
コカインで逮捕された場合は、ほとんどのケースで起訴されます。例外的に以下のケースでは不起訴になることもあります。
①コカイン所持で逮捕されたが所持量が非常に少ない場合(例:パケに残りカスがついていただけ)
②コカインの譲渡し・譲受けで逮捕されたが有罪を立証できるだけの証拠がないと検察官が判断したとき
①のケースでは起訴猶予での不起訴を目指すことになります。
「量が少ないから何もしなくていい」というスタンスではなく、家族にも協力してもらい説得的な再犯防止プランを立て、弁護士が検察官に説明するべきです。
②のケースでは嫌疑不十分での不起訴を目指すことになります。
嫌疑不十分での不起訴を獲得するためには、取調べで自白調書をとられないようにする必要があります。逮捕直後から弁護士が何度も接見し、取調べにどう対応するかをアドバイスします。
【関連ページ】不起訴とは?無罪との違いや前歴・罰金との関係
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コカインと保釈
コカインの使用や単純所持で逮捕・起訴された場合、前科がなく容疑を認めていれば、起訴直後に保釈できる可能性が高いです。
前科があっても次のようなケースでは起訴直後に保釈できることが多いです。
☑ 前科があるか薬物犯罪ではない
☑ 薬物犯罪の前科があるが10年以上前
これらのケースでは弁護士が起訴前から準備を進め、起訴直後に保釈請求を行います。
【関連ページ】保釈を弁護士に相談-保釈金・申請が通る確率・保釈の流れ
これに対して、以下のケースでは起訴直後の保釈が難しいことが多いです。
☑ 容疑を否認している
☑ 執行猶予中である
☑ 猶予期間が過ぎてすぐに再犯した
☑ 営利目的がある
これらの場合は起訴直後の保釈は難しいですが、裁判が進むにつれて証拠隠滅の可能性が低くなり、保釈されやすくなりますので、弁護士が粘り強く保釈請求を行います。
コカインは執行猶予?実刑?
コカインの使用や単純所持で起訴された場合、前科や前歴がなければ、懲役1年6月・執行猶予3年程度になることが多いです。
薬物犯罪で執行猶予中にコカインに手を出してしまった場合は、実刑になる可能性が高いです。執行猶予が過ぎてすぐにコカインに手を出してしまった場合も、実刑になる可能性が高いです。
執行猶予が過ぎて5年以上たってからの再犯の場合は、再び執行猶予になる余地は十分にあります。執行猶予を獲得するためには、専門のクリニックへ入院・通院したり、自治体の更生プログラムに参加する等の再発防止対策を行うことが必要です。
薬物依存の専門家にサポートしてもらい証人として出廷してもらうこともあります。ウェルネスでそのような専門家を紹介することも可能です。
営利目的で大量のコカインを所持していたり、大量のコカインを輸入した場合は、初犯であっても実刑になる可能性が高いです。
営利目的輸入罪のケースでは、刑事裁判で、コカインを含む違法薬物であるとの認識がなく、運び役(ブラインドミュール)として利用されていたと認定されれば、無罪になります。
なお、違法捜査が行われた場合は、違法捜査によって収集された証拠を排除するよう裁判で主張することによって無罪判決となることもあります。
コカインの弁護士費用
1.コカインの弁護士費用の相場
コカインの弁護士費用の相場は総額で100万円~200万円になります。
相場と言ってもかなり開きがありますので、いくつかの法律事務所の弁護士費用を比較した上で、どの事務所に依頼するか決めるとよいでしょう。
コカインの弁護士費用の相場は大麻の弁護士費用の相場とほぼ同じですので、弁護士費用の内訳や節約のポイントについては以下のページをご覧ください。
【関連ページ】大麻の弁護士費用の相場は?費用をおさえるポイントも解説
2.【コカイン】ウェルネスの弁護士費用
ウェルネスでは、コカイン事件の弁護士費用は、容疑を認めているケースで合計99万円になることが多いです。
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【関連ページ】刑事事件の弁護士費用が安い法律事務所
家族がコカインで逮捕されたり、職務質問を受けコカインを押収された方はお気軽にウェルネス(03-5577-3613)の弁護士にご相談ください。