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覚醒剤で逮捕されたら?弁護士の呼び方や覚せい剤の弁護士費用について
覚醒剤で逮捕されたらすぐに弁護士を呼びたいものです。とはいえ「どのように弁護士を呼べばいいのかわからない。」という方がほとんどでしょう。
このページでは、覚醒剤事件の経験豊富な弁護士 楠 洋一郎が覚醒剤で逮捕された時に弁護士を呼ぶメリットや弁護士の呼び方、弁護士費用などについて解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
覚醒剤は逮捕・勾留・起訴されやすい
覚醒剤は粉末状で小分けにされており、捨てたり隠したりすることが容易です。そのため、覚醒剤事件の被疑者は、「証拠隠滅のおそれが大きい」として逮捕・勾留されることが多いです。
また、覚醒剤取締法違反は被害者がいない犯罪ですので、<示談成立⇒起訴猶予で不起訴>というルートがなく、容疑が固まれば起訴される可能性が高いです。
覚醒剤の逮捕率・起訴率・勾留率は以下の通りです。
逮捕率 | 70% |
勾留率 | 99% |
起訴率 | 70% |
*2023年版検察統計年報に依拠しています。
覚醒剤で逮捕-弁護士を呼ぶメリットは?
1.不利な調書をとらせない
覚醒剤事件で逮捕されると、警察署に連行されすぐに取調べが始まります。弁護士のアドバイスがないまま取調べを受けると、話さなくてよいことや話すべきでないことまで話してしまい、不利な調書をとられてしまいがちです。
いったん不利な調書をとられてしまうと、不起訴や減刑が困難になります。弁護士が本人に黙秘権などの重要な権利を説明し、取調べにどのように対応すればよいかアドバイスします。
2.早期に釈放させる
覚醒剤の共同所持や譲渡・譲受けを否認している場合は、自白調書をとられなければ、起訴されずに釈放される余地が十分にあります。
起訴された場合は弁護士が保釈請求を行います。覚醒剤の自白事件では、執行猶予中でない限り初公判前に保釈が許可される可能性が高いです。
弁護士が起訴前から保釈請求の準備を進め、起訴直後に保釈請求書を裁判所に提出します。
3.違法捜査がなされていないかチェックする
覚醒剤事件では、警察によって違法な捜査が行われることがあります。違法な捜査が行われていれば、弁護士が捜査機関に抗議しやめさせます。
捜査に重大な違法性がある場合は、覚醒剤の所持や使用が事実であっても、裁判で無罪になることがあります。
⇒違法収集証拠の排除法則とは?判例や要件、争い方について弁護士が解説
そのため、弁護士が既に行われた捜査についても違法性がないかチェックします。重大な違法性がある場合は、弁護士が、起訴されれば違法収集証拠の排除法則を主張することを明示して、検察官に不起訴とするよう申し入れます。
4.解雇を回避する
逮捕されると職場に欠勤の連絡を入れることもできず、無断欠勤になってしまいます。
逮捕中は家族であっても本人と接見することができませんので、職場へどう対応すればよいかについて家族が本人に相談することもできません。
弁護士であれば逮捕中でも本人と接見することができます。解雇を回避するため、弁護士が欠勤の理由をどのように職場に報告するかを打ち合わせた上で、家族を通じて職場に連絡してもらいます。
覚醒剤で逮捕-弁護士を呼ぶタイミングは?
覚醒剤で逮捕された場合、できるだけ早いタイミングで弁護士を呼ぶべきです。
覚醒剤で逮捕されれば、すぐに取調べが始まります。弁護士のアドバイスがなければ、取調べに適切に対応することは難しいでしょう。
警察は、弁護士がまだ決まっていないのをいいことに、都合のよい調書をいっきに作成しようとします。
いったん供述調書にサインしてしまうと後で撤回することはできません。否認事件で自白調書をとられてしまうと、不起訴や無罪の獲得が困難になります。
違法捜査についても初動段階から弁護士が目を光らせておく必要があります。職場への報告についても、迅速に対応しなければ懲戒解雇される可能性が高くなります。
覚醒剤で逮捕-弁護士はどうやって呼ぶ?
1.本人が弁護士を呼ぶ方法
逮捕された本人が呼べる弁護士は当番弁護士か国選弁護人です。逮捕前から私選弁護人に依頼していれば私選弁護人を呼ぶこともできますが、そのような例は少ないと思われます。
①当番弁護士
当番弁護士とは弁護士会から留置場に派遣され、無料で1回接見してくれる弁護士です。当番弁護は各地の弁護士会によって運営されています。
⇒当番弁護士とは?逮捕後すぐに呼べる無料の弁護士を活用しよう!
当番弁護士の呼び方は、警察職員に対して「当番を呼んでください。」と言うだけです。
当番弁護士の仕事は1回接見して終わりです。その後も継続して弁護してもらうためには、弁護士費用を払って私選弁護人として依頼するか、勾留後に国選弁護人になってもらうことが必要です。
当番弁護士は本人や家族がどの弁護士に依頼するかを選べません。弁護士会が当番弁護士の名簿に登録している弁護士の中からランダムに選びます。
そのため、覚醒剤事件の経験があまりない弁護士が派遣されるリスクがあります。
②国選弁護人
国選弁護人は貧困等の理由により私選弁護人を選任できない人のために裁判所が選任する弁護人です。国選弁護人の呼び方は、警察職員に「国選を呼んでください」と言うだけです。
国選弁護人は弁護士費用が無料になることが多いというメリットがあります。もっとも、国選弁護人を呼べるのは勾留された後になり、初動が遅くなるというデメリットがあります。
また、弁護士を選ぶことができないので、必ずしも覚醒剤事件の経験豊富な弁護士に担当してもらえるとは限りません。
⇒国選弁護人とは?利用条件や呼び方、メリット・デメリットについて
2.逮捕された方の家族が弁護士を呼ぶ方法
覚醒剤で逮捕された方の家族が呼べる弁護士は、当番弁護士か私選弁護人です。国選弁護人は、逮捕された本人しか呼ぶことができません。
①当番弁護士
当番弁護士は逮捕された本人だけでなく家族も呼ぶことができます。呼ぶ際の連絡先は、本人が逮捕された警察署の所在地を管轄する弁護士会です。
覚醒剤事件では、本人の居住地と逮捕された警察署が同じ都道府県でない場合があります。
例…東京都内に住んでいる方が神奈川県警に逮捕されたケース
上のケースでは、東京都の弁護士会ではなく、神奈川県の弁護士会に電話していただくことになります。
②私選弁護人
私選弁護人はいつでも呼ぶことができます。当番弁護士のように弁護士会に電話するのではなく、家族が弁護士事務所に直接連絡して依頼することになります。
弁護士費用はかかってしまいますが、どの弁護士にするかを家族が選べるので、覚醒剤事件に強い弁護士を探して依頼することも可能です。
【参考ページ】逮捕後すぐに弁護士を呼ぶには?弁護士の呼び方やタイミングを解説
【薬物犯罪に強いウェルネス法律事務所】 ウェルネスは、法テラス出身の弁護士が運営する、弁護士費用がリーズナブルな法律事務所です。
「私選弁護人に依頼したいが弁護士費用をなるべくおさえたい。」という方は、お気軽にウェルネス(03-5577-3613)へご相談ください。まずは初回接見だけでも対応可能です。 |
覚醒剤事件はどの弁護士に依頼すべき?
1.逮捕されたとき
逮捕されたら、弁護士費用はかかりますが、私選弁護人に依頼するのがベストです。私選弁護人であれば逮捕当日から活動を始めることができます。また、依頼する側で弁護士を選ぶことができるため、覚醒剤事件に強い弁護士を探して依頼することができます。
国選弁護人は勾留されてから選任されますので、どうしても初動が遅れます。弁護士を選ぶこともできませんので、覚醒剤事件の弁護をしたことがない弁護士や熱意にかける弁護士が担当になることもあります。
当番弁護士は1回接見してくれるだけですので、アドバイスをもらう程度の活動しか期待できません。継続的に活動してもらうためには、勾留後に国選弁護人になってもらうか、お金を払って私選弁護人として依頼する必要があります。
2.逮捕されていないとき
職務質問がきっかけとなり、警察署に連行されて尿検査が実施されることがあります。尿は科捜研の鑑定に回され、覚醒剤の陽性反応が出れば使用罪で逮捕される可能性が高いです。もっとも、尿の提出から逮捕まで1週間から3か月程度のタイムラグがあります。
この期間に依頼できる弁護士は、私選弁護人のみです。当番弁護士や国選弁護人に依頼することはできません。当番も被疑者国選も身柄拘束されていることが利用の前提になっているからです。
私選弁護人が家族の身元引受書や本人の上申書を警察に提出し、逮捕回避を目指します。
覚醒剤事件に強い弁護士とは?
私選弁護人を呼ぶ場合は、「弁護士を選べる」というメリットを活かして、覚醒剤事件に強い弁護士を選びたいものです。覚醒剤事件に強い弁護士の特徴は次の5つです。
1.覚醒剤事件の経験豊富な弁護士
ひと口に弁護士といっても注力している分野はさまざまです。ほとんどの弁護士は離婚や会社法務といった民事事件に注力していますが、そのような弁護士に覚醒剤事件を依頼してもベストな結果は期待できないでしょう。
覚醒剤事件の弁護経験が豊富な弁護士であれば、早期釈放や実刑回避のためにベストな活動をすることができます。
2.動き出しが早い弁護士
覚醒剤事件で逮捕されると、すぐに警察署に連行され厳しい取調べが始まります。
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☑ 知らなかったじゃ通用しない!
☑ 調書にサインしないと出れないよ。
取調官はこのようなことを言ってプレッシャーをかけ、捜査側のストーリーに沿った調書をとろうとします。
いったん調書にサインしてしまうと撤回することはできません。そのため、自白調書をとられてしまうと、不起訴や無罪を獲得することが困難になります。
不利な調書をとられないよう、速やかに初回接見に行ってくれる弁護士に依頼した方がよいでしょう。
3.土日も動ける弁護士
覚醒剤は小分けにして隠しやすく、売人との口裏合わせも容易です。そのため、覚醒剤事件で逮捕されると、裁判官に「証拠隠滅のおそれがある」と判断され勾留されることが多いです。
勾留されると原則10日にわたって留置場で拘束されます。勾留が延長されるとさらに10日を限度として拘束が続きます。
検察官は、勾留期間内に起訴するか釈放するかを決めなければなりません。
このような刑事事件の流れは土日であっても中断されることなく進みます。土日も動ける弁護士であれば、刑事事件の流れにあわせて途切れのない弁護活動をすることができます。
4.保釈請求が早い弁護士
覚醒剤事件で起訴されれば保釈請求をすることが可能になります。
芸能人が覚醒剤事件で保釈された後に警察署の前で頭を下げている様子をニュースで見た方もいるでしょう。覚醒剤事件で起訴されると、一般の方でも保釈される可能性はかなり高いです。
そのため、起訴前から保釈の準備を進めておき、起訴直後に保釈請求してくれる弁護士に依頼するとよいでしょう。
5.専門家と連携できる弁護士
覚醒剤は依存性があるため、本人の意思だけで克服することは難しいです。裁判で「もう絶対にやりません」といって執行猶予になった方が、しばらくして再び覚醒剤で逮捕されることも少なくありません。
依存症を克服するために、専門のクリニックに通院したり、入院することも検討すべきです。裁判で医師に証人として出廷してもらい、更生の見込みについて証言してもらうこともあります。
依存症治療の専門家と連携できる弁護士であれば、ケースに応じて適切なクリニックを紹介したり、治療の成果を裁判に反映させ、執行猶予の可能性を高めることができます。
覚醒剤事件に強い弁護士の選び方
1.インターネットで探す
覚醒剤事件で逮捕されれば、取調べに適切に対応するために、一刻も早く弁護士をつけた方がよいです。
短時間で弁護士を選ぶツールとしてはインターネットが最適です。友人や知人に紹介してもらう方法もありますが、刑事事件に特化している弁護士は少ないため、紹介してもらった弁護士が覚醒剤事件に強い弁護士である保証はありません。
2.刑事事件に注力している事務所を選ぶ
東京や大阪などの都市部を中心として、覚醒剤事件を積極的に扱っている事務所が増えてきました。
刑事事件に注力している事務所であれば、覚醒剤事件の弁護ノウハウや経験が蓄積されているでしょうから、質の高い弁護を期待することができます。
3.弁護士に会って相談する
弁護士事務所をいくつかピックアップした後は、実際に弁護士に会って相談するとよいでしょう。最終的に依頼するかどうかは、以下の観点から判断してください。
☑ 覚醒剤事件の経験や実績は十分か?
☑ 質問に対してきちんと答えてくれるか?
☑ 具体的な弁護プランを出してくれるか?
☑ すぐに接見に行ってくれるか?
☑ 土日も対応してくれるか?
弁護士費用についてもきちんと確認しておきましょう。
⇒覚醒剤事件の弁護士費用の相場は?節約のポイントを弁護士が解説
覚醒剤事件の弁護士費用
覚醒剤事件の弁護士費用の相場は100万円から200万円です。
家族が覚醒剤で逮捕された場合、不安やあせりから、弁護士費用がびっくりする程高くても、そのまま依頼をしてしまいがちです。
弁護士費用は事務所によってかなり開きがあります。まずは無料相談を利用して弁護士費用について質問し、納得のいく事務所に依頼するとよいでしょう。
⇒刑事事件を弁護士へ無料相談できる窓口は?弁護士費用についても解説
【ウェルネスの覚醒剤事件の弁護士費用】 覚醒剤で逮捕された場合は総額99万円(税込)になることがほとんどです。 (内訳) ・着手金…33万円 ・起訴後の着手金…22万円 ・保釈の報酬金…22万円 ・執行猶予の報酬金…22万円
ウェルネスは法テラス出身の弁護士が運営するリーズナブルな弁護士費用の法律事務所です。 |
覚醒剤は懲役何年?
覚醒剤は覚醒剤取締法によって規制されています。罰則は以下の通りです。
*いずれの場合でも押収された覚醒剤は没収されます。
1.覚醒剤の使用は懲役何年?
覚醒剤を使用した場合の罰則は10年以下の懲役です。
2.覚醒剤の所持は懲役何年?
覚醒剤を所持した場合の罰則は10年以下の懲役です。
3.覚醒剤の譲渡・譲受は懲役何年?
覚醒剤を譲り渡したり譲り受けた場合の罰則は10年以下の懲役です。
4.覚醒剤の製造は懲役何年?
覚醒剤を製造した場合の罰則は懲役1年~20年です。
5.覚醒剤の輸出・輸入は懲役何年?
覚醒剤を輸出したり輸入した場合の罰則は懲役1年~20年です。
6.覚醒剤で営利目的があると懲役何年?
営利目的で覚醒剤を所持したり、譲り渡したり、譲り受けた場合の罰則は、懲役1年~20年です。情状により500万円以下の罰金が併科されることもあります。
営利目的で覚醒剤を製造したり、輸出したり、輸入した場合の罰則は、懲役3年~20年または無期懲役です。情状により1000万円以下の罰金が併科されることもあります。
営利目的があれば、覚醒剤をよりいっそう広めることにつながるため、刑が重くなります。
覚醒剤は初犯で実刑?執行猶予?
1.執行猶予の可能性が高いケース
覚醒剤の使用や所持で起訴された場合、初犯であれば懲役1年6か月・執行猶予3年前後の判決になることが多いです。譲渡・譲受けも初犯で営利目的がなければ執行猶予がつく可能性が高いです。
2.実刑の可能性が高いケース
覚醒剤を営利目的で所持していた場合や営利目的で譲り渡したり譲り受けた場合は、初犯でも実刑になることが多いです。営利目的で1キロ以上の覚醒剤を所持していた場合、初犯でも5年以上の実刑になる可能性が高いです。
営利目的での覚醒剤の製造・輸出・輸入で起訴された場合、初犯であっても実刑になる可能性が高いです。検挙されるのは輸入罪が大半です。輸入した覚醒剤が1キロ以上の場合は、初犯でも5年以上の実刑になる可能性が高いです
覚醒剤の2回目は実刑?執行猶予?
覚醒剤の使用や所持で起訴された場合、2回目であれば、実刑になることも少なくありません。執行猶予か実刑かは1回目と2回目の間隔によるところが大きいです。
執行猶予が切れて10年以上たってから2回目の罪を犯したのであれば、今回も執行猶予になる可能性が高いです。これに対して、執行猶予中の再犯であれば実刑になる可能性が高いです。
執行猶予が切れて5年程度たってからの再犯であれば、クリニックへの通院等の再発防止策をきちんと実行すれば、実刑を回避できる余地が十分にあります。