会社の更衣室での盗撮-逮捕回避や示談について弁護士が解説

会社の更衣室での盗撮

 

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しました。

 

 

 

会社の更衣室で盗撮-どんな犯罪になる?

会社の更衣室で盗撮-どんな犯罪になる?

 

1.盗撮

女性用更衣室で盗撮した場合、撮影罪(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)が成立します。女子更衣室に盗撮カメラを設置したが下着姿が撮影されていなかった場合は、撮影未遂罪が成立します。

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2.更衣室への立ち入り

更衣室は他とは区切られた部屋になっていますが、このような部屋に盗撮目的で侵入した場合は、建造物侵入罪が成立します。建造物侵入罪の被害者は会社の責任者になります。

 

 

一人で使う男女共用の更衣スペースに盗撮用カメラを設置した場合も、「正当な理由」なく更衣スペースに侵入しているので、建造物侵入罪が成立しますが、男女共用の場合、盗撮のみで立件し、建造物侵入罪では立件しないことが多いです。

 

 

 

 

会社の更衣室で盗撮-刑事事件になる流れは?

会社の更衣室での盗撮が刑事事件化する流れ

 

会社の更衣室に盗撮目的でカメラを設置した場合、刑事事件になることがあります。事件化する流れは以下の通りです。

 

 

①更衣室の利用者がカメラを見つける

②上司に報告する

③警察に通報

④被害届を出す→事件化する

 

 

会社の更衣室で盗撮-犯人特定の決め手は?

会社の更衣室での盗撮-犯人特定の決め手は?

 

犯人特定の決め手になるのは次の4つです

 

 

①設置したカメラに自分の顔が写っている

②女子更衣室に出入りするところを誰かに見られた

③設置したスマホの電話番号から足がついた

④設置したカメラに自分の指紋がついている

 

 

盗撮事件の解決事例

 

 

会社の更衣室で盗撮-逮捕される?

会社の更衣室での盗撮-逮捕される?

 

逮捕の要件は、逃亡のおそれと証拠隠滅のおそれです。更衣室で盗撮したケースでは、加害者と被害者が同じ会社の従業員であり顔見知りの関係になります。

 

 

そのため、警察に「加害者が被害者に接触して不利な証言をさせないように圧力をかけるのでは?」と判断されやすく、証拠隠滅のおそれが大きいとして逮捕されることが多いです。

 

 

盗撮目的でカメラを何台も設置していたり、目立たないように巧妙にカモフラージュしている場合は、悪質とみなされ逮捕される可能性が高くなります。

 

 

また、押収された小型カメラに別の日の更衣室での盗撮動画が保存されている場合も、悪質とみなされ逮捕される可能性が高くなります。

 

 

会社の更衣室で盗撮-自首して逮捕を回避する

会社の更衣室で盗撮-自首して逮捕を回避する

 

盗撮したことが発覚しても、自首することにより、逮捕を回避できる可能性が高まります。

 

 

逮捕の要件は逃亡のおそれと証拠隠滅のおそれですが、自首という形で自ら出頭している以上、これらの要件を満たさないと判断されやすくなるためです。

 

 

犯人として特定された場合は、その後に出頭しても自首にはなりません。

 

 

更衣室での盗撮は会社内で発生した事件ですので、容疑者の絞り込みが容易であり、犯人として特定されるのは時間の問題といえます。そのためすぐに出頭した方がよいでしょう。

 

 

出頭後、速やかに弁護士が勤務先に連絡し、自首したことをお伝えします。また、被害者の不安を軽減し、逮捕の可能性を下げるため、会社の許可を得た上で、しばらく会社を休んでもらいます。

 

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会社の更衣室で盗撮した場合の示談

会社の更衣室で盗撮した場合の示談

 

1.示談の相手

盗撮事件については、盗撮の被害者と示談交渉をします。被害者が複数いる場合は全ての被害者と示談をまとめるのが理想です。

 

 

建造物侵入については被害届を出した方と示談交渉をします。通常は会社の責任者(社長や支店長)が被害届を出しています。

 

 

2.示談のメリット

盗撮の被害者や会社が被害届を出す前に、「被害届を出さない」という内容の示談が成立すれば、刑事事件になることはありません。そのため、前科だけでなく前歴もつきません。

 

 

既に被害届が出されていれば刑事事件になっていますが、示談をすれば不起訴になる可能性が高くなります。不起訴になれば前科はつきません。

 

 

 

【更衣室での盗撮事件で事件化を回避した事例】

アルバイト先の居酒屋の更衣室に盗撮目的でスマートフォンを設置したところ、女性従業員にばれてしまい、スマートフォンを回収されてしまいました。会社側がスマートフォンを調査したところ、盗撮された女性従業員は全部で5名いました。弁護士が会社から5名全員の電話番号を教えてもらい、「被害届を提出しない」という内容の示談を5名全員とまとめて、刑事事件化を阻止しました。

 

 

 

 

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