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刑事裁判の流れは?裁判の期間や本人・家族が発言する場面も解説

ほとんどの人にとって刑事裁判はドラマや映画でしかなじみがないことでしょう。このページではそのような方に向け、刑事事件に詳しい弁護士 楠 洋一郎が刑事裁判の流れをわかりやすく解説しました。

 

 

起訴されて被告人になった方やご家族は「いったい自分は刑事裁判で何をすればいいのだろう?」と不安に思っていることでしょう。

 

 

このページでは、被告人やご家族が法廷で発言するタイミングについても整理しました。ぜひ参考にしてみてください!

 

 

*このページでは通常の刑事裁判の流れについて解説しています。裁判員裁判の流れは以下のページをご覧ください。

裁判員裁判の流れ

 

 

刑事裁判の流れは?

刑事裁判は大まかに言うと起訴⇒公判⇒判決という流れで進みます。それぞれの段階について見ていきましょう。

 

 

1.起訴

起訴とは被疑者を刑事裁判にかけることです。被疑者が起訴されると被告人と呼ばれます。起訴することができるのは検察官だけです。検察官は、起訴状を裁判所に提出することによって被疑者を起訴します。

 

 

裁判所は起訴状を受理すると、起訴状の謄本を被告人の自宅に郵送します。被告人が勾留されているときは刑事施設に郵送します。被告人に弁護人がいても被告人本人に送ります。

 

 

被告人からみると、起訴状が届くことではじめて自分が起訴されたことを知ることになります。裁判所の書記官は、起訴状が確実に被告人に届くよう「特別送達」という特別な郵便で送ります。

 

 

2.公判

起訴されると法廷で公判が開かれ、裁判官によって審理されます。わかりやすく言うと法廷ドラマでよく見るシーンです。

 

 

公判は冒頭手続⇒証拠調べ⇒意見陳述という流れで進みます。冒頭手続で被告人の氏名や住所などを確認したり、起訴された事実に対する被告人・弁護人の認否(認めるのか否認するのか)を確認します。

冒頭手続とは?刑事裁判のイントロダクションを弁護士が解説

 

 

続いて証拠調べが実施されます。検察側の証拠調べ⇒弁護側の証拠調べという順番で行われます。刑事裁判は証拠によって有罪・無罪や刑罰の程度を決める手続ですから、証拠調べが公判の中心になります。

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証拠調べが終わると意見陳述が行われます。意見陳述では、証拠調べの結果に基づき検察官が論告・求刑を行い、続いて弁護人が最終弁論を行います。被告人も最終陳述をします。最終陳述が終われば審理が終了します。これを「結審」といいます。

 

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公判の時間は1時間程度です。証人尋問を実施する場合は2~3時間になることもあります。

公判の流れ

 

 

追起訴された事件で弁護側の立証や意見陳述を後回しにする場合は、公判が10分程度で終わることもあります。

公判の流れ(追起訴あり)

 

 

3.判決

結審するといよいよ裁判官の判決言い渡しです。自白事件の場合は、結審してから1,2週間後に判決が言い渡されます。

 

 

スピード違反など軽微な事件の場合は、結審した当日に5分程度の休廷を挟んで判決が言い渡されることもあります(即日判決)。

 

 

否認事件の場合は判決書を作成するのに時間がかかることから、結審してから1か月~2か月後に判決が言い渡されることが多いです。

 

 

判決言渡しは簡単な事件では数分で終わります。被告人・弁護人・検察官は裁判官の言渡しを聞くだけで、発言する機会はありません。

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刑事裁判の期間は?

1.自白事件の場合

自白事件の場合、起訴されてから判決までの期間は1か月半から2か月になることが多いです。

 

【自白事件の進行イメージ】

3月1日

起訴

4月15日

初公判(冒頭手続→証拠調べ→意見陳述)

4月25日

判決

 

 

2.否認事件の場合

否認事件の場合、起訴されてから判決までの期間は自白事件より確実に長くなりますが、具体的な期間はケースバイケースです。短くても起訴から3か月はかかるでしょう。長い場合は1年以上かかることもあります。

 

【否認事件の進行イメージ】

3月1日

起訴

4月15日

初公判(冒頭手続→証拠書類の取調べ)

5月15日

第2回公判(目撃者の証人尋問)

6月15日

第3回公判(被害者の証人尋問)

7月15日

第4回公判(被告人質問)

8月15日

第5回公判(意見陳述)

9月15日

判決

 

 

*否認事件では初公判のみで結審することはありません。また、公判と公判の間に裁判官・検察官・弁護人のみで打ち合わせ期日を設けることもあります(被告人は出席しません)。

 

 

刑事裁判で被告人が話をする場面は?

刑事裁判で被告人が話をする場面は以下の3つです。

 

 

場面①

最初に冒頭手続で氏名・本籍・住所・生年月日・職業を言ってもらいます(人定質問)。本籍は起訴状に記載されていますので事前に確認しておきましょう。生年月日は西暦ではなく和暦で言うようにしましょう。

 

 

場面②

人定質問の後、検察官が起訴状を朗読し、裁判長が黙秘権について説明します。続いて裁判長が「起訴状にどこか違っているところはありますか?」と聞いていきます。

 

 

自白事件の場合は「ありません」というのが一般的です。否認事件の場合、どのように言うかはケースバイケースですので事前に弁護人に確認してください。

 

 

場面③

証拠調べの最後に被告人質問が実施されます。まず弁護人が主尋問を行い、続いて検察官が反対尋問を行います。事前に弁護人が被告人とリハーサルをします。

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刑事裁判で被告人の家族が話をする場面は?

刑事裁判で被告人の家族が話をするのは、自白事件の公判で情状証人として証言するときです。否認事件で証人として出廷することは通常ありません。

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ご家族の証人尋問は被告人質問の直前に行われることが多いです。事前に弁護人とリハーサルをして証人尋問に備えます。

 

 

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