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暴行罪は弁護士へ相談-不起訴の事例や被害者から見た示談のメリットも解説
暴行罪はふつうの人でもちょっとしたきっかけで起こしてしまうことがある犯罪です。暴行罪の被疑者になってしまったら、まずは弁護士に相談しましょう。
暴行罪の被疑者になっても不起訴になれば前科はつきません。このページでは暴行罪で不起訴になる3つの事例を紹介しています。
暴行罪でもっとも不起訴の可能性が高くなるのは被害者との間で示談が成立した場合です。暴行事件で弁護士に相談する方の多くは、「何とか被害者との間で示談をまとめてもらいたい」と考えています。
暴行事件で示談をすることは加害者だけでなく被害者にとってもメリットがあります。弁護士が示談交渉をする際には被害者にとってもメリットがあることを説明すると示談がまとまりやすいです。
このページでは、暴行罪の被害者にとっての示談のメリット3つを解説しています。示談の流れや示談金の相場についても解説していますので参考にしてみてください。
暴行事件について弁護士に相談する際は弁護士費用についても気になることでしょう。そこで、このページでは暴行事件の弁護士費用の相場についても解説しています。
このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が作成しています。
目次
暴行罪の「暴行」とは?
1.暴行の定義
暴行罪の「暴行」とは、人の身体に対し不法に有形力を行使することです。
2.暴行の具体例
典型的な暴行は、「殴る」、「蹴る」、「押す」、「投げ飛ばす」、「相手の身体に物を投げる」といった行為です。
3.暴行罪と傷害罪の違い
暴行罪と傷害罪の違いは被害者にケガをさせたか否かです。被害者に暴力をふるってケガをさせた場合は傷害罪、ケガが生じなかった場合は暴行罪です。暴行によってケガをしていても、被害者が診断書を警察に提出しなければ、傷害罪では立件されず暴行罪として処理されることが多いです。
【刑法】
引用元:刑法|e-Gov法令検索 |
暴行罪になる?ならない?
1.暴行罪になるケース
典型的な暴行は殴ったり蹴ったりすることですが、次のようなケースも暴行罪にあたります。
【肩を押す】
故意に相手の身体を押した場合は暴行罪になります。人混みの中で意図せず体が当たってしまった場合は、故意がないので暴行罪にはなりません。
【襟首をつかむ】
口論などでカッとして相手の襟首をつかんだ場合は暴行罪になります。殴っていないから暴行罪にならないというわけではありません。
【足元に石を投げる】
投げた石が相手にあたれば暴行罪になるのは当然ですが、相手にあたらなくても、すぐ近くに落ちた場合は、暴行罪になります。このように、直接接触していなくても、相手の身体に向けて有形力を行使し、ヒヤっとさせたときは暴行罪になります。
【防犯スプレーを噴射する】
人に向けてスプレーを噴射することも暴行罪にあたります。スプレーをかけた相手が結膜炎になれば傷害罪が成立します。
このように暴行罪の暴行は、世間一般でいう「暴力」よりも広く捉えられているので注意が必要です。
2.暴行罪にならないケース
電車のゆれで転倒しそうになりとっさにつり革に捕まろうとしたところ、意図せずに手が乗客の顔に当たってしまった-このようなケースでは暴行罪は成立しません。
人混みの中で意図せず他人の体に当たってしまった場合も暴行罪にはなりません。
暴行罪が成立するためには暴行の故意が必要になります。過失暴行罪という犯罪はありませんので、意図せず有形力を行使してしまった場合は暴行罪にはならないのです。
暴行罪の罰則は?
暴行罪の罰則は次のいずれかです。
①2年以下の懲役
②30万円以下の罰金
③拘留(1日~1か月未満の拘束)
④科料(1000円~1万円未満の財産刑)
拘留や科料になることはまずありません。
暴行の時効は?
暴行の被害者が警察に被害届を提出すると刑事事件になります。また、被害届が受理されたか否かにかかわらず、暴行は民法上の不法行為(民法709条)にあたるため、被害者は民事事件として損害賠償を請求することができます。
暴行の時効は刑事事件と民事事件で別に定められていますので、個別にみていきましょう。
1.【暴行】刑事事件の時効
刑事事件の時効を公訴時効といいます。公訴時効が完成すると起訴することができなくなるので、逮捕されることもありません。暴行罪の公訴時効は3年です。
2.【暴行】民事事件の時効
民事事件で損害賠償請求する場合、時効は以下の2つのどちらか早い方になります。
①損害及び暴行の加害者を知ったときから5年
②暴行されたときから20年
暴行罪の初犯は罰金?
初犯の暴行事件のケースで何も活動しなければ、略式起訴され罰金になることが多いです。罰金であっても前科がついてしまいます。
初犯であっても凶器を使って暴行するなど悪質な場合は公判請求されることもあります。公判請求されると公開法廷で審理され、検察官から懲役刑を請求されます。初犯であれば公判請求されても執行猶予が付く可能性が高いです。
暴行罪の不起訴率は?
不起訴とは被疑者を刑事裁判にかけないことです。刑事裁判にならないので処罰されることはなく、前科がつくこともありません。
暴行罪で不起訴になる確率は72%です。起訴された28%のうち、公判請求の割合は15%、略式起訴の割合は85%です。
*根拠…2023年版検察統計年報:罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員
暴行罪で不起訴になる事例は?
暴行罪で不起訴になる事例として以下の3つが考えられます。事例①は暴行したことを認めているケース、事例②は暴行したことは認めているが正当防衛により無罪を主張するケース、事例③は暴行したことを否認しているケースです。
①示談が成立して不起訴になる事例
示談とはトラブルの当事者間で解決のために交わされた合意のことです。暴行事件を起こした場合、被害者と示談がまとまると不起訴になる可能性が高くなります。
暴行罪は被害者個人に対して暴力をふるって身体の安全をおびやかす犯罪ですので、被害者から示談という形で許しを得れば、処罰する必要はなくなります。そのため、暴行罪の被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高くなります。
不起訴にもさまざまな理由がありますが、被害者と示談がまとまり不起訴になる場合、不起訴の理由は「起訴猶予」になります。起訴猶予とは、起訴して有罪に持ち込めるだけの証拠はあるものの、被疑者に有利な事情を考慮して検察官の裁量で不起訴にする処分です。
②正当防衛が認められ不起訴になる事例
相手から先に暴力をふるわれて自分の身を守るためにやむを得ず手を出した場合、正当防衛が成立する余地があります。
正当防衛が成立して不起訴になる場合は、「罪とならず」(犯罪が成立しない)という理由で不起訴になります。
③証拠不十分により不起訴となる事例
駅やタクシー車内で暴行事件を起こした場合、暴行した場面が防犯カメラで撮影されていることがあります。第三者が暴行の場面を目撃していることもあります。
もっとも、すべての暴行事件について証拠や証言がそろっているわけではありません。防犯カメラや目撃証言がない場合、暴行したことの証拠が十分になければ、検察官が起訴しても有罪に持ち込めないことになります。そのようなケースでは検察官は不起訴にせざるを得ません。
このように証拠が不十分で起訴したくてもできない場合は、嫌疑不十分という理由で不起訴になります。明白に正当防衛に該当するとまではいえないが、その可能性があり、かつ証拠が不十分な場合も嫌疑不十分で不起訴になります。
暴行罪は示談で不起訴になることが多い
上で見てきたように、暴行罪で不起訴になるケースとして、①示談が成立して起訴猶予で不起訴になる事例、②正当防衛が認められ罪とならずで不起訴になる事例、③十分な証拠がなく嫌疑不十分で不起訴になる事例があります。
それぞれの確率は以下の通りです。
暴行罪が起訴猶予で不起訴になる確率 | 88% |
暴行罪が罪とならずで不起訴になる確率 | 0.1% |
暴行罪が嫌疑不十分で不起訴になる確率 | 11% |
*根拠…2023年版検察統計年報:罪名別 被疑事件の既済及び未済の人員
1.暴行罪が起訴猶予で不起訴になる確率
上の表から起訴猶予で不起訴になる確率が圧倒的に高いことがわかります。起訴猶予で不起訴になったすべての暴行事件で示談が成立しているわけではありませんが、多くの事例で示談が成立していると思われます。
2.暴行罪が罪とならずで不起訴になる確率
「罪とならず」で不起訴になる事例は非常に少ないことがわかります。正当防衛は誰でも知っている言葉ですので、「自分にも正当防衛が成立するのでは?」と思われる方が多いようです。もっとも、法律で正当防衛の要件はかなり厳格に定められているため、正当防衛の要件に全てあてはまることは決して多くはありません。
正当防衛の主張をするか否かはまずは暴行事件に精通した弁護士にご相談ください。
3.暴行罪が嫌疑不十分で不起訴になる確率
嫌疑不十分で不起訴になる確率も約1割とかなり低くなっています。理由としては、暴行事件は人目につく公共の場所で発生することが多く、防犯カメラ等の証拠がそろっているケースが多いことが考えられます。
4.まとめ
以上の統計データから、暴行罪で不起訴を獲得するためには示談をして起訴猶予を狙うのが合理的だとわかります。以下では暴行事件における示談について弁護士が解説していきます。
暴行罪の加害者が示談をするメリット
1.不起訴の可能性が高まる
上で説明したように、暴行罪の被害者と示談をすることにより、起訴猶予で不起訴となる可能性が高まります。
2.早期釈放の可能性が高まる
暴行罪で逮捕・勾留されても示談が成立すれば、速やかに釈放される可能性が高くなります。弁護士が検察官に示談書を提出した当日か翌営業日に釈放されることが多いです。
示談が成立すれば不起訴という形で刑事手続から解放される可能性が高くなります。そウである以上、あえて勾留を続ける必要もなくなるため早期に釈放されるのです。
3.民事訴訟を回避できる
暴行罪の被害者との間で示談が成立すれば、示談のとりきめに反しない限りは、民事訴訟を提起されるリスクがなくなります。
示談書に「お互い債権債務なし」という精算条項が入るため、示談金を支払わないなど示談の取り決めに反しない限りは、被害者に請求権が発生しないためです。
暴行罪の被害者が示談をするメリット
暴行事件で示談をすることにより被害者側にも次のようなメリットがあります。
1.速やかに示談金を得られる
暴行事件の解決を示談で進める場合は、弁護士の力量にもよりますが、早ければ数日、遅くとも1か月程度で話がまとまることが多いです。これに対して、民事訴訟を提起するのであれば、準備期間を含め6か月以上かかることが多いです。判決まで1年以上かかることもあります。
民事訴訟の途中で疲れてしまい「示談で終わらせておけばよかった」と後悔することもあるかもしれません。
2.費用倒れになる心配がない
暴行事件の解決を示談で進める場合は、通常、加害者の側に弁護士がいますので、加害者側の弁護士と交渉することになります。被害者が弁護士に依頼する必要はありません。
これに対して民事訴訟で進める場合は、被害者が単独で裁判に臨むのは難しいため、弁護士に依頼する必要があります。弁護士費用は数十万円単位でかかってきます。
もっとも、民事訴訟の判決では被害者側の弁護士費用は一部しか認められません。具体的には認容額の1割になります。例えば、判決で認められた賠償額が30万円、弁護士費用が20万円だとすると、判決で認められる弁護士費用は、20万円ではなく3万円になります(30万円×0.1)。
そうすると被害者の手元にはたった7万円しか残らない計算となります(30万-20万円-3万)。認容額や弁護士費用によっては赤字になることもあります。
3.柔軟な取り決めが可能
民事訴訟を起こした場合は、金銭での解決しかできません。なぜなら、損害賠償請求訴訟の判決には金銭以外の条件をつけることができないからです。これに対して、示談で解決する場合は示談金の支払いだけではなく、被害者の要望をふまえた柔軟なとりきめが可能です。
例えば、双方で合意がまとまれば以下のような取り決めも可能です。
☑ 加害者が被害者に接触・連絡しない
☑ 暴行事件について第三者に言わない
☑ 暴行事件についてネット上にアップしない
☑ 加害者が事件の発生現場となった施設に今後立ち入らない
このように示談で進めた方が民事訴訟よりも柔軟な解決が可能になります。
暴行罪で示談しないで不起訴になる?
暴行したことを認めている場合、示談をすれば不起訴になる可能性が高くなります。もっとも、示談なしでも不起訴になることがあります。示談なしで不起訴を狙える事例は以下の3つです。
1.軽微な暴行の事例
「電車内で口論になり相手の肩を軽く押した」といった軽微な暴行事件では、本人が反省していれば刑罰を科す必要が高いとまでは言えないため、示談なしでも不起訴になることがあります。
2.被害者にも落ち度がある事例
被害者から暴言を吐かれて挑発された場合など、相手にも落ち度があるケースでは、示談しなくても不起訴になることがあります。
相手から暴行されて過剰にやり返した場合は過剰防衛が成立します。過剰防衛については刑を減免することができるとされていますが(刑法36条2項)、そもそも起訴されないこともあります。
【刑法】
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3.被害弁償をしたケース
暴行罪の被害者に被害弁償をすれば示談なしで不起訴になることがあります。被害弁償とは被害者に賠償金を支払うことです。
「許す」と書かれた示談書にサインしてもらうわけではありませんので、示談に比べると不起訴の確率は下がりますが、悪質な暴行でなければ、被害弁償のみで不起訴になることもあります。
暴行罪の示談まとめ-加害者・被害者双方にメリットあり!
上でみてきたように、示談なしで不起訴になることはありますが、不起訴の可能性が高いとまでは言えません。これまで見てきたように暴行事件で示談をすることは、加害者のみならず、被害者にとってもメリットがあります。
そのため、暴行したことを認めている場合は、示談で解決するのがベストと言えるでしょう。
暴行罪の示談金の相場は?
暴行罪の示談金の相場は10万円程度です。ただし、男性が女性の身体に接触した場合など性犯罪的な要素がある場合は、10万円より高くなる傾向があります。
逆に相互暴行(けんか)のケースでは、10万円よりも低い慰謝料で示談がまとまることもあります。
DVのケースでは慰謝料以外に被害者の転居費用を負担することもあります。
暴行罪の示談交渉は弁護士に依頼しよう
見知らぬ人に暴行して刑事事件になった場合、被害者と示談交渉をするためには、まず被害者の名前と連絡先を把握する必要があります。
もっとも、暴行罪の加害者が捜査員に「被害者の連絡先を教えてください」と頼んでも、通常、教えてくれません。暴行罪の被害者は個人情報を加害者に知られたくないと思っており、捜査員も被害者の意向を無視するわけにはいかないからです。
弁護士が間に入れば、被害者としても安心して個人情報を教えることができます。
知人間の暴行事件などで加害者が被害者の電話番号を知っている場合でも、加害者がいきなり被害者に電話をすると、相手を怖がらせてしまったり、逆に相手から高額な示談金を請求されたりして逆効果になってしまうリスクがあります。
そのため、被害者の連絡先を知っている場合でも暴行の示談交渉は弁護士に依頼すべきです。
暴行罪の逮捕率は?
2023年に刑事事件になった暴行事件のうち、被疑者が逮捕されたケースは40%です。暴行罪は決して重い犯罪ではありませんが、それでも半数近くの被疑者が逮捕されています。
暴行罪で逮捕された後に勾留されたケースは61%、勾留が延長されたケースは47%です。暴行で逮捕されると半数以上の人が勾留されることになります。
*逮捕率・勾留率の根拠…2023年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員
*勾留延長率の根拠…2023年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の勾留後の措置、勾留期間別及び勾留期間延長の許可、却下別人員
暴行罪で逮捕されやすい事例は?
1.泥酔して暴行した事例
酒に酔って手がつけられなくなっている状態で暴行事件を起こすと、警察は加害者本人を保護するためにも逮捕することが多いです。
社会的な地位のある方でも、泥酔して暴行事件を起こせば逮捕されてしまうことが少なくありません。ご本人は留置場の中で自分が逮捕されたことに気づいてがく然とすることになります。
2.DVの事例
DV(ドメスティックバイオレンス)のケースでは、被害者を保護するために加害者を逮捕することが多いです。
DVから殺人などの重大事件に発展するケースもあるため、警察もDVについては積極的に介入するようになっており、かつては注意を受けるだけで終わっていたような事件でも逮捕されることが増えています。
暴行罪で逮捕された後の流れは?
刑事事件の身柄拘束は逮捕⇒勾留という2段階のステップで進みます。逮捕は最長3日しかできませんが、起訴前の勾留は最長20日になります。
1.検察官の勾留請求
暴行罪で逮捕されると翌日か翌々日に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。検察官が勾留の要件(逃亡や証拠隠滅のおそれ)を満たさないと判断すると、その日のうちに被疑者を釈放します。
⇒【逮捕】勾留されなかったときの釈放の流れ-何時にどこに迎えに行く?
勾留の要件を満たすと判断すると、裁判官に勾留を請求します。
2.裁判官の勾留質問
暴行罪で逮捕され勾留を請求されると、当日か翌日に裁判所に連行されて裁判官の勾留質問を受けます。裁判官が検察官の勾留請求を却下すればその日のうちに釈放されます。
⇒【逮捕】勾留されなかったときの釈放の流れ-何時にどこに迎えに行く?
裁判官が勾留請求を許可すれば勾留されます。
3.勾留後の流れ
勾留期間は原則10日ですが、さらに10日を限度として延長することが可能です(最長20日)。検察官は勾留期間内に被疑者を起訴するか釈放するかを決めなければなりません。
刑事事件の身柄拘束は逮捕⇒勾留というステップで進みます。
暴行罪で逮捕-釈放のために弁護士ができること
1.やみくもに否認している被疑者が多い
暴行罪は、被害者にケガをさせておらず軽い犯罪ですが、それでも逮捕された被疑者の半数以上が勾留されています。
軽微な犯罪のわりに勾留される人が多いのは、酒に酔っていて覚えていなかったり、「この程度のことでオオゴトになるわけがない。」という間違った思いこみのせいで、やみくもに否認しているケースが多いためです。
暴行罪で逮捕された後に勾留されると最長20日わたり拘束されます。拘束が長期化すると会社にバレて解雇されるリスクもあります。
2.弁護士ができること
逮捕直後に接見できるのは弁護士のみです。弁護士が暴行事件の被疑者と接見し、素直に認めるべきところは認めて反省の態度を示すようアドバイスすれば、ほとんどのケースで勾留されずに釈放されます。
DV事件では、被害を受けた妻や恋人が警察に相談しただけで逮捕まで望んでいない場合でも、本人が逮捕されることがあります。そのようなケースでは早急に妻や恋人に被害届を取り下げてもらいます。
3.早期に弁護士に依頼しよう
いったん勾留されてしまうと、原則10日・最長20日にわたって拘束が続きます。逮捕されたら勾留されるか釈放されるか決まるまで最短で1日、最長でも3日しかありません。勾留を阻止するためにはできるだけ早く弁護士に依頼した方がよいです。
⇒逮捕されたらすぐに弁護士を呼ぼう!弁護士費用や呼び方を解説
暴行罪の弁護士費用の相場は?
暴行罪の弁護士費用の相場は逮捕されているケースで60~120万円、逮捕されていないケースで50万円~80万円です。
暴行罪で逮捕されていれば、早期釈放のために弁護士がご本人と接見したり、検察官や裁判官に意見書を提出する必要があるため、逮捕されていないケースに比べると弁護士費用が高くなります。
正当防衛などにより裁判で無罪を主張するケースでは幅広い証拠の収集や相手方への反対尋問が必要となるため費用が高くなります。
暴行罪の示談と弁護士費用の関係は?
暴行罪の弁護士費用の中には被害者に支払う示談金は含まれていません。示談金は弁護士費用とは別に準備していただく必要があります。弁護士費用が高い事務所に依頼すると予算の大部分を弁護士費用にとられてしまい、十分な示談金を用意できないことがあります。
「示談金で折り合いがつかずに前科がつい」てしまった」
「何のために高額な弁護士費用を払ったんだろう」
-このような最悪な展開を回避するためにも、予算に限りがある場合は弁護士費用が安い法律事務所に依頼した方がよいでしょう。
暴行罪ではすまないことも
1.集団暴行罪
数人で共同して暴行したときは、「暴力行為等処罰ニ関スル法律」の集団暴行罪が成立します。刑罰は3年以下の懲役または30万円以下の罰金です。
【暴力行為等処罰ニ関スル法律】
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2.常習暴行罪
常習的に暴行罪を犯したときは、「暴力行為等処罰ニ関スル法律」の常習暴行罪が成立します。刑罰は3ヶ月以上5年以下の懲役です。
【暴力行為等処罰ニ関スル法律】
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3.公務執行妨害罪
警察官等の公務員に暴行した場合は公務執行妨害罪になります。刑罰は、①3年以下の懲役、②3年以下の禁錮、③50万円以下の罰金のいずれかです。
【刑法】
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暴行罪に強い弁護士が解説!