不同意性交等のご質問

不同意性交等の質問

 

Q1-1:息子が不同意性交等の容疑で逮捕・勾留されています。警察の方から聞いたところ、容疑を認めているとのことです。示談をすれば不起訴になるのでしょうか?

不同意性交等罪は親告罪ではありませんので、示談をして告訴を取り消してもらえれば確実に不起訴になるわけではありません。とはいえ、実際の運用としては、示談が成立すれば、悪質なケースや前科がある場合を除き、不起訴になることが多いです。

 

Q1-2:示談をするにあたって期限はあるのでしょうか?

不起訴を目指すのであれば起訴されるまでに示談をする必要があります。いったん起訴されてしまえば、その後に示談をしても、さかのぼって起訴が取り消されることはないからです。

 

Q1-3:いつ起訴されますか?

勾留の満期日またはその直前に起訴される可能性が高いです。逮捕されてから勾留されるまで最長3日、勾留期間は原則10日で延長されれば最長20日になります。

 

不同意性交等罪は重大犯罪でありほとんどの事件で勾留が延長されます。検察官は勾留の期間内に被疑者を起訴するか釈放しなければなりません。

 

検察官が起訴するか釈放するかを決めるタイミングは、勾留の最終日(満期日)またはその直前になることが多いので、おおむね逮捕の3週間後になります。

 

 

Q2-1:息子が昨日、不同意性交等罪で逮捕されました。警察の方によれば否認しているそうです。今後の流れを教えてください。

勾留の満期日またはその直前に起訴されるか、釈放される可能性が高いです。起訴されれば保釈されない限り勾留が続きます。釈放されればその後に不起訴になる可能性が高いです。

 

勾留の満期日は逮捕の約3週間後になります。

 

Q2-2:今後どうすればよいでしょうか?

まずは弁護士ができるだけ早く息子さんに接見し、容疑を否認しているか否かを確認します。

 

否認しているのであれば、自白調書を取られないようにします。防犯カメラ等の客観的な証拠がなくても、自白調書をとられれば起訴される可能性が高くなります。

 

自白調書をとられなければ、相手の供述内容によっては、起訴しても公判を維持するのが難しいと判断され、不起訴になります。

 

自白調書をとられないようにするため、弁護士が息子さんと接見し、黙秘権を行使させたり、供述調書への署名・押印を拒否させます。

否認事件の刑事弁護

 

 

Q3-1:知り合いの20代の女性と無理やり性交してしまいました。現在、その女性の交際相手から、「誠意ある態度を見せなければ警察に被害届を出す。」と言われています。どうすればよいでしょうか?

女性との間で「被害届を出さない」という内容の示談をまとめるべきです。被害届が出されなければ刑事事件になりませんので、逮捕・起訴されることもありません。

 

Q3-2:刑事事件になる前の段階でも、ウェルネス法律事務所に依頼することはできますか?

はい。ウェルネスでは刑事事件になる前の段階で、多くの性犯罪事件を解決しています。

 

Q3-3:示談をするにあたって注意すべき点はありますか?

示談の相手は被害を受けた女性です。交際相手の男性が、被害者から有効な委任を受けていなければ、この男性と示談をしても、示談の有効性について後に問題になることがありますので、被害者の意思も確認しておく必要があります。

 

 

Q4-1:知人女性から無理やり性交されたと言いがかりをつけられて困っています。確かに性交はしましたが合意の上でした。昨日、警察からこの件で電話があり、明日、取調べのために警察署に出頭するよう言われました。その時は「わかりました」と答えましたが、私は同意の上で性交しており無理やりしていませんので、警察に行くこと自体納得できません。そこで、明日の取調べはキャンセルし、今後、警察から電話がかかってきても無視しようと思っています。このような対応でよいでしょうか?

そのような対応はすべきではありません。警察からの出頭要請を無視していると、逃亡や証拠隠滅のおそれが推認され、逮捕される可能性が高くなります。

 

納得いかなくても、出頭した上で黙秘したり、調書への署名・指印を拒否するようにしてください。

 

Q4-2:私は同意なく性交していませんし、女性の言っていること以外何も証拠はないと思います。そのような場合でも逮捕されることがあるのでしょうか?

はい。逮捕状の発付は比較的容易に認められる傾向がありますので、客観的な証拠がない場合であっても、女性の言い分に一応の合理性がある場合は逮捕されることがあります。

 

ウェルネスで実際にそのような事案を取り扱ったこともあります(否認を貫き不起訴処分を獲得しました)。

 

Q4-3:今後どのような弁護活動が考えられますか?

① 弁護士が逃亡や証拠隠滅の可能性がないことを書面で捜査員に説明し、可能な限り逮捕の可能性を低くします。

 

②ご本人から事情をお聴きし、警察での取調べに際しどのように対応するのかアドバイスします。取調べに同行することもあります。

 

③ 立寄り先の防犯カメラ映像などご本人に有利な証拠があれば、警察に保全するよう要請します。

 

④ ご本人から事情を聴いた結果、仮に、不同意性交等に該当する可能性がある場合には示談も検討します。

 

 

Q5:女性を暴行し性交しようとしましたが、緊張のため勃起せず、挿入できなかった場合は不同意性交等罪になるのでしょうか?

その場合は不同意性交等未遂罪になります。

 

Q6:「性交しようと思い、女性を暴行して服を脱がせ、その際けがを負わせたが、怖くなって何もしないで逃げた」という場合、性交はしていないので不同意性交等未遂罪と傷害罪にとどまるということでしょうか?

不同意性交等致傷罪が成立します。性交するつもりで暴行してけがを負わせた場合、たとえ性交していなかったとしても不同意性交等致傷罪となります。

 

Q7-1:知人の20代の女性と飲みに行った際、女性が酔いつぶれてしまったので、私の自宅に連れて行きベッドに寝かせました。女性の寝ている姿を見ているうちに興奮し、性交してしまいました。女性は意識もうろうとしていました。私の行為は犯罪になりますか?

「アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。」(刑法176条1項3号)により、「同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にあることに乗じて、」性交したものとして、不同意性交等罪が成立します(刑法177条1項)。

 

Q7-2:女性から被害届を出されればどのような捜査が行われるでしょうか?

以下のような捜査が行われます。

 

捜査の類型

捜査の内容

作成される証拠書類

DNA鑑定

被害者の口腔内細胞と被疑者の口腔内細胞を採取し、それぞれのDNA型を明らかにします。

被害者の膣内容物を採取し、その中に被疑者のDNAが含まれているかを調べます。

鑑定書

尿の鑑定

被害者の尿の中に睡眠導入剤の成分が含まれているかを調べます。

鑑定書

被害者の取調べ

当日被疑者と会うことになった経緯、会ってからのやりとり、ホテルに移動する間の状況、ホテル内での状況、意識を回復してからのやりとり、性交されたことに気づいた経緯などについて聴取します。

被害者供述調書

防犯カメラの画像解析

ホテル内の防犯カメラを解析し、事件前後の被害者の状態(足取りがしっかりしているか等)、被疑者の行動を明らかにします。

防犯カメラ画像解析結果報告書

目撃者の取調べ

居酒屋の店員やホテルのフロント係から被害者の状態(顔の表情、ろれつが回っていたか、足取りはしっかりしていたか等)、被疑者と被害者とのやりとりを聴取します。

目撃者供述調書

被疑者の取調べ

事件全般について聴取します

被疑者供述調書

 

 

Q8:不同意性交等致傷のけがは外傷に限られるのでしょうか?

外傷に限られるわけではありません。例えば、事件後にPTSDやパニック障害を発症した場合、それらの症状と性交等との間に因果関係があれば、強制性交等致傷罪が成立します。もっとも、単なる精神的ストレスのみでは致傷罪は成立しません。

 

 

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