カラオケボックスでの(準)強制わいせつ

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

カラオケボックスでの(準)強制わいせつの特徴

☑ 同僚の女性とお酒を飲んだ後カラオケボックスに行った

☑ 2人で盛り上がり、女性にキスをしたり胸をもんだりした

☑ 翌日、女性から警察に訴えますというLINEがきた

☑ 1週間後に警察から「事情を聴きたい」と電話があった

☑ このあとどうなるのか不安

 

カラオケボックスで女性とわいせつ行為をした後にトラブルになるケースが少なくありません。カラオケボックスでの(準)強制わいせつ事件の特徴は次の3つです。

 

① 職場の同僚など知り合い同士のことが多い

② カラオケボックスに行く前に男性も女性も飲酒していることが多い

③ わいせつ行為をしたことは事実だが合意の有無で争いになることが多い

 

カラオケボックスでの(準)強制わいせつと逮捕

強制わいせつで立件されるか準強制わいせつで立件されるかは女性側の主張によって異なってきます。

 

お酒に酔って意識がもうろうとしている間にわいせつ行為をされたと主張している場合は、準強制わいせつで立件されることになります。そこまでの状態ではなかったが、男性から意思に反して強引にわいせつ行為をされたと主張している場合は、強制わいせつで立件されることになります。

 

強制わいせつで立件されても、準強制わいせつで立件されても、逮捕される可能性は高くはありません。その理由は、(準)強制わいせつを立証することが必ずしも容易ではないからです。以下、犯罪ごとに個別にみていきます。

 

 ① 強制わいせつで立件された場合

典型的な強制わいせつは、路上で見知らぬ女性に対してわいせつ行為をするケースです。これに対して、カラオケボックスでの強制わいせつは、お互いに面識のある男女が、飲酒をした後に、2人で盛り上がっていることが多く、女性側も軽いハグなどある程度のスキンシップは許容していることが多いです。

 

そのため、合意があったかなかったかの境界が不明確で、立証が難しいという特質があります。その上、女性も酔っており、記憶が断片的だったり不正確だったりして、供述の信用性に疑問があるケースが少なくありません。

 

 ② 準強制わいせつで立件された場合

典型的な準強制わいせつは、男性が女性に睡眠導入剤などの薬物をこっそり飲ませて、眠り込んでいる女性をホテルや自宅に連れ込むケースです。このようなケースでは、被害女性の尿を採取し、薬物の成分鑑定をしたり、加害男性について薬物の購入履歴を調べたりすることにより裏づけをとることができます。

 

また、ホテルや自宅までの移動経路上にある防犯カメラを確認することにより、女性が抵抗できない状態におかれていることを立証することができます。

 

一方、カラオケボックスでの準強制わいせつのケースでは、男性側に下心はあるとしても、周到な計画性まではなく、事前に薬物を飲ませているケースはめったにありません。女性と飲酒しているうちに盛り上がり、流れでカラオケボックスに行くパターンが多いです。

 

そのため、尿の鑑定をしても薬物が検出されることはまれです。また、典型的な準強制わいせつのケースと異なり、防犯カメラの映像を見ても、女性がぐったりして動けなくなっているわけではなく、むしろ、男性と並んで普通に歩行しているケースが多いと思われます。

 

そのため、女性の供述を裏づける証拠がほとんどない可能性が高いです。また、女性もある程度酔っていることが多いため、供述の信用性という点で疑問が残ります。

 

警察は「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」がなければ逮捕することはできません。カラオケボックスでの(準)強制わいせつは、立証が容易ではなく、「罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」があるとの判断に至るケースは必ずしも多くはないため、逮捕されることは少ないです。

 

カラオケボックスでの(準)強制わいせつに巻きこまれたときにすべき3つのこと

女性とカラオケボックスでわいせつな行為をした後に、女性から「警察に訴える」と言われたり、損害賠償を請求されたら、まずは以下の3つのことをしてください。

 

① 当日女性と会ってから別れるまでの状況等を記録しておく

男性の方も酔っており記憶があいまいなことがあるので、今後の取調べに適切に対応するため、当日の状況をなるべく詳しく記録しておいてください。また、女性と知り合ったきっかけや関係性についてもまとめておくとよいでしょう。弁護士事務所に相談に行く際は、これらの記録を持参してください。

 

② 女性とやりとりとりしたLINEやメールを全て保存しておく

カラオケボックスを出た後のやりとりが特に重要です。女性から男性に対して、「今日は楽しかった、ありがとう!」といったメッセージが送信されている場合は、(準)強制わいせつがなかったとの判断につながります。逆に、男性から何度もメッセージを送信しているのに女性から一切返答がない場合は、男性に不利になります。

 

③ カラオケボックスやその前に行った飲食店の領収証を保存しておく

準強制わいせつが成立するためには、女性が抵抗できないほど泥酔していたことが立証されなければいけません。実際はそれほど酔っていないのに、女性から「たくさんお酒を飲まされ泥酔していた。」等と主張された場合、領収証を保存しておけば、客観的に反論できる可能性があります。

 

カラオケボックスと(準)強制わいせつ-女性の同意がある場合

「カラオケボックスでわいせつ行為をしたが、女性の方は酔っておらず、嫌がってもいなかった」というケースでは、(準)強制わいせつは成立してりませんので、原則として以下の方針で警察に対応することになります。

 

① 取調べでは自分が体験した事実を正直に供述し、署名・指印はしない

黙秘するという選択もありますが、カラオケボックスでの(準)強制わいせつ事件では、警察も、一方的に「お前が悪い」等と決めつけたりせず、男女双方の話を聞いて慎重に判断することが多いため、黙秘せずに、自分が体験した事実を素直に話すべきです。

 

ただ、何度も取調べを受けているうちに、知らず知らずのうちに供述に矛盾が生じていたり、本人の思い違いで客観的な証拠に反する供述をしてしまうことがありますので、供述調書への署名・指印は拒否すべきです。

 

署名・指印がなければ、検察官はその供述調書を刑事裁判の証拠として提出することができません。ただ、事件の内容や警察の姿勢によっては、黙秘で対応した方がよい場合もあります。最終的には、刑事事件の経験豊富な弁護士に相談して、対応を決めてください。

 

② 弁護士から警察に証拠保全を要請する

防犯カメラ映像は2、3週間で上書きされ消えてしまいます。当日、女性と一緒に行った飲食店やカラオケボックスのフロント、移動した経路周辺に設置されている防犯カメラの映像を保存しておくよう弁護士が警察に要請します。

 

カラオケボックスに入る際の女性の足取りがしっかりしており、一緒にカラオケボックスから出てきてその後も二人で談笑している様子が撮影されていれば、男性側に有利になります。

 

③ 示談交渉はしない

わいせつ行為をしても女性の同意がある以上、お詫びする理由がなく、示談交渉をする必要はありません。逆に示談交渉をすることにより、外形的には(準)強制わいせつを認めた形になってしまい、刑事裁判になった場合に、検察官から「強引にわいせつ行為をしたという自覚があるから示談交渉をしたんじゃないんですか。」とつっこまれる可能性があります。

 

カラオケボックスと(準)強制わいせつ-示談した方がよいケース

以下の2つのケースでは示談した方がよいでしょう。

 

① 強引にわいせつ行為をしたことを本人が自覚しているケース

② 女性が泥酔しており抵抗できない状態でわいせつ行為をしたことを自覚しているケース

 

カラオケボックスの(準)強制わいせつ事件の場合、当事者同士が知り合いで連絡先も知っていることが多いですが、弁護士を通さずに、男性から女性に直接連絡をいれることは避けた方がよいです。

 

女性が怖がり示談に消極的になることが考えられますし、勝手に被害者に接触すると、警察の印象も悪くなり、逮捕されるリスクが高まります。示談交渉は弁護士を通じて行いましょう。

示談の相談は弁護士へ

 

「女性の同意があったような気もするが酒に酔っておりよく覚えていない」というケースでは、示談に向けて動くかどうかは、事件直後のやりとりや当日の飲酒量、警察の対応状況、男性本人の意向などを踏まえて、慎重に判断するべきです。まずは弁護士にご相談ください。

 

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