子どもに対する強制わいせつ

このページでは13歳未満の児童に対する強制わいせつについて解説しています。これから13歳未満の児童のことを「子ども」と表記します。

 

 

子どもに対する強制わいせつの要件

子どもに対してわいせつな行為をした場合は、子どもの同意があっても、強制わいせつ罪が成立します。子どもは判断能力が未熟で、自分がされていることの意味がわからないため、有効な同意能力がないと考えられるためです。

 

子どもに対する強制わいせつと年齢の認識

13歳未満の子どもと合意の上でわいせつ行為をしたとしても、13歳未満であることの認識がなければ強制わいせつ罪は成立しません。

 

例えば、相手が13歳であると思って合意の上でわいせつ行為をしたところ、実は12歳だった場合は、強制わいせつ罪は成立しません。ただ、事件化した場合、「本当に13歳だと思っていたのか」について問題となる可能性はあります。

 

また、強制わいせつは成立しないとしても、18歳未満であることの認識があれば、淫行条例違反(お金を渡していない場合)や児童ポルノ法違反(お金をわたしている場合)が成立します。

 

子どもに対する強制わいせつと刑罰

子どもに対する強制わいせつの刑罰は、通常の強制わいせつと同じで、懲役6ヶ月~懲役10年です(刑法176条)。刑罰の上限と下限は、13歳以上の被害者に対する強制わいせつと同じですが、実際に下される判決は、13歳以上の被害者に対する強制わいせつに比べ重くなる傾向があります。

 

子どもに対する強制わいせつは、被害者の今後の日常生活や対人関係に深刻な影響を及ぼすことが多く、悪質と評価されやすいためです。

 

子どもに対する強制わいせつと児童ポルノ

子どもに対する強制わいせつの特徴として、わいせつ行為中の被害者の様子を携帯電話などで撮影していることが多いという点が挙げられます。理由として考えられるのは次の2つです。

 

①子どもはわいせつな行為をされているという意識がなく、カメラを向けられても成人のように避ける動作をしないため、撮影が容易である。

 

②小児性愛の傾向がある人は、自分よりも弱い存在を支配したいという欲求を持っていることが多く、撮影した画像を保存するという行為を通じて、歪んだ支配欲を間接的に充足しようとしている。

 

わいせつ行為中に子どもを撮影していた場合、強制わいせつとは別に児童ポルノ製造罪が成立します。刑罰は3年以下の懲役または300万円以下の罰金です。

 

強制わいせつと児童ポルノ製造罪の両方で起訴された場合は、併合罪(刑法45条)として扱われます。その結果、裁判官が両方の罪で有罪と判断したときは、最高刑は、各犯罪の懲役刑の上限を足し合わせた懲役13年になります。

 

懲役10年(強制わいせつの最高刑)+懲役3年(児童ポルノ製造罪の最高刑)=13年

 

子どもに対する強制わいせつと逮捕の可能性

子どもに対する強制わいせつは、成人に対する強制わいせつに比べて逮捕される可能性が高いです。2017年度の強制わいせつの逮捕率は64%ですが、子どもに対する強制わいせつに限定するとさらに高くなると思われます。子どもに対する強制わいせつで逮捕率が高い理由は次の2つです。

 

①子どもは、被害を受けたという意識がなく警戒心が薄いため、証拠隠滅が容易である(「この間のことは2人だけの秘密なので他の誰にも言っちゃだめだよ」といった口裏合わせを図るおそれがある)。

 

②子どもに対して強制わいせつをした人は、根深い小児性愛の傾向をもっていることが多く、逮捕しないと第2、第3の事件が発生するおそれがある

 

子どもに対する強制わいせつと実名報道

子どもに対する強制わいせつで逮捕した場合、映像つきで実名報道されることが多いです。子どもは警戒心が薄く、犯罪行為に対して自己防衛することが難しいため、同種事犯の再発を防止するためには、実名報道することにより、地域社会の親に広く注意喚起する必要があるためです。

 

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子どもに対する強制わいせつと自首

子どもに対する強制わいせつのケースでは、犯人として特定されれば、逮捕される可能性が高いですが、特定前に自首すれば逮捕を避けられる余地が十分にあります。

 

ウェルネスの弁護士は、子どもへの強制わいせつ事案で、自首のサポートをしたことが2件ありますが、2件とも逮捕回避と不起訴を実現しました。逮捕回避の見込みなどは実際に話を聞いてみないと何ともいえませんので、自首を検討されている方はお早めに弁護士にご相談ください。

 

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子どもに対する強制わいせつと示談

子どもに対する強制わいせつのケースで最も重要な弁護活動は示談です。この点は、13歳以上の被害者に対する強制わいせつと同じです。

 

2017年の刑法改正により、強制わいせつは起訴にあたって告訴が不要とされました。そのため、以前とは異なり、示談をしたからといって不起訴が保証されるわけではありません。

 

実務では、13歳以上の被害者に対する強制わいせつについては、初犯で悪質でない限り、示談が成立すれば、起訴しない方向で運用されています。

 

これに対して、子どもに対する強制わいせつでは、「子どもが被害者である」ということ自体で悪質であると評価されやすく、検察官によっては、示談をして被害届が取り下げられていても、起訴する人もいます。

 

示談が成立すれば、検察官は、子どもの親に処罰意思を確認します。親の気持ちが、「どちらかというと処罰を望まない」とか「積極的には起訴を望まない」という程度であれば、起訴されてしまうおそれがあります。

 

検察官にはっきりと「不起訴を望みます」と言っていただけるよう弁護士が事前に親に話をしておく必要があります。示談書や被害届取下げ願いにも、「不起訴を求める」とか「処罰を望まない」等の文言を入れて、ご納得いただきます。

 

示談は起訴前に締結するのがベストですが、起訴後であっても示談が成立すれば執行猶予の可能性が高まります。示談が成立していないと損害賠償命令を申し立てられる可能性もありますので、起訴後であっても示談はしておいた方がよいでしょう。

 

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子どもに対する強制わいせつと再犯防止

子どもに対して強制わいせつをした方の中には、根深い小児性愛の傾向を持っている方が少なくありません。再発防止を徹底するためには、専門家のサポートを受けた方がよいでしょう。逮捕・勾留されている方であっても、東京などの大都市圏であれば、専門家による出張カウンセリングを受けられる場合もあります。

 

ウェルネスの弁護士がそのような専門家を紹介することも可能です。弁護士が治療経過を証拠化し裁判所に提出したり、専門家に証人として出廷してもらい、カウンセリングの状況や再犯の可能性について証言してもらうことも可能です。

 

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