強制わいせつで自首する6つのメリットを弁護士が解説

強制わいせつで自首を検討している方は、「逮捕されるのでは?」と不安な日々を過ごしているのではないでしょうか。

 

 

強制わいせつをした場合、防犯カメラや遺留物のDNAで特定され、後日逮捕されることが少なくありません。強制わいせつをしてから後日逮捕されるまでのタイムラグは3~6ヶ月前後になることが多いです。

 

 

「逮捕を避けたい」と自首を検討されている方は、次のような疑問をお持ちのことでしょう。

 

 

☑ 強制わいせつで自首した方がよい?

☑ 強制わいせつで自首するメリットは?

☑ 強制わいせつで自首するデメリットは?

☑ 強制わいせつで自首した後の流れは?

 

 

このページでは、強制わいせつの自首同行を数多く経験している弁護士が、強制わいせつの自首について知っておきたいことを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

強制わいせつで自首すべきか?

刑事事件を起こしたからといって、自首する義務があるわけではありません。ただ、強制わいせつをした場合は自首した方がよいケースが多いです。理由は次の2つです。

 

 

1.被害届が出ていることが多い

性犯罪で最も多いのは痴漢と盗撮ですが、これらは重大犯罪とまではいえず、被害者が警察に通報していないこともあります。通報がなければ、警察が独自に捜査して被疑者を逮捕することはありません。

 

 

これに対して、強制わいせつは、痴漢や盗撮よりも性的侵害の程度がずっと重く、被害者から被害届が出ていることが多いです。被害届が出れば警察も本腰を入れて捜査を開始することになります。

 

 

*被害届が出ていても被疑者として特定される前に警察署に出頭すれば自首が成立します。

 

 

2.逮捕されると勾留される可能性が高い

強制わいせつ罪の最高刑は懲役10年であり、性犯罪のなかでは強制性交等罪に次いで重い犯罪です。

 

 

そのため、いったん逮捕されると勾留されやすい傾向があります。2020年の検察統計年報によれば、強制わいせつ罪で逮捕された人が勾留される確率は90%以上です。勾留が延長される確率は80%以上です。

 

 

長期間にわたって身柄拘束されると、実名報道されなかったとしても会社にばれてしまい解雇される可能性が高くなります。

 

 

強制わいせつで自首するメリット

1.逮捕を回避できる可能性が高まる

強制わいせつで自首した場合、悪質性がそれほど高くなければ、逮捕を回避できる余地は十分にあります。

 

 

逮捕の要件は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることです。

 

 

自首という形で自ら警察署に出頭する以上、逃亡の可能性は低いと判断されやすくなります。また、自首して自分のしたことを正直に供述することにより証拠隠滅の可能性も低いと判断されやすくなります。

 

 

2.報道を回避できる可能性が高まる

強制わいせつで自首することにより実名報道されない可能性が高まります。

 

 

刑事事件は、警察から情報提供を受けたマスコミによって報道されます。マスコミに事件の内容や被疑者の実名を発表するかどうかは警察署長の判断に委ねられます。

 

 

ただ、一般の方であれば、逮捕されない限りマスコミに実名が流されることはまずありません。

 

 

上で述べたように、自首すれば強制わいせつで逮捕されるリスクを減らすことができます。逮捕を回避できれば、有名人でない限り実名報道されることもなくなります。

 

 

3.不起訴の可能性が高まる

強制わいせつで自首しても、それだけで不起訴になるわけではありません。もっとも、自首することによって、被害者に謝罪を受け入れてもらいやすくなり、示談が成立する可能性が高まります。

 

 

強制わいせつで後日逮捕された場合、いくら被害者にお詫びしても、「反省しているんだったらなぜ自首しなかったんですか?」等と言われてしまい、謝罪を受け入れてもらうのが難しくなります。

 

 

強制わいせつは被害者の性的自由を侵害する犯罪です。そのため、示談という形で被害者から許しを得ることができれば、検察官から有利な情状として評価され、不起訴になる可能性が高くなります。不起訴になれば前科はつきません。

 

 

4.執行猶予の可能性が高まる

強制わいせつは重大犯罪ですので、起訴されれば実刑判決の可能性も十分にあります。もっとも、自首していれば、刑法の規定により、刑を減軽することができるため、執行猶予の可能性が高まります。

 

 

【刑法42条1項】

罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

 

 

5.不安から解放される

強制わいせつをしてしまった方のなかには、「いつ逮捕されるのか?」と仕事も手につかず、夜も眠れないという方が少なくありません。

 

 

「警察に尾行されているのでは?」と気になり、家に閉じこもって精神的にバランスを崩してしまう方もおられます。

 

 

自首して事件について正直にお話しし、逮捕や報道のリスクがないとわかれば、巨大な不安から解放され、精神的に楽になれます。

 

 

6.家族にバレない可能性が高まる

強制わいせつで自首することにより家族に発覚するリスクを減らせます。

 

 

自首して逮捕されなければ、日常生活に制限はないため、警察は家族に連絡して警察署まで本人を迎えに来てもらい、身元引受人になってもらいます。

刑事事件の身元引受人

 

 

もっとも、弁護士が自首に同行した場合は、弁護士が家族に代わって身元引受人になることによって、家族への連絡を回避できる可能性が高くなります。

 

 

強制わいせつで自首しても逮捕の可能性が高いケース

強制わいせつ罪は重大犯罪ですので、自首をすれば常に逮捕を回避できるわけではありません。次のような悪質な強制わいせつについては、自首をしても逮捕される可能性が高いです。

 

 

①夜間に女性を公園に引きずり込んで胸をもんだり陰部の中に指を入れた

②路上で女性に抱きついて胸をもむ行為を連続して5件行った

③見知らぬ女性を殴ってわいせつ行為をしようとしたが逃げられた

 

 

これらのケースでは自首しても逮捕される可能性が高いです。もっとも、自首をすることにより、保釈執行猶予の可能性が高まることから、自首する意味はあるといえるでしょう。

 

 

逆に、次のようなケースでは、自首すれば逮捕を阻止できる可能性は高くなります。

 

 

①夜間、酒に酔って路上で女性に一瞬抱きつき逃げた

②公園で幼児のお尻を触ってすぐに逃げた

③出会い系アプリで知り合った女性にカラオケボックスの中でキスをした

 

 

これらのケースでは、わいせつ行為をしたのが一瞬だけという点で、強制わいせつの中では相対的に悪質性が低いといえるからです。

 

 

強制わいせつで自首するデメリット

1.ヤブヘビになる可能性は低い

強制わいせつで自首するデメリットは、自首することにより捜査の対象になるということです。

 

 

とはいえ、強制わいせつをした場合、被害届が出され既に捜査が始まっている可能性が高いため、「自首したことによってはじめて捜査が始まる」という意味でのデメリットは小さいといえるでしょう。

 

 

もし自首した時点で被害者からの通報がなければ、事情を聴かれるだけでそれ以上の捜査は実施されない可能性が高いです。

 

 

2.デメリットが大きい場合は自首より示談を優先

強制わいせつの加害者が被害者の連絡先を知っている場合は、自首した時点で被害者が警察に通報していなくても、警察が被害者に連絡をすることにより刑事事件化する可能性が高いです。

 

 

「自首することによって初めて事件化する」(ヤブヘビになる)というデメリットを避けるため、被害者の連絡先がわかる場合は、自首よりも示談を先行させるべきです。

 

 

被害者が警察に通報する前に示談が成立すれば、そもそも強制わいせつで事件化することがありません。

 

 

そのため、自首することなく、上で述べた自首のメリットを全て受けることができますし、前歴がついたり、取調べを受けることもありません。

 

 

3.強制わいせつで示談を優先する場合の対応

強制わいせつの加害者が被害者の連絡先を知っている場合でも、自分で被害者に連絡することは禁物です。

 

 

被害者が不安になりかえって被害届の提出を誘発することになってしまうからです。また、すでに被害届が出されている場合は、被害者に直接コンタクトをとると、警察に警戒され、逮捕される可能性が高くなります。

 

 

そのため、示談交渉は弁護士に任せた方がよいでしょう。

 

 

強制わいせつで自首した当日の流れ

1.取調べ

強制わいせつで自首すると、まずは取調べを受けることになります。取調べで事件の内容や自首した経緯について聞かれ、自首調書を作成します。全文手書きの上申書を作成することもあります。

 

 

2.写真撮影等

顔や全身の写真を撮影します。指紋やDNAの採取は後日になることが多いです。

 

 

3.犯行再現

警察署の廊下や道場などでマネキンを使って強制わいせつの状況を再現します。

 

 

4.実況見分

取調べが終わった後に警察車両に乗って強制わいせつの現場に行き、そこで当時の状況を説明します。捜査員はみな私服で手馴れているため、人だかりができるようなことはありません。

 

 

5.身元引受

1人で出頭した場合、逮捕されなければ、警察が家族に連絡を入れ、迎えに来てもらいます。弁護士が自首に同行した場合は弁護士がその場で身元を引き受けます。

 

 

朝に出頭した場合、夕方までには上記の手続が終了することが多いです。

 

 

強制わいせつで自首した後の流れ

1.逮捕を回避できた場合

後日、警察に呼び出され再び取調べを受け、身上調書や事件調書を作成します。

 

 

身上調書とは家族構成や学歴・職歴、健康状態など被疑者のプロフィールをまとめた調書になります。事件調書とは事件に至る経緯や犯行状況などを詳しく記載した調書です。

 

 

これらの調書が作成された後に検察官に捜査資料が引き継がれます。この引継ぎを「書類送検」といいます。自首してから書類送検までおおむね2、3か月程度です。

起訴前の流れ(逮捕・勾留なし)

 

 

2.逮捕された場合

強制わいせつで逮捕されれば、翌日か翌々日に検察庁に連行され検察官の取調べを受けます。

 

 

検察官が勾留請求すると、その当日か翌日に裁判官の勾留質問を受けます。勾留されると原則10日、最長20日わたって拘束されます。

 

 

検察官は、勾留の最終日までに被疑者を釈放するか起訴するかを決めます。

起訴前の流れ(逮捕・勾留あり)

 

 

 

ウェルネスの弁護士は数多くの強制わいせつ事件で自首同行を経験しております。強制わいせつをしてしまった方がお気軽にウェルネス(03-5577-3613)へご相談ください。

 

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が作成しました。

 

 

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