不同意わいせつで自首するメリット・デメリットや自首の流れを弁護士が解説

不同意わいせつで自首

 

 

2023年(令和5年)7月13日、不同意わいせつ罪を新設した改正刑法が施行されました。この日以降に同意なくわいせつ行為をした場合、強制わいせつ罪ではなく、不同意わいせつ罪の適用が問題になります。

不同意わいせつとは?

 

 

不同意わいせつをして自首することを考えている方は、「逮捕されるのでは?」と不安な日々を過ごしているのではないでしょうか?

 

 

不同意わいせつをした場合、防犯カメラ等で特定され、後日逮捕されることが少なくありません。逮捕されるまでのタイムラグは3~6ヶ月前後になることが多いです。

 

 

不同意わいせつで自首を考えている方は、次のような疑問をお持ちのことでしょう。

 

 

☑ 不同意わいせつで自首するメリットは?

☑ 不同意わいせつで自首するデメリットは?

☑ 不同意わいせつで自首した後の流れは?

☑ 不同意わいせつの自首同行の弁護士費用は?

 

 

このページでは、自首同行を数多く経験している弁護士 楠 洋一郎が、不同意わいせつの自首について知っておきたいことを解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

不同意わいせつで自首-そもそも自首とは?

不同意わいせつで自首_そもそも自首とは?

 

自首とは、犯罪と犯人が捜査機関に発覚する前に自発的に出頭し、自分がしてしまったことを正直に話すことです。

 

 

犯罪と犯人の両方が発覚した後に警察に出頭しても自首にはなりません。不同意わいせつの被害者が警察に通報すれば、犯罪は警察に発覚したことになりますが、犯人が特定されていなければ、自首が成立します。

 

 

捜査が進むにつれて犯人が絞られていきます。不同意わいせつの犯人として特定され逮捕状が発付されていれば、その後に出頭しても逮捕されてしまいます。そのため、自首するのであれば早めに動いた方がよいでしょう。

 

 

不同意わいせつで自首するメリット

不同意わいせつで自首するメリット

 

不同意わいせつをしてしまった方のなかには、「いつ逮捕されるのか?」と不安になり、仕事が手につかず、夜も眠れないという方もいます。

 

 

警察に自首して、事件について正直に話せば、不安から解放され精神的に楽になれるでしょう。それ以外にも不同意わいせつで自首することにより以下の可能性が高まるというメリットがあります。

 

 

1.逮捕を回避する

不同意わいせつで自首した場合、悪質な不同意わいせつでなければ、逮捕を回避できる余地は十分にあります。

 

 

逮捕の要件は、逃亡や証拠隠滅のおそれがあることです。自首という形で自ら警察署に出頭すれば、逃亡の可能性は低いと判断されやすくなります。

 

 

また、自首して自分のしたことを正直に話せば、証拠隠滅の可能性も低いと判断されやすくなります。

 

 

2.報道を回避する

不同意わいせつで自首することにより、報道されない可能性が高まります。

 

 

一般の方が刑事事件を起こして実名報道される場合は、事前に警察がマスコミに情報提供しています。警察がマスコミに事件の内容や被疑者の実名を開示するか否かは、警察署長の判断に委ねられています。

 

 

とはいえ、一般の方であれば、逮捕されない限り警察がマスコミに実名を開示することはまずありません。不同意わいせつをしても、自首すれば逮捕されるリスクを小さくすることができます。逮捕されなければ、有名人でない限り報道されることもなくなります。

 

 

3.解雇を回避する

不同意わいせつ罪の最高刑は10年の拘禁刑(2025年までは懲役刑)であり、性犯罪のなかでは不同意性交等罪に次いで重い犯罪になります。

 

 

そのため、いったん不同意わいせつで逮捕されると勾留されやすいです。2021年の検察統計年報によれば、不同意わいせつの前身である強制わいせつで逮捕された人の90%以上が勾留されています。勾留が延長される確率は80%以上でした。

 

 

逮捕・勾留され長期間にわたって拘束されると、たとえ報道されなかったとしても、会社にばれてしまい解雇される可能性が高くなります。

 

 

不同意わいせつをしても、自首すれば逮捕されるリスクを小さくすることができます。逮捕されなければ、職場にばれることもなく解雇を回避することができます。

 

 

4.家族バレを回避する

不同意わいせつで自首することにより家族に発覚するリスクを減らせます。自首することにより逮捕を回避することができれば、自由に日常生活を送ることができます。

 

 

そのため、警察は、被疑者が逃亡や証拠隠滅をしないよう、家族に連絡して本人を迎えに来てもらい、身元引受人になってもらいます。

刑事事件の身元引受人

 

 

弁護士が自首に同行した場合は、弁護士が家族に代わって身元引受人になることで、家族への連絡を回避できる可能性が高くなります。

 

 

5.不起訴になる

不同意わいせつで自首しても、それだけで不起訴になるわけではありません。もっとも、自首することによって、被害者に謝罪を受け入れてもらいやすくなり、示談が成立する可能性が高まります。

 

 

不同意わいせつで後日逮捕された場合、いくら被害者にお詫びしても、「反省しているんだったらなぜ自首しなかったんですか?」等と言われてしまい、謝罪を受け入れてもらうのが難しくなります。

 

 

不同意わいせつ罪は被害者の性的自由を保護しています。そのため、示談という形で被害者から許しを得ることができれば、検察官から有利な情状として評価され、不起訴になる可能性が高くなります。不起訴になれば前科はつきません。

 

 

6.執行猶予になる

不同意わいせつは重大犯罪ですので、起訴されれば実刑判決の可能性も十分にあります。もっとも、自首していれば、刑法の規定により、刑を減軽することができるため、執行猶予の可能性が高まります。

 

 

【刑法42条1項】

罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。

 

 

不同意わいせつで自首するデメリット

不同意わいせつで自首するデメリット

 

不同意わいせつで自首するデメリットは、もともと被害届が出されておらず捜査されていなかったのに、自首することによって捜査が始まり前科がついてしまうことです。

 

 

もっとも、不同意わいせつは重大犯罪ですので、不同意わいせつをした場合、被害届が出され既に捜査が始まっている可能性は十分にあります。

 

 

もし自首した時点で被害者からの訴えがなければ、警察が被害者を特定して事件化する可能性は低いです。この場合、出頭した当日に事情を聴かれるだけで手続が終了します。

 

 

そのため、自首したことによって捜査が始まり前科がつく可能性は低いといえるでしょう。

 

 

不同意わいせつで自首すべきケース

1.逮捕の可能性が高い場合は自首すべき

不同意わいせつは重大犯罪ですので、逮捕されれば1日、2日では釈放されず、勾留される可能性が高いです。逮捕されれば実名報道のリスクもあります。

 

 

そのため、逮捕される可能性が高いのであれば、自首をして逮捕や報道の回避を目指した方がよいでしょう。

 

 

2.不同意わいせつの逮捕につながる証拠は?

不同意わいせつで逮捕_決め手になる証拠は?

 

不同意わいせつの逮捕につながる証拠として以下のような物があります。

 

 

①防犯カメラ

路上で不同意わいせつをした場合、警察は周囲の防犯カメラを解析して、犯人が写っていないか確認します。複数の防犯カメラの映像をリレー式につなぎあわせることにより、犯行前後の犯人の動きを明らかにしていきます。

 

 

カラオケボックスや飲食店等で不同意わいせつをした場合、店舗内やビル、周辺施設の防犯カメラを確認し、最寄り駅までの動線を明らかにします。

 

 

このような捜査によって不同意わいせつの犯人として特定されれば、逮捕される可能性が高くなります。

 

 

②DNA情報

不同意わいせつの現場や被害者の身体に、犯人のだ液や精液、血液、毛髪などが残されていることがあります。

 

 

鑑識係がそれらの物を回収して、科捜研でDNA鑑定をします。前科や前歴がある方は、警察のデータベースにDNA情報が保存されているため、マッチングすれば逮捕される可能性が高いです。

 

 

前科や前歴がなければ、すぐに逮捕につながるわけではありませんが、捜査員が被疑者を尾行して、被疑者が捨てたタバコの吸い殻や口にした飲料水の空き缶を回収し、科捜研でDNA鑑定を行います。

 

 

DNA情報がマッチングすれば逮捕される可能性が高くなります。

【参考ページ】強制性交等と尾行捜査

 

 

③交通系ICカード

駅近くの施設や路上で不同意わいせつをしたり、電車内で不同意わいせつ(痴漢)をした場合、交通系ICカードが決め手になって犯人として特定されることが多いです。

 

 

警察は電車内や駅構内の防犯カメラを確認して、犯人が利用した改札機を特定します。交通系ICカードをタッチして改札機を通過している場合は、警察から鉄道会社に捜査関係事項照会を行い、ICカードに紐づいている個人情報を取得します。

 

 

このようなルートで犯人として特定されれば、逮捕される可能性が高くなります。

 

 

④決済データ

カラオケボックスや飲食店で不同意わいせつをした場合、料金をクレジットカードやスマホで決済していれば、決済データから犯人として特定されます。

 

 

事件の前後に立ち寄った店で、カードやスマホで決済した場合も特定されます。決済データによって犯人として特定されれば、逮捕される可能性が高くなります。

 

 

3.弁護士に自首に同行してもらう

不同意わいせつの証拠が残っている可能性が高い場合は、自首して逮捕・報道の回避を目指した方がよいでしょう。

 

 

自首は弁護士なしでもできますが、一人で自首しようと思ってもなかなか勇気が出てこず、迷っているうちに逮捕されることもあります。また、一人で出頭した場合、逮捕を回避できても、家族に連絡がいってしまいます。

 

 

弁護士に同行してもらえば、精神的にも自首をしやすくなりますし、自首後に家族にバレる可能性も低くなります。まずは自首同行の経験豊富な弁護士に相談してみてください。

自首に弁護士が同行するメリットや同行の弁護士費用について

 

 

不同意わいせつで自首すべきでないケース

不同意わいせつで自首すべきでないケース

 

1.被害者の連絡先を知っていればヤブヘビになることも

不同意わいせつのなかには、被害者が加害者の知人であり、加害者が被害者の連絡先を知っているケースがあります。

 

 

このようなケースでは、自首した時点で被害者が通報していなかったとしても、警察が被害者の連絡先を加害者から聞いて連絡を入れることにより、事件化する可能性が高くなります。

 

 

そのため、自首することによって捜査が始まってしまう(=ヤブヘビになる)というデメリットが生じることがあります。

 

 

2.自首よりも示談を先行すべき

「自首することによって初めて事件化する」(ヤブヘビになる)というデメリットを避けるため、被害者の連絡先がわかる場合は、自首よりも示談を先行させるべきです。

 

 

被害者が警察に通報する前に、「被害届を出さない」という内容の示談をまとめることができれば、不同意わいせつで事件化することはありません。

 

 

そのため、自首しなくても、上で述べた自首のメリットを全て受けられますし、前歴がついたり、取調べを受けることもありません。

 

 

自首より示談を先行させるべきケースとして、被害者が知人である場合や風俗嬢に不同意わいせつをしたケースが考えられます。

自首せずに逮捕を防ぐベストな方法を弁護士が解説

 

 

3.被害者の連絡先がわかれば自首より示談を優先

不同意わいせつの加害者が被害者の連絡先を知っている場合、自首よりも示談を優先すべきですが、自分で被害者に連絡することは禁物です。

 

 

加害者が自分で連絡することにより被害者をこわがらせてしまい、かえって事件化する可能性が高まってしまうからです。

 

 

すでに被害届が出されている場合は、加害者が被害者に直接コンタクトをとると、警察に警戒され、逮捕される可能性が高くなります。そのため、示談交渉は弁護士に任せた方がよいでしょう。

示談の相談は弁護士へ

 

 

不同意わいせつで自首して逮捕を回避できる可能性が高いケース

次のようなケースでは、自首すれば逮捕を回避できる可能性が高いです。

 

 

①夜間、酒に酔って路上で女性に一瞬抱きついて逃げた

②公園で幼児のお尻を触ってすぐに逃げた

③出会い系アプリで知り合った女性にカラオケボックスの中でキスをした

 

 

これらのケースでは、わいせつ行為をしたのが一瞬だけという点で、不同意わいせつの中では悪質性が低く、自首すれば逮捕を回避できる可能性が高いです。

 

 

不同意わいせつで自首した当日の流れ

不同意わいせつで自首した当日の流れ

 

1.取調べ

不同意わいせつで自首すると、まずは取調べを受けることになります。取調べで事件の内容や自首した経緯について聞かれ、自首調書を作成します。「私がしたこと」というタイトルで、手書きの上申書を作成することもあります。

 

 

2.写真撮影

顔や全身の写真を撮影します。指紋やDNAの採取は後日になることが多いです。

 

 

3.犯行再現

警察署の廊下や道場などでマネキンを使って不同意わいせつの状況を再現します。

 

 

4.実況見分

取調べが終わった後に警察車両に乗って不同意わいせつの現場に行き、そこで当時の状況を説明します。捜査員はみな私服で手馴れているため、人だかりができるようなことはありません。

 

 

5.身元引受

1人で出頭した場合、逮捕されなければ、警察が家族に連絡を入れ、身元引受人として迎えに来てもらいます。弁護士が自首に同行した場合は弁護士がその場で身元を引き受けます。

 

 

朝に出頭した場合、夕方までには上記の手続が終了することが多いです。

 

 

不同意わいせつで自首した後の流れ

不同意わいせつで自首した後の流れ

 

1.逮捕を回避できた場合

後日、警察に呼び出されて再び取調べを受け、身上調書や事件調書を作成します。

 

 

身上調書とは家族構成や学歴・職歴、健康状態など被疑者のプロフィールをまとめた調書です。事件調書とは事件に至る経緯や犯行状況などを詳しく記載した調書です。

 

 

これらの調書が作成された後に検察官に捜査資料が引き継がれます。この引継ぎを「書類送検」といいます。自首してから書類送検まで2、3か月程度です。

起訴前の流れ(逮捕・勾留なし)

 

 

2.逮捕された場合

不同意わいせつで逮捕されれば、翌日か翌々日に検察庁に連行され検察官の取調べを受けます。

 

 

検察官が勾留請求すると、その当日か翌日に裁判官の勾留質問を受けます。勾留されると原則10日、最長20日わたって拘束されます。

 

 

検察官は、勾留の最終日までに被疑者を釈放するか起訴するかを決めます。

起訴前の流れ(逮捕・勾留あり)

 

 

不同意わいせつの自首同行の弁護士費用

不同意わいせつの自首同行の弁護士費用

 

ウェルネスの弁護士が不同意わいせつの自首に同行する費用は22万円(税込)です。

 

 

自首して逮捕や報道を回避できた場合は、別途、報酬金を請求する事務所もあるようですが、ウェルネスではそのような報酬金は一切請求しておりません。

 

 

自首した後に逮捕されずに不起訴になった場合、自首同行も含めた弁護士費用の合計は55万円(税込)になります。内訳は以下のとおりです。

 

 

自首同行の着手金22万円
自首同行の報酬金無料
刑事弁護の着手金11万円
不起訴の報酬金22万円

 

 

自首した後に逮捕され不起訴になった場合、自首同行も含めた弁護士費用の合計は66万円(税込)になります。内訳は以下のとおりです。

 

 

自首同行の着手金22万円
刑事弁護の着手金22万円
釈放の報酬金22万円
接見日当無料
不起訴の報酬金無料

 

 

ウェルネスの弁護士は数多くの刑事事件で自首同行を経験しております。不同意わいせつをしてしまった方はお気軽にウェルネス(03-5577-3613)へご相談ください。

 

 

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