不同意わいせつのご質問

不同意わいせつのご質問

 

このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が作成しました。

 

 

Q1-1:昨日、息子が不同意わいせつの容疑で逮捕されました。警察の話では、公園で見知らぬ女性に抱きつき、胸をもんだとのことです。私も家族もこれまで刑事事件に巻き込まれたことがなく動揺しています。まず何をすればよいのでしょうか?

弁護士が本人と接見すべきです。

 

 

Q1-2:弁護士が接見して何をするのですか?

①:ご本人が容疑を認めているか否認しているかを確認します。

②:ご本人の見解をふまえて今後の見通しを説明し、取調べにどう対応するかをアドバイスします。

③:職場へどのように報告するかを打ち合わせたり、ご家族の言葉を伝えて精神的にサポートします。

 

 

Q1-3:もし本人が不同意わいせつの容疑を認めている場合は、何を目標に活動するのですか?

不起訴処分及び早期の釈放を目標に活動します。

 

 

Q1-4:不起訴処分とは何ですか?

刑事裁判にしないということです。裁判にならない以上、有罪判決が下されることはなく、前科もつきません。

 

 

Q1-5:起訴するか不起訴にするかは誰が決めるのですか?

検察官が決めます。

 

 

Q1-6:不起訴処分を得るために何をすればよいのでしょうか?

被害者と示談して示談書を検察官に提出します。

 

 

Q1-7:示談をすれば100パーセント不起訴になるのでしょうか?

不同意わいせつ罪は親告罪ではありませんので、告訴がなくても起訴することができます。そのため、示談をすれば100パーセント不起訴になるとはいえません。ただ、初犯の方であれば、示談をすれば不起訴になる可能性が高いです。

 

 

Q1-8:不起訴処分になれば釈放されますか?

はい。釈放されます。示談が成立した場合は、まず処分保留で釈放され、その後に不起訴になることが多いです。

 

 

Q1-9:起訴された後に示談をした場合、さかのぼって不起訴になるのでしょうか?

起訴後に示談をしても、さかのぼって不起訴にはなりません。そのため、不起訴処分を得るためには、起訴前に示談をする必要があります。

 

 

Q1-10:何日以内に起訴しないといけないという決まりはありますか?

検察官は勾留期間内に被疑者を起訴しなければなりません。勾留期間は原則10日、延長されれば最長20日です。不起訴になるためには、この期間内に被害者と示談をする必要があります。

 

 

Q1-11:弁護士が示談に向けて動いている間、本人は何かすることがあるのでしょうか?

捜査機関の取調べを受けることになります。対応方法については弁護士がアドバイスします。また、被害者へお渡しする謝罪文を書いたり、性犯罪被害者の本を読む等して内省を深めてもらいます。

 

 

Q1-12:家族は本人と面会することができますか?

逮捕されている間は、通常、家族であっても面会することはできません。勾留された場合は、接見禁止処分が付かない限り面会することができます。ただし、弁護士と異なり面会時間等の制約はあります。

留置場での面会ガイド

 

 

Q1-13:本人が不同意わいせつを認めている場合、ウェルネス法律事務所に依頼すれば弁護士費用はどれぐらいかかりますか?

不起訴処分で終われば総額55万円です。起訴されれば総額77万円か99万円になります(消費税・実費込み)。

弁護士費用(逮捕・勾留されている自白事件)

 

Q1-14:本人が不同意わいせつを否認している場合は、どのような弁護活動をしますか?

刑事裁判では、検察官は、主として本人の自白調書に基づき有罪を立証しようとします。そのため、捜査機関に自白調書をとらせないようにすることが重要です。詳しくは以下のページをご覧ください。

否認事件の刑事弁護

 

 

Q2:不同意わいせつ罪の時効は何年ですか?

12年です。不同意わいせつをしてけがをさせた場合(不同意わいせつ致傷罪)は20年、死亡させた場合(不同意わいせつ致死罪)は30年です(刑事訴訟法250条)。

 

 

不同意わいせつの被害を受けた時点で18歳未満の方は、上記の時効期間に「18歳になるまでの期間」が加算されます。

 

 

Q3:30年前に親戚の女の子(当時10歳)にわいせつ行為をしてしまいました。強制わわいせつ罪の時効期間(7年)は過ぎているので、ペナルティは何もないと考えてよいでしょうか?

公訴時効が過ぎていますので、強制わいせつ罪で逮捕されたり起訴されることはありません。ただ、民事で損害賠償を請求される可能性はあります。

 

 

民法では、強制わいせつなどの不法行為に基づく損害賠償請求権は、不法行為の時点から20年経過すると消滅するとされています(民法724条)。この20年の期間を「除斥期間」といいます。

 

 

強制わいせつ等の性的虐待があった場合の除斥期間について、注目すべき判決があります(札幌高裁平成26年9月25日、最高裁で確定済み)。

 

 

約30年前に叔父から性的虐待を受けていた女性が、叔父に対し損害賠償を請求したという事案で、裁判所は、性的虐待によって精神疾患を発症した場合、除斥期間の起算点は、虐待行為時ではなく、精神疾患の発症時(この事件では虐待行為の約23年後)と判断し、男性に約3000万円の損害賠償を命じました。

 

 

民法改正により20年の除斥期間は時効に改められましたが、この判決を前提とすると、刑事では時効になっている不同意わいせつであっても、長期間たってから、その行為を原因としてうつ病、PTSD等の精神疾患を発症した場合、民事で損害賠償請求される可能性があります。

 

 

 

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