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業務上横領した会社が倒産したらどうなるか?

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

【業務上横領】会社の倒産と刑事責任

業務上横領をしていた会社と示談交渉をしている間に、その会社が倒産した場合はどうなるのでしょうか?

 

会社が倒産すると裁判所に破産を申し立てることが多いです。破産をすると清算後に会社は消滅することになります。業務上横領の被害者である会社そのものが消滅してしまう以上、刑事責任を追及されることはなくなります。したがって、会社が消滅した後に、逮捕されたり、起訴されたりすることはありません。

 

破産手続中に破産管財人が告発する可能性もありますが、業務上横領の告発だけでも膨大な調査が必要であり、警察の捜査も長期間かかりますので、実際に告発したという話は聞いたことがありません。

 

【業務上横領】会社の倒産と民事責任

破産手続が始まると、裁判所に選任された破産管財人が、会社に代わって、残された会社の財産を管理します。破産管財人は、会社の財産を現金化し会社の債権者に配当しなければいけません。

 

横領した従業員に対して会社が有する損害賠償請求権も「会社の財産」になります。そのため、破産管財人は、会社に代わって、横領した従業員に対して損害賠償請求をして現金を回収しようとします。

 

もっとも、数千万円以上のお金を横領していた場合、一括で返すことは困難です。この場合は、どのような流れになるのでしょうか?

 

まず会社が倒産していなかった場合を考えてみます。この場合は、示談の当事者は会社と従業員です。数千万円以上の金額を横領したケースでは、会社と従業員との間で示談が成立するとしても、示談金は10年以上の分割払いになることが多いです。

 

これに対して、会社が倒産して破産を申し立てた場合は、示談の当事者は、破産管財人と従業員になります。破産管財人は速やかに損害賠償債権を現金化する必要があることから、示談金は一括払いが原則です。長期の分割払いになることはありません。

 

中小企業であれば破産手続は長くても1年前後であり、破産管財人が何年にもわたって示談金を受けとり続けるために、破産手続を延長することはありません。

 

一括払いと聞くと、「支払えない」と思われるでしょうが、金額については大幅に減額してもらえることが多いです。ウェルネスの弁護士は、会社が倒産した業務上横領のケースを複数あつかってきましたが、弁護士が破産管財人と交渉することにより、9割以上減額してもらったこともあります。

 

もし、示談の話がまとまらなければ、破産管財人が損害賠償請求権をサービサーに売却することにより現金化します。売却後の支払いについてはサービサーと交渉することになります。

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