飲食店の業務上横領について弁護士が解説

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「飲食店の店長をしていたが横領がばれて解雇された」

「店のオーナーから警察に告訴すると言われている」

「横領した金額よりずっと多い金額を返せと言われている」

 

 

このような方々のために、業務上横領の弁護を数多く担当してきた弁護士 楠 洋一郎飲食店での業務上横領について解説しました。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

 

 

飲食店での着服は業務上横領になる?

飲食店の金銭トラブルで多いのは、店長がレジ金を着服するケースです。

 

 

手口としては、団体客から飲食料金を受けとった後に、そのうち何名かをキャンセル処理して差額を着服することが多いです。

 

 

例えば、10名分の料金をもらった後に3名についてキャンセル処理して、3名分の料金を着服するといった手口です。客が注文した料理の一部のみキャンセルされたようにレジを操作して着服することもあります。

 

 

飲食店の店長はレジを管理しており、レジ金に対する占有が認められますので、「業務上自己の占有する他人の物」を着服したことになり、業務上横領罪が成立します。

業務上横領の占有とは

 

 

【刑法253条】

業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

 

 

なお、管理者や責任者ではないアルバイトがレジ金をとった場合、そのようなアルバイトは、通常「占有補助者」にすぎず、レジ金に対する占有は認められません。

 

 

この場合、店長のレジ金に対する占有を侵害したことになり、窃盗罪が成立します。

 

 

【刑法235条】

業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の懲役に処する。

 

 

飲食店の横領で示談交渉するときのポイント

1.示談交渉する際の注意点

レジ金の業務上横領は、店長によって長期間行われた後に、経営者にキャンセルが多いことを不審に思われ発覚することが多いです。

 

 

このようなケースで従業員が店と示談交渉する際の注意点は、「店が主張する被害金額と実際の着服金額が必ずしもイコールではない。」ということです。

 

 

横領が発覚すると、店側がキャンセル処理された料金の合計を着服金額として計上し、損害賠償を求めてくることが多いですが、これには問題があります。

 

 

レジ金の着服は客のキャンセルを偽装することによって行われることが多いですが、キャンセル処理した注文のなかには、客が本当にキャンセルしたものも含まれているからです。

 

 

レジ金の着服は長期間に渡って行われることが多いため、発覚後に、どの部分が偽装キャンセルでどの部分が真正キャンセルなのかを正確に見分けることはできません。

 

 

2.着服金額の計算方法

着服金額を算定する方法としては、横領した従業員がシフトに入っていない日の1日あたりの平均キャンセル額を調査してもらい、「横領した従業員がシフトに入った日のキャンセル額-1日当たりの平均キャンセル額=1日当たりの着服額」とすることが考えられます。

 

 

横領した本人が店とこのような交渉をすることは難しいため、弁護士を通じて示談交渉した方がよいでしょう。

 

 

飲食店でレジ金を横領したら逮捕される?

飲食店での横領は、店長によって長期間にわたり行われることが多く、なかには着服金額が数百万円になるケースもあります。

 

 

数百万円のお金を横領すれば、通常のケースであれば逮捕されることが多いですが、キャンセルを装って横領したケースでは、前述したように、偽装キャンセルと真正キャンセルを区別することが困難であり、「どの部分が横領でどの部分が横領でないか」を特定できないことが多いです。

 

 

このようなケースでは、警察は、業務上横領であることが明らかな直近の1・2回分の着服についてしか被害届を受理しないことが多いです。そのため、通常の業務上横領に比べると逮捕される確率は低くなります。

 

飲食店でレジ金を横領したら実刑になる?

被害届が受理され刑事事件として立件されても、店側と示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高いです。

 

 

もし示談が成立しなくても、店側に供託をすれば、不起訴になる余地は十分にあります。

刑事事件と供託

 

 

もし起訴された場合でも、「どの部分が横領でどの部分が横領でないか」の特定が難しいケースでは、通常は直近1・2回の着服しか起訴されません。

 

 

その他の横領は「余罪」として扱われます。起訴された横領より余罪の方が何十倍も高額になることが多いですが、余罪を重視して実刑判決になる可能性は低いです。

 

 

最高裁判所の判例で「余罪を実質的に処罰する趣旨で量刑の資料として考慮することは許されない」とされているからです(最高裁昭和41年7月13日大法廷判決)。

 

 

そのため、たとえ多額の余罪があったとしても、執行猶予中などの事情がない限り、実刑にはならず執行猶予になる可能性が高いでしょう。

執行猶予をとるための2つのステップ

 

 

ウェルネスの弁護士は、飲食店での横領事件を数多く解決してきました。

お困りの方はウェルネス(03-5577-3613)へご相談ください。

 

 

 

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