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脅迫されオレオレ詐欺の受け子をしたが執行猶予になった事例
事案の概要
ご本人(20代男性・無職)がお金に困ってTwitterで高収入バイトを探していたところ、詐欺グループのリクルーターとつながりました。ご本人はリクルーターから言われた通り、テレグラムをダウンロードし、運転免許証の画像を送信しました。
ご本人は、リクルーターの話を聞いているうちに、「詐欺じゃないのか?」と思い、やめたいと言いました。
すると、リクルーターはご本人の家族の名前や実家の住所まで調べており、「今からお前の家に行くぞ」、「家族がどうなってもいいんだな?」等と言ってご本人を脅迫しました。実際に詐欺グループの男性がご本人の自宅に押しかけてきました。
ご本人は自宅の電気を消して居留守を使っていましたが、「何をされるかわからない。」と怖くなり、無報酬で受け子の仕事を引き受けてしまいました。
その後、様々な場所に受け子として派遣され、多くの被害者からお金をだましとりましたが、最後はだまされたふり作戦によって、詐欺未遂で現行犯逮捕されました。その後、余罪についても捜査され、再逮捕・追起訴が続きました。
詐欺グループでの役割 | 受け子 |
被害者の数 | 6名 |
被害金額 | 約700万円 |
弁護活動
弁護士が全ての被害者との間で示談をまとめました。
取調べの際、ご本人から取調官に対して、脅迫されていた状況について話してもらい、供述調書にしてもらいました。
ご本人の自宅まで押しかけてきた詐欺グループのメンバーが、テレビ付きドアホンに録画されていたことから、ドアホンごと警察署に任意提出し、不審な男性が写っている画面をプリントアウトした紙を供述調書に添付してもらいました。
その後、弁護士が検察官から上記の供述調書を取り寄せ、ご本人が脅迫を受けていたことを立証するための証拠として裁判所に提出しました。
また、ご本人の親族の知人が建設会社を経営していましたが、社会復帰後にご本人を雇ってくれることになり、情状証人として出廷し、雇用して監督することを裁判官に話してもらいました。
こうした活動の結果、検察官の求刑は懲役3年6月でしたが、懲役3年・執行猶予4年の判決となりました。
弁護士のコメント
Twitterで詐欺グループのリクルーターと接点ができると、まず運転免許証の画像を送信するように指示されます。後に詐欺であることに気づいてやめたいと言っても、今回のケースのように脅迫されて、やむをえず受け子をしてしまうケースが後をたちません。
「お前がしくじったせいで回収した金を持ち逃げされた。しばらく報酬なしで働け。」等と言われて、やめさせてもらえないこともあります。
このような事情がある場合は、被告人質問で脅迫を受けた状況を話してもらったり、弁護士が裁判所に証拠を提出することにより、減刑が期待できます。
ただ、脅迫を受けて詐欺を始めたという事情だけでは、執行猶予を獲得するのは難しいでしょう。可能であれば全ての被害者との間で示談をまとめたいものです。
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