オレオレ詐欺で受け子が逮捕-妻や彼女も逮捕される?

受け子の妻や彼女も逮捕されるかについて解説

 

このページは弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

 

 

 

【オレオレ詐欺】受け子の妻や彼女が事情を知っているケース

本人が特殊詐欺の受け子をしていることを、妻や彼女が知っているケースがあります。本人が「逮捕されるかもしれない」という不安に耐えきれず、妻や彼女に事情を打ち明けることがあります。

 

 

オレオレ詐欺の受け子は、詐欺グループからいろいろな場所に派遣されます。浮気防止のため妻や彼女にGPSで行動を監視されているため、浮気だと思われないように、「受け子をしているので移動が多い。」等と打ち明ける人もいます。

 

 

受け子をしていることを知った妻や彼女が「そんなことはやめて!」と本人に言っても、「大丈夫」、「捕まらない」等と言われて、徐々に感覚がマヒしてしまうケースもあります。

 

 

なかには、SNSで本人に「いってらっしゃい。」、「捕まらないように頑張ってね。」等とメッセージを発信している場合もあります。詐欺の報酬だとわかっていながら本人からお金もらってしまう場合もあります。

 

 

【オレオレ詐欺】受け子の妻や彼女の行為が犯罪になるケース

本人が受け子をしていることを妻や彼女が知っているだけでは、何の犯罪にもなりません。

 

 

もっとも、妻や彼女が本人に「頑張って行ってきてね。」、「逮捕されないように祈ってるよ。」等と励ましの言葉をかけている場合、詐欺のほう助罪になることがあります。

 

 

ほう助とは、犯罪を実行する者を手助けして、結果発生の危険性を高めることです。窃盗犯が被害者の家に侵入したときに、誰かが来ないよう家の前で見張りをすることが典型的なほう助です。

 

見張りのように物理的に犯罪を手助けする場合だけではなく、「頑張れよ。」等と言って、精神的に励ますだけでもほう助になります。

 

 

そのため、事情を知って受け子を励ますことは詐欺のほう助に該当する場合があります。

 

 

【オレオレ詐欺】受け子の妻や彼女が逮捕されるケース

妻や彼女が事情を知って、「警察につかまらないように頑張ってね。」等と本人を励ました場合は、詐欺のほう助になり得ますが、それだけで逮捕されることないでしょう。励ましの言葉がSNSに残っている場合であっても、逮捕される可能性は非常に低いです。

 

 

もっとも、単に言葉で励ますだけではなく、本人と一緒に被害者の自宅に出向いたり、本人が受け子をしている間に近くの駅で待機していた場合には詐欺ほう助罪で逮捕されるおそれがあります。

 

 

また、事情を知った上で、受け子が詐欺グループとの連絡用に使っていたスマートフォンや犯行時に着用していた衣類を廃棄すると、証拠隠滅罪で逮捕されるおそれがあります。

 

 

【証拠隠滅罪】

他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する。

 

 

本人の私物を廃棄するときは、証拠隠滅の疑いをかけられないよう、弁護士に捨ててもよいか事前に確認するようにしてください。

 

 

【オレオレ詐欺】受け子の妻や彼女は取調べにどう対応する?

受け子をしていた本人が逮捕・勾留された場合、妻や彼女が取調べを受けることがあります。上で述べた逮捕されるケースにあたらない限り、妻や彼女は「被疑者」ではなく「参考人」として取り調べられます。

 

 

警察は受け子から携帯電話を押収しているはずですので、「頑張ってね。」等とSNSで受け子にメッセージを送信している場合は、すでに警察に読まれている可能性が高いです。そのため、スマートフォンに残っているやりとりについては正直に供述した方がよいでしょう。

 

 

ただ、受け子本人が事件について黙秘している場合に、妻や彼女が、「あの日は〇〇に行って、〇万円もらったと言っていました。」等と言ってしまうと、本人が黙秘していた意味がなくなってしまいます。

 

 

参考人の取調べの際には黙秘権は告知されませんが、参考人であっても黙秘権は認められるため、本人が黙秘しているのであれば、少なくとも事件に関連することについては、妻や彼女も黙秘することになるでしょう。詳細は刑事事件の経験豊富な弁護士にご相談ください。

 

 

【オレオレ詐欺】受け子の妻や彼女が事情を知っている時のデメリット

妻や彼女が、本人が受け子をしていることを知っていて、「逮捕されないように頑張ってね。」等とSNSで「励まし」や「容認」のメッセージを送っている場合は、次の3つのデメリットがあります。

 

 

1.本人との面会が許可されにくくなる

特殊詐欺で逮捕・勾留された場合は接見禁止になるため、弁護士以外の方は、本人と面会できません。家族や恋人については、接見禁止の一部解除により、面会が認められることもありますが、妻や恋人が受け子に励ましや容認のメッセージを送っていると、一部解除が許可されにくくなります。

接見禁止一部解除で家族や恋人と会う方法

 

 

2.保釈の身元引受人に向かない

妻や彼女が受け子に励ましや容認のメッセージを送っていると、妻や彼女を身元引受人として保釈を申請しても却下される可能性が高くなります。身元引受人には事情を知らない人になってもらいましょう。

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3.情状証人になると検察官から厳しく追及される

妻や彼女が受け子に励ましや容認のメッセージを送っていると、情状証人として出廷した時に、検察官から、「あなたは被告人が受け子であると知って励ましていましたね?」等と反対尋問で厳しく追及されます。

 

 

裁判官にも「被告人をきちんと監督できるの?」と疑問をもたれてしまうので、情状証人は他の人になってもらいましょう。

情状証人とは?尋問の流れや本番で役に立つ4つのポイントを紹介

 

 

妻や彼女が本人に対して「すぐに自首して。」とか「お願いだからやめて。」と犯罪を容認しないメッセージを送っている場合は、このようなデメリットはないでしょう。

 

 

 

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