【弁護士が解説】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

【弁護士が解説】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

 

東京、埼玉、千葉、神奈川の迷惑防止条例がどのような場所での盗撮を規制しているかについて、弁護士 楠 洋一郎がまとめました。

 

 

【東京】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

東京都の迷惑防止条例は、次の場所で盗撮をしてはならないと定めています。

 

①住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいるような場所

②公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定多数の者が利用し、または出入りする場所又は乗物

 

 

【埼玉】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

埼玉県の迷惑防止条例は、以前は、公共の場所と公共の乗物での盗撮のみ禁止していました。

 

 

その後、盗撮被害の拡大をふまえて迷惑防止条例が改正され、2021年4月から、次の3つの場所での盗撮が禁止されるようになりました。

 

 

①公共の場所と公共の乗物(従来と同じ)

住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服等の全部または一部を着けない状態でいるような場所

③学校、事務所、タクシーその他不特定または多数の者が利用し、または出入りする場所または乗り物

 

 

 

【千葉】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

千葉県の迷惑防止条例は、以前は、公共の場所と公共の乗物での盗撮のみ規制していました。

 

 

その後、盗撮被害の実態をふまえて迷惑防止条例が改正され、2020年7月からは、次の3種類の場所について盗撮が規制されるようになりました。

 

 

①公共の場所と公共の乗物(従来と同じ)

②人が通常衣服の全部または一部を着けない状態でいる場所及び住居

③不特定もしくは多数の者が利用し、もしくは出入りすることができる場所または乗物

 

 

【神奈川】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

神奈川県の迷惑防止条例は次の場所での盗撮を禁止していました。

 

①公共の場所、公共の乗物

②住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部もしくは一部を着けないでいるような場所

 

その後、盗撮被害の拡大に伴い条例が改正され、2020年11月から、新たに次の場所での盗撮も禁止されるようになりました。

 

 

③集会場、事務所、学校その他の不特定もしくは多数の者が利用する場所

④貸切バス、タクシーその他の不特定もしくは多数の者が利用する場所

 

 

 

【まとめ】迷惑防止条例で規制される盗撮の場所

盗撮場所についての迷惑防止条例の規制をまとめると下表のようになります。

 

 

①:公共の場所、公共の乗物

②:衣服の全部または一部を着けないでいるような場所

③:①でも②でもないが不特定または多数の人が出入りする場所

具体例

駅、公園、デパート、公衆便所、公衆浴場、電車

住居、便所、浴場、更衣室、ホテルの客室

学校の教室、会社のオフィス、タクシー

東京

埼玉

×→〇

×→〇

千葉

神奈川

×→〇

 

 

住居、更衣室、トイレでの盗撮

住居、更衣室、トイレのような「衣服の全部または一部を着けないでいるような場所」にいる人を盗撮することは、2021年4月以降は、一都三県全ての迷惑防止条例で規制されています。

 

 

会社や学校での盗撮

会社の執務スペースや学校の教室など「公共の場所」ではなく、「衣服の全部または一部を着けないでいるような場所」でもないが、「不特定または多数の人が出入りする場所」での盗撮については、以前は迷惑防止条例で規制されていませんでした。

 

 

これらの場所での盗撮は軽犯罪法でも規制されていないため、建造物侵入にあたる場合を除いて処罰することができませんでした。

 

 

その後、被害の実態にあわせて各自治体の条例が改正され、現在では、上記の場所での盗撮は一都三県全てで禁止されています。

 

 

【全国】盗撮場所についての迷惑防止条例の動向

スマートフォンの普及やカメラの小型化・高性能化に伴い、公共の場所や乗り物以外の様々な場所で盗撮事件が増えています。このような実態をふまえて、日本全国の自治体で、迷惑防止条例を改正して、規制対象となる盗撮の場所を拡大する動きがあります。

 

 

近いうちに日本全国全ての自治体で、住居や更衣室、トイレ、会社、学校等での盗撮が迷惑防止条例によって規制されることになるでしょう。

 

 

なお、お住まいの地域の迷惑防止条例でこれらの盗撮が規制されていなかったとしても、何らペナルティがないというわけではありません。

 

 

住居やトイレなど「衣服の全部または一部を着けないでいるような場所」での盗撮は、軽犯罪法で規制されていますので、軽犯罪法違反として処罰されることになります。

 

 

【軽犯罪法1条23号の対象となる者】

正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

 

【軽犯罪法違反の刑罰】

1か月未満の身柄拘束(拘留)または1万円未満の科料

 

会社オフィスでの盗撮が発覚した場合は、刑事事件にならなかったとしても、社内で懲戒処分が下される可能性が高いです。学校の教室での盗撮も退学などの学内処分が下される可能性が十分にあります。

 

 

民事上も不法行為(民法709条)になりますので、被害者に対して損害賠償責任を負うことになります。

 

 

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