盗撮

盗撮事件の基礎知識

(1)盗撮の類型

駅など公共の場所(誰もが自由に立ち入ることができる場所)で盗撮をした場合、各都道府県の迷惑防止条例違反(東京都では1年以下の懲役または100万円以下の罰金)になります。

 

住居などの私的な場所で盗撮をした場合は、①迷惑防止条例違反となるケースと②軽犯罪法違反拘留または科料)となるケースがあります。①と②のいずれになるかは、各都道府県の条例によって異なります。

 

例えば、東京都、埼玉県、千葉県の迷惑防止条例は、住居などの私的な場所での盗撮を規制していません。したがって、私的な場所で盗撮をした場合は、対象が18歳未満の児童である場合を除き(後述)、軽い軽犯罪法違反が成立します。これに対して、神奈川県では、住居などの私的な場所での盗撮行為も規制していますので、重い迷惑防止条例違反(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)となります。

 

いずれの地域においても、盗撮目的で住居に侵入した場合は住居侵入罪(3年以下の懲役または10万円以下の罰金)が成立します。公共の場所であるか否かを問わず、18歳未満の児童を盗撮した場合は、児童ポルノ法違反(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)が成立する可能性があります。

 

(2)盗撮の刑罰

① 公共の場所での盗撮

 

都道府県

通常の場合

常習の場合

迷惑防止条例違反

東京都

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

2年以下の懲役または100万円以下の罰金

埼玉県

 

6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金

 

 

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

 

千葉県

神奈川県

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

2年以下の懲役または100万円以下の罰金

 

② 私的な場所での盗撮

地域

犯罪名

刑罰

東京都

軽犯罪法違反

拘留(1日~30日未満の身柄拘束)または科料(1000円~1万円未満)

埼玉県

千葉県

神奈川県

迷惑防止条例違反

常習性なし

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

常習性あり

2年以下の懲役または100万円以下の罰金

別途、住居侵入罪(年以下の懲役または10万円以下の罰金)が成立する可能性があります。

 

③ 児童の裸体等を盗撮した場合

児童ポルノ法違反

3年以下の懲役または300万円以下の罰金

 

 

 

(3)盗撮事件の流れ

初犯者の場合、被害者との間で示談が成立すれば、極めて高い確率で不起訴処分となります(起訴されないので前科はつきません)。示談が成立しない場合は、略式請求され罰金となる可能性が高いです。前科(特に性犯罪の前科)がある場合は、公判請求される可能性が高いですが、以前に公判請求されたことがなければ、ほとんどのケースで執行猶予が付きます。執行猶予期間中であったり複数の前科があると、実刑判決の可能性が高くなります。

 

【盗撮のページ】

盗撮の解決事例

盗撮のご質問

盗撮の弁護士費用

  

盗撮事件の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

検察官は、盗撮事件の被疑者を起訴するか否か決めるに当たり、示談の成否を非常に重視しています。そのため、被害者との間で示談が成立すれば、不起訴になる可能性が高まります。示談を締結する前に起訴されたとしても、その後に示談が成立すれば、執行猶予になる可能性が高まります。裁判官も刑罰の重さを判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。

 

盗撮事件の被害者は加害者に対して拒否感を持っていますので、交渉全般を通じて、被害者の気持ちに細やかに配慮した姿勢が求められます。

示談の基礎知識

 

 

(2)専門家の援助を受ける

盗撮の常習者のなかには、盗撮から足を洗いたいという強い気持ちをもちながら、自分自身をコントロールできず、盗撮を繰り返してしまう人が少なからずいます。そのような方に対しては、専門家の助けが必要です。クリニックに通ったりカウンセリングを受けたりすることによって、盗撮に走ってしまう傾向を根本から改善する必要があります。

 

公判請求されたら…

通院の証拠として、受診証明書、カルテ等を裁判所に提出します。

 

  

(3)反省を促す

性犯罪被害者の本を読んだり、性依存症の方を対象とした自助グループに参加する等して内省を深めてもらいます。

 

公判請求されたら…

本人作成の反省文を証拠として提出します。また、裁判官の前で現在の心境を直接語ってもらいます。

 

 

(4)被害者の住居に近づかない

住居に侵入して盗撮を行った場合、被害者は加害者に対して強い恐怖感・嫌悪感を持っています。そのような被害者の心情に配慮し、加害者としては、今後、被害者の住居周辺に近づかないようにすべきです。示談書に、「今後、被害者の住居及びその周辺〇キロメートルに立ち入らない」等と明記する場合もあります。

 

公判請求されたら…

被害者の住居に近づかないことを明記した示談書や本人作成の誓約書を証拠として提出します。

 

 

(5)転居費用を負担する

住居に侵入して盗撮を行った場合、被害者は加害者に対して強い恐怖感・嫌悪感を持っています。事件をきっかけとして被害者が転居を希望する場合は、可能であれば転居費用を負担することも検討する必要があるでしょう。

 

公判請求されたら…

転居費用についての領収証を証拠として提出します。

 

 

(6)その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います⇒詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体などへ寄付をします。公判請求された場合は、寄付したことの証明書を証拠として提出します。

 

③ ご家族に協力してもらう

ご家族に本人を監督するよう約束してもらいます。公判請求された場合は、本人を監督する旨の誓約書を証拠として提出します。また、情状証人として、裁判官の前で、本人の更生をどのようにサポートしていくのかを語ってもらいます。

 

 

 

盗撮事件の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)捜査機関に自白調書をとらせない

盗撮事件において、押収された被疑者の携帯電話、パソコン等から盗撮画像が出てこなければ、被疑者と目撃者の供述以外に目ぼしい証拠はないということになります。

 

そのため、「被疑者の言っていることが信用できるか否か」が大きな争点になります。例えば、被疑者が本当は無実であるにもかかわらず、取調べの際、捜査機関の圧力に屈してしまい「盗撮しました」と心ならずも自白してしまったとします。

 

その場合、後の刑事裁判において、「盗撮なんてしていません」と言ったとしても、検察官から「取調べのときは自白してましたよね?」と突っ込まれ、裁判官にも信用性を疑われることになります。

 

捜査機関は否認を続ける被疑者に対して、あの手この手を使って自白するよう働きかけます。不起訴処分や無罪判決を目指すのであれば、このような働きかけに屈しないことが重要になります。弁護士がご本人と頻繁に接見し、捜査機関のプレッシャーに屈しないよう継続的にバックアップしていきます。

 

 

(2)目撃者の供述の信用性を争う

押収された本人の携帯電話、パソコン等から盗撮画像が出てこなければ、「目撃者の言っていることが信用できるか否か」も大きな争点になります。

 

人間の記憶は時の経過とともに衰えていくものですが、取調べが進むにしたがって目撃者の供述がより詳しくなっていくということがあります。また、異なる時点で作成された複数の供述調書の間で、同一の場面についての供述内容が不自然に変化していることもあります。

 

これらは取調官による誘導や目撃者の迎合的態度を強く示唆するものです。弁護士が目撃者の供述調書を検討したり反対尋問を行うことによって、これらの不合理な変遷を炙り出します。

 

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オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している盗撮の弁護方針は一つの例にすぎません。たとえ犯罪の種類が同じでも、事件が異なれば、求められる弁護活動も違ってきます。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

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