強姦

強姦罪の基礎知識

(1)強姦罪の類型

暴行または脅迫によって13歳以上の女子を姦淫した場合、強姦罪が成立します。刑罰は懲役年~20年です(刑法177条)。13歳未満の女子については、暴行または脅迫を用いなくても、姦淫しただけで強姦罪が成立します。

 

睡眠薬を飲ませる等して抵抗できなくした上で姦淫した場合も、強姦として扱われます。被害者の住居に侵入した上で姦淫した場合は、強姦罪と併せて住居侵入罪(刑法130条)も成立します。

 

強姦によって被害者を死傷させた場合、強姦致死傷罪が成立します。刑罰は無期または年以上の懲役です(刑法181条2項)

 

 

(2)強姦罪と告訴

強姦罪で起訴するためには被害者の告訴が必要です。ただし、被害者がけがをした場合や集団で強姦した場合は、被害者の告訴は必要とされていません。

 

 

(3)強姦と強姦致傷は紙一重

強姦した際、被害者にけがをさせると強姦致傷罪となります。意識的に暴行してけがをさせるというのが典型的なケースですが、本人が暴行したつもりは全くないのに強姦致傷罪で立件されることがあります。それが膣壁裂傷の場合です。男性器を挿入した際、摩擦で膣壁に裂傷が生じることがあります。膣壁裂傷が生じた場合、被害者が警察に医師の診断書を提出すると強姦致傷として立件されます。

 

強姦致傷罪で起訴された場合は、裁判員裁判で審理されることになります。裁判員裁判では、性犯罪は重く処罰される傾向があり、強姦致傷罪の場合、初犯の方でも5年以上の実刑となることが多いです。ただ、膣壁裂傷の程度が全治数日など軽い場合は、起訴前に示談が成立すれば、実質的には強姦に準じるものとして、不起訴となることも少なくありません。一刻も早く示談に向けて動いた方がよいでしょう。

 

 

強姦で逮捕される確率は57%【平成27年】

刑事事件として立件された強姦事件(強姦致死傷および集団強姦(致死傷)を含む)のうち、被疑者が逮捕されたケースは57%です(平成27年検察統計年報:他の数値もこの資料に基づいています)。逮捕された後、勾留される確率は99%です。勾留期間(原則10日・最長20日)が延長される可能性は91%です。

 

 

強姦で前科がつく確率は34%【平成27年】

強姦罪の起訴率は34%です。重大犯罪であるにもかかわらず、それほど起訴率が高くない理由は、起訴するにあたって被害者の告訴が必要とされているためです。不起訴となった事件の半数近く(約40%)が告訴の欠如、取消を理由とするものです。起訴された場合、強姦罪は性犯罪の中でも特に罪質が重く、初犯でいきなり実刑判決となることも珍しくありません。

 

 

強姦罪の関連犯罪

犯罪名

対象

刑罰

集団強姦罪(刑法178条の2)

2人以上の者が現場において共同して強姦罪を犯したとき

4年以上の懲役

集団強姦致死傷(刑法181条3項)

集団強姦罪または集団強姦未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者

無期または6年以上の懲役

 

【強姦のページ】

強姦の解決事例

強姦のご質問

 

 

強姦罪の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

強姦罪は、起訴するために被害者の告訴が必要とされています。そのため、示談の結果、被害者に告訴を取り消してもらえれば、強姦罪で起訴される心配はなくなります。もっとも、強姦罪は数ある性犯罪のなかで最も悪質な犯罪です。そのため、被害者は加害者に対して非常に厳しい感情を抱いており、加害者側と一切連絡をとりたくないという方もいます。

  

そのような場合、まずは検察官を通じて、被害者に対し、本人の反省振りを説明したり、個人情報を本人に一切開示しないことや、被害者のスケジュールに合わせて示談交渉をすること(平日が忙しいようであれば土日にお会いしたり、メールでやりとりする等)を申し入れます。このようなやり取りの結果、弁護士限りで、連絡先を教えてもらえることも相当数あります。

 

連絡先の開示を受けたら速やかに示談交渉に入ることになりますが、強姦の被害者は一般的に精神的動揺が激しく、加害者に対して強い拒否感を抱いているため、交渉全般を通じて被害者の心情に細やかに配慮した姿勢が強く求められます。

示談の基礎知識

 

 

(2)専門家の援助を受ける

強姦罪の加害者のなかには、自己の性的衝動をコントロールすることができず、性的な逸脱行動を繰り返してきた人が少なからずいます。そのような方に対しては、専門家の治療が必要です。カウンセリングを受けたり、クリニックに通うことによって、問題を根本から改善する必要があります。

 

公判請求されたら…

通院の証拠として、受診証明書、カルテ等を裁判所に提出します。

 

 

(3)反省を促す

性犯罪被害者の本を読む等して、自らしてしまったことの重大さを自覚してもらいます。さらに、強姦をしてしまった原因を分析し、更生するにはどうすればよいのかをじっくり考えてもらいます。性依存症の方を対象とした自助グループに参加して内省を深めてもらうこともあります。

 

公判請求されたら…

本人作成の反省文を証拠として提出します。また、裁判官の前で現在の心境を直接語ってもらいます。

 

 

(4)被害者と関わらない

被害者が顔見知りの場合、「警察に被害を申告したことを逆恨みされるのではないか?」等と強い恐怖感を抱いています。被害者の恐怖感をできるだけ軽減するため、加害者としては、今後、被害者と関わりあいをもたないようにすべきです。弁護士を通じてその点を強調するとともに、示談書の中に、「加害者は今後一切、被害者に接触しない」等と明記し、できるだけ被害者に安心してもらいます。

  

公判請求されたら…

被害者に接触しないことを明記した示談書や本人作成の誓約書を証拠として提出します。

 

 

(5)転居費用を負担する

住居に侵入した上で強姦を行った場合、被害者は加害者に対して強い嫌悪感・恐怖感を持っています。事件をきっかけとして被害者が転居を希望する場合は、可能であれば転居費用を負担することも検討する必要があるでしょう。

 

公判請求されたら…

転居費用についての領収証を証拠として提出します。

 

 

(6)その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います⇒詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ寄付をします。公判請求された場合は、寄付したことの証明書や領収書を証拠として提出します。

 

③ ご家族に協力してもらう

ご家族に本人を監督するよう約束してもらいます。公判請求された場合は、本人を監督する旨の誓約書を証拠として提出します。また情状証人として、ご家族に裁判所に来てもらい、裁判官の前で、本人の更生をどのようにサポートしていくのかを語ってもらいます。

 

 

強姦罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)身に覚えがない場合

全く身に覚えがないにもかかわらず、強姦の容疑をかけられてしまった場合、アリバイ事実が存在することを弁護士が検察官・裁判官に主張し、不起訴処分あるいは無罪判決の獲得を目指します。捜査機関によってDNA鑑定、血液鑑定が実施されている場合は、改めて専門家に鑑定を依頼したり、裁判所に対して鑑定を実施するよう請求します。

 

 

(2)性行為について相手の同意があった場合

相手の同意があったにもかかわらず、強姦の容疑をかけられてしまった場合、本人と相手の関係、当日出会うまでの状況、出会ってから性行為までのやりとり、性行為後の相手の言動等から、和姦であることを主張します。

 

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オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。たとえ犯罪の種類が同じでも、事件が異なれば、求められる弁護活動も違ってきます。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。 

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