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オレオレ詐欺の受け子が執行猶予を獲得するための10のポイント

 このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が執筆しています。

 

オレオレ詐欺の受け子をしていて逮捕・起訴された場合、裁判官は、次の10個の要素を総合的に考慮して、執行猶予にするか実刑にするかを判断します。

 

*このページでは20歳以上の成人の方に絞って解説しています。

 

 

 

(1)反省

オレオレ詐欺の裁判で否認して有罪になった場合は、裁判官に「反省していない」と思われ、実刑判決の可能性が高くなります。

 

逆に、反省しているからといって、それだけで執行猶予の可能性が上がるというわけではありません。罪を認めているケースでは、反省していることは、執行猶予を獲得するための最低条件にすぎません。

 

反省しているか否かについては、裁判時点での被告人の発言や態度が基準になります。

 

そのため、捜査段階で否認黙秘をしていても、それだけで「反省していない」ということにはなりません。裁判官の前で罪を認めて反省していれば、判決でも「反省している」と認定されます。

 

 

(2)活動期間

オレオレ詐欺グループの一員として活動していた期間が短ければ短いほど、執行猶予の可能性が高くなります。

 

1か月程度であれば、活動期間としては短い部類に入ります。1日,2日しか活動していない場合は、未遂事案であれば執行猶予になる可能性が高いです。既遂事案でも、示談や被害弁償をしていれば、執行猶予は十分に見込めます。

 

2か月を超えると、裁判官から「活動期間が短い」と評価されることはないでしょう。

 

 

(3)被害金額

未遂事案であれば被害金額はゼロということになります。この場合、示談が成立しなくても、執行猶予をとれる見込みは十分にあります。

 

被害金額が1000万円前後になると、全ての被害者との間で示談が成立していても、実刑判決の可能性が高くなります。

 

 

(4)報酬金額

もらった報酬が少なければ少ないほど、執行猶予の可能性が高まります。

 

ただ、報酬が少ないというだけで、一気に執行猶予の可能性が上がるわけではありません。執行猶予にするかどうか微妙な事案で、報酬が少なければ猶予の可能性が少し高くなるという程度にとどまります。

 

 

(5)示談

執行猶予を獲得する上で、圧倒的に重要な要素になります。被害者が3名前後、被害額が300万円前後までのケースでは、全ての被害者との間で示談が成立すれば、前科がある等の不利な事情がない限り、執行猶予をとれる可能性が高くなります。

 

被害額が500万円を超えるケース、または、被害者が5名を超えるケースでは、全ての被害者と示談が成立していることが、執行猶予をとるための前提条件になるでしょう。

 

 

(6)被害弁償

まず示談と被害弁償の違いについて説明します。

 

示談は、カンタンに言うと、被害者に「加害者を許します」という書面にハンコを押してもらうことです。通常、示談をまとめる際には、示談金の支払い(=損害賠償)も同時に行いますので、「示談は被害弁償を含む」という関係になります。

 

一方、示談ができなかったとしても、損害賠償のお金を受けとってもらえるケースがあります。これも被害弁償になります。

 

示談が成立しなかった場合でも、被害弁償をすれば、執行猶予の可能性が高まります。

 

なお、示談が成立した場合であっても、裁判官は、示談の条件として、どれだけ被害弁償をしたかも考慮した上で、執行猶予にするか実刑にするかを判断します。例えば、被害額が500万円のケースで、10万円で示談したとしても、弁済率は2%に過ぎないことから、実刑判決の可能性が高くなります。

 

単に示談すればよいというスタンスではなく、十分な被害弁償を行うことが大切です。

 

 

(7)供託

示談や被害弁償ができない場合は、法務局に供託することが考えらえます。供託金が被害者に還付されれば、被害弁償したことになります。

 

被害者に還付されなかったとしても、「被害弁償に向けて努力している」と言えることから、執行猶予の可能性が高まります。

 

被害者が3名前後、被害額が300万円前後であれば、被害者のうち1名と示談が成立しなかったとしても、供託をした上で供託金を放棄すれば、執行猶予の余地はあるでしょう。

 

 

(8)監督者の存在

妻や親など身近に監督してくれる人がいれば、執行猶予の可能性が高くなります。

 

ただ、示談や被害弁償に比べれば、判決に与える影響は限定的です。未遂事案を除き、監督者がいるというだけで執行猶予になることはないとお考え下さい。

 

もっとも、裁判官が執行猶予にするか実刑にするか迷うケースでは、しっかりした監督者がいることが決め手になって執行猶予になることはあるでしょう。

 

監督者には情状証人として裁判に出廷してもらいます。

 

 

(9)本人の年齢 

一般的に若ければ若いほど、執行猶予の可能性が高まります。

 

年が若ければ、犯罪傾向がそれほど進んでおらず、ものの考え方も柔軟性に富んでおり、年配者に比べると、更生の可能性が高いと考えられるためです。

 

オレオレ詐欺の受け子の場合、20代前半の若者が逮捕されるケースが多いです。

 

このようなケースでは、年配者であれば実刑判決になるようなケースでも、(保護観察付きの)執行猶予を獲得できることがあります。

 

ただ、年が若いというだけで執行猶予になることはありません。裁判官が、執行猶予にするか実刑にするか迷ったときに、執行猶予の後押しをするにとどまります。

 

 

(10)前科・前歴

前科・前歴があれば実刑判決の可能性が高くなります。

 

逆に、初犯であるかといって、それだけで執行猶予の可能性が高まるとはいえません。

 

執行猶予期間中に判決が出る場合は、ほぼ100パーセント実刑になります。

 

スピード違反や暴行など財産犯以外の軽い犯罪については、直近に罰金前科や前歴があっても、それだけで、実刑の可能性が一気に高まるというわけではありません。

 

 

ウェルネスの弁護士は、これらのポイントに留意した上で、執行猶予がとれるように尽力します。

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