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業務上横領で逮捕される?逮捕後の流れや回避するための方法について

横領には単純横領、遺失物等横領、業務上横領の3つの種類があります。
単純横領はレンタカーの乗り逃げのように反復性がない単発の横領です。遺失物等横領は放置自転車の乗り逃げのように占有を離れた他人の物を横領することです。業務上横領は従業員が会社のお金を横領するケースです。長期にわたって何度も繰り返されることが多いです。
このページでは業務上横領で逮捕されやすいケースや逮捕後の流れ、逮捕を回避するための方法について弁護士が解説しました。ぜひ参考にしてみてください!
このページはウェルネス法律事務所の弁護士 楠 洋一郎が作成しました。
業務上横領の逮捕率は?
刑事事件になった横領のうち被疑者が逮捕されたケースは15%です。
*根拠…2024年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員
「意外に低いな」と思われるかもしれませんが、刑事事件になる横領の約90%が刑罰の軽い遺失物等横領です。業務上横領だけでみると逮捕率はかなり上がります。
横領で逮捕された後に勾留される確率は91%です。勾留が延長される確率は71%です。
*勾留率の根拠…2024年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員
*勾留延長率の根拠…2024年版検察統計年報:罪名別 既済となった事件の被疑者の勾留後の措置、勾留期間別及び勾留期間延長の許可、却下別人員
業務上横領で逮捕された後の流れは?
刑事事件の身柄拘束は逮捕⇒勾留という2段階のステップで進みます。逮捕は最長3日ですが、起訴前の勾留は原則10日、勾留が延長されると最長20日も続きます。
以下、段階に沿ってみていきます。
1.検察官の勾留請求
横領で逮捕されると翌日か翌々日に検察庁に連行され、検察官の取調べを受けます。検察官が勾留の要件を満たすと考えると、裁判官に勾留を請求します。勾留の要件は以下となります。
①被疑者が罪を犯したと疑うに足りる相当の理由がある
②被疑者が逃亡または証拠隠滅をすると疑うに足りる相当の理由がある
検察官が勾留を請求しなければ、その日のうちに釈放されます。
⇒【逮捕】勾留されなかったときの釈放の流れ-何時にどこに迎えに行く?
2.裁判官の勾留質問
検察官が勾留を請求すると、その当日か翌日に裁判所に連行され、裁判官の勾留質問を受けます。裁判官も勾留の要件を満たすと判断すると被疑者を勾留します。
勾留の要件を満たさないと判断すると、その日のうちに釈放されます。
⇒【逮捕】勾留されなかったときの釈放の流れ-何時にどこに迎えに行く?
3.勾留後の流れ
勾留されたら原則10日、勾留が延長されれば最長20日にわたって被疑者として拘束がされます。検察官は最長20日の勾留期間内に被疑者を起訴するか釈放しなければなりません。
業務上横領で逮捕される?金額別の逮捕リスク
横領額が100万円未満の業務上横領事件では、「本人が否認している」、「共犯者がいる」といった事情がない限り逮捕される可能性は低いです。
これに対して、横領額が200万円以上になると逮捕される可能性が高くなります。1000万円以上になれば、逮捕される可能性は非常に高くなります。早急に弁護士をつけて会社と示談交渉した方がよいでしょう。
業務上横領で逮捕される?企業別の逮捕リスク
1.大企業や官公庁での業務上横領
大企業は、コンプライアンスの観点から、職員の不祥事に対して厳しく対処することが求められます。そのため、大企業で横領した場合は、被害届や告訴状を提出され刑事事件となり、逮捕される可能性が高くなります。
官公庁も同様に考えることができます。
2.中小企業での業務上横領
業務上横領で最も多いのは、中小企業で経理を担当している職員が会社のお金を横領するケースです。中小企業の横領事件では、株主への対応やコンプライアンスをあまり気にする必要はありません。
そのため、警察に訴え出るか否かは経営者の意思によるところが大きいです。
業務上横領の加害者が逮捕・起訴され実刑になれば、会社としても横領された金銭を回収できなくなります。そのため、処罰よりも被害回復を優先する経営者も多く、示談交渉により事件化を回避できることが多々あります。
刑事事件にならなければ、逮捕・起訴されることはありませんし、前科はもちろん前歴もつきません。
業務上横領で最も逮捕されやすいケース
業務上横領で最も逮捕されやすいケースは、大企業で数千万円規模の横領をした場合です。この規模になると一括で返済することは困難になります。
中小企業であれば、経営者の意向次第で、10年~20年程度の長期の分割払いで示談ができることもありますが、大企業では株主に対する説明責任があるため、刑事告訴と民事訴訟の両面で進めていく可能性が高くなります。
公務員では異動があるため数千万円規模の横領事件が発生することは少ないですが、数百万円規模の横領で一括で被害弁済できなければ、逮捕される可能性が高いです。
業務上横領で逮捕されるタイミングは?
業務上横領は、会社が被害届や告訴状を警察に提出することによって刑事事件になります。「会社から被害届や告訴状が提出されればその日に逮捕されてしまうのでは?」と思っている方もいるかもしれませんが、実際はそうではありません。
まず被害届や告訴状が受理されるのに時間がかかります。
財産犯でも万引きのような単純な事件であれば、すぐに定型書式の被害届を作ってもらえますが、業務上横領は複雑な手口で長期間にわたり行われていることが多く、何度も警察に相談に行って担当者と打ち合せを重ねた上で、被害届や告訴状が受理されることが多いです。
被害届や告訴状が受理されてからも、関係者への聴取や横領されたお金の流れなど捜査事項が多岐にわたるため、逮捕されるのは早くても事件化してから数か月後になります。複雑な業務上横領の場合、1年以上たってから逮捕されることも少なくありません。
【業務上横領の逮捕の前兆は?】 警察が被疑者を逮捕すると決めた場合、確実に身柄を取れるよう、事前に被疑者の行動を確認します。
「家の前に車が止まっていて中からこっちを見ている」 「尾行されて写真をとられた」
業務上横領の発覚後にこのようなことがあれば、逮捕が迫っている可能性があります。お早めに弁護士にご相談ください。 |
業務上横領で逮捕を回避するための方法
業務上横領で逮捕を回避するために最も有効な手段は会社との間で示談をまとめることです。業務上横領は長期間にわたり何度も繰り返される犯罪ですので、捜査にも時間がかかります。また、加害者が逮捕・起訴・実刑になれば、被害金の回収が困難になります。
そのため、加害者側から早期に弁済計画を提案できれば、示談での解決について前向きに検討してくれる会社が少なくありません。示談がまとまれば事件化せずに終了することが多いです。事件化しなければ刑事事件の被疑者になることもありませんので、逮捕もされません。
横領が発覚した後、長期間放置していれば、会社側も態度を硬化させ捜査機関に被害届や告訴状を出す可能性が高くなります。横領が発覚したらなるべく早期に辯護士に相談しましょう。
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