強制わいせつ

 

 

強制わいせつの類型

暴行または脅迫によって13歳以上の男女にわいせつな行為をした場合、強制わいせつ罪が成立します(刑法176条)13歳未満の男女については、暴行または脅迫を用いなくても、わいせつな行為をしただけで強制わいせつ罪が成立します。

 

睡眠薬やお酒を飲ませ、抵抗できなくした上でわいせつな行為をした場合も、強制わいせつとして扱われます(準強制わいせつ)。

 

 

強制わいせつの刑罰

か月以上10年以下の懲役

 

 

強制わいせつと告訴の要否

従来、強制わいせつ罪で起訴するためには被害者の告訴が必要でしたが、平成29年6月の刑法改正により告訴がなくても起訴できるようになりました。改正以前に生じた強制わいせつ事件についても、告訴が不要とされています。

 

 

強制わいせつ罪の関連犯罪

犯罪名

適用対象

刑罰

強制わいせつ致死傷罪

強制わいせつ罪または強制わいせつ未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者

無期または3年以上の懲役

監護者わいせつ罪

18歳未満の者に対して監護者としての影響力を利用してわいせつな行為をした者

懲役か月~10

 

 

強制わいせつの具体例

キスをする

唇にキスをした場合は強制わいせつになります。頬や腕にごく短時間キスしたような場合は迷惑防止条例違反(痴漢)や暴行として扱われることが多いです。

 

抱きしめる

強制わいせつになります。

 

胸をもむ

わしづかみにしたり、執拗にもんだり、下着の中に手を入れて直接触った場合は強制わいせつになります。すれ違いざまに一瞬触れたり、電車内で着衣の上から触った場合は、迷惑防止条例違反(痴漢)にとどまることが多いです。

 

陰部を触る

下着の中に手を入れて触った場合は強制わいせつになります。電車内で着衣の上から触った場合は迷惑防止条例違反(痴漢)になります。

 

口淫させる

平成29年6月23日に刑法改正があり、口淫は強制性交等罪(旧強姦罪)に該当することになりました。改正刑法が施行されたのは平成2913日です。施行日より前に口淫させた場合は強制わいせつ罪(懲役6月~10年)、施行日以後に口淫させた場合は強制性交等罪(懲役5年~20年)が成立します。

 

肛門に陰茎を挿入する

平成29年6月の刑法改正で肛門性交も強制性交等罪(旧強姦罪)に該当することとされました。改正刑法の施行日は平成2913日です。施行日より前の行為であれば強制わいせつ罪(懲役6月~10年)、施行以後の行為であれば強制性交等罪(懲役5年~20年)が成立します。

 

強制わいせつになるか否か微妙なケースもありますので詳細は弁護士にご相談ください。

 

 

強制わいせつの逮捕率は67%【平成28年】

刑事事件として立件された強制わいせつ罪のうち被疑者が逮捕されたケースは67%です。強制わいせつで逮捕された後、勾留される可能性は90です。勾留期間(原則10日・最長20日)が延長される可能性は約84です。

 

*上記の強制わいせつ罪には強制わいせつ致死傷罪も含まれます。

*本ページの数値は平成28年検察統計年報に基づいています。

 

  

強制わいせつで前科がつく確率は39%【平成28年】

強制わいせつ事件の起訴率は39%とそれほど高くありません。これは、従来、強制わいせつ罪が被害者の告訴がなければ起訴することができない犯罪とされていたためです。実際にも、不起訴となった事件の実に60%近くが告訴の欠如、取消を理由とするものです。

 

平成29年6月の刑法改正で、起訴にあたって告訴が不要とされたことに伴い、今後は起訴率が上昇すると考えられます。

 

起訴された場合、初犯であれば執行猶予の見込みは十分にありますが、前科(特に性犯罪の前科)があれば、実刑判決となる可能性が高まります。強制わいせつ致傷罪の場合は、初犯でいきなり実刑となることも少なくありません。

 

【強制わいせつのページ】

強制わいせつの解決事例

強制わいせつのご質問

 

強制わいせつ罪の弁護方針(罪を認める場合) 

(1)示談をする

① 起訴前

平成29年6月の刑法改正により、強制わいせつ罪は告訴がなくても起訴できるようになりました。そのため、示談をして告訴が取り下げられれば確実に不起訴になるというわけではありません。

 

もっとも、強制わいせつ罪が保護している対象は被害者個人の性的自由です。そのため、起訴・不起訴の判断にあたって、被害者の意思が最も重視されるということに変わりはありません。刑法改正後も、示談書中に「許す」、「処罰を望まない」といった文言があり、前科・前歴がなければ、不起訴になる可能性は高いと思われます。

 

一旦起訴された場合、その後に示談が成立したとしても、さかのぼって不起訴になるわけではありません。そのため、強制わいせつ事件においては、一日も早く示談交渉をスタートさせることが大切です。

 

② 起訴後

強制わいせつは、数ある性犯罪のなかでも強姦に次いで悪質な犯罪です。そのため、初犯の方であっても、いきなり実刑になる可能性が十分にあります。起訴後に示談が成立すれば、執行猶予を獲得できる可能性が高まります。起訴後であっても示談が最重要な弁護活動であることに変わりはありません。

 

示談の相談は弁護士へ

 

 

(2)専門家の援助を受ける

強制わいせつ罪の加害者のなかには、自己の性的衝動をコントロールすることができず、性的な問題行動を繰り返してきた人が少なからずいます。そのような方に対しては、専門家の助けが必要です。カウンセリングを受けたり、クリニックに通うことによって、問題を根本から改善する必要があります。

 

公判請求されたら…

通院の証拠として、受診証明書、カルテ等を裁判所に提出します。

 

 

(3)反省を促す

性犯罪被害者の本を読む等して、自らしてしまったことの重大さを自覚してもらいます。さらに、わいせつ行為をしてしまった原因を分析し、問題を克服するためにはどうすればよいのかをじっくり考えてもらいます。性依存症の方を対象とした自助グループに参加して内省を深めてもらうこともあります。

 

公判請求されたら…

本人作成の反省文を証拠として提出します。また、裁判官の前で現在の心境を直接語ってもらいます。

 

 

(4)被害者とのコンタクトを控える

顔見知りの女性に強制わいせつをした場合、被害者は、「また同じことをされるのではないか?」、「仕返しされるのではないか?」と強い恐怖感を抱いています。そのような被害者の心情に配慮し、加害者としては、今後、被害者との接触は控えるべきです。弁護士を通じて、被害者にその点を強調するとともに、示談書の中に「今後、加害者は被害者に近づかない」といった条項を入れ、被害者の不安をできるだけ軽くします。

 

公判請求されたら…

被害者に近づかないことを明記した示談書や本人作成の誓約書を証拠として提出します。

 

 

(5)転居費用を負担する

住居に侵入した上で強制わいせつに及んだ場合、被害者は加害者に対して強い嫌悪感・恐怖感を持っています。事件をきっかけとして被害者が転居を希望する場合は、可能であれば転居費用を負担することも検討する必要があるでしょう。

 

公判請求されたら…

転居費用についての領収証を証拠として提出します。

 

 

(6)その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います⇒詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ寄付をします。公判請求された場合は、寄付したことの証明書や領収証を証拠として提出します。

 

③ ご家族にも協力してもらう

ご家族に本人を監督するよう約束してもらいます。公判請求された場合は、本人を監督する旨の誓約書を証拠として提出します。また、情状証人として、裁判官の前で、本人の更生をどのようにサポートしていくのかを語ってもらいます。

 

 

強制わいせつ罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)身に覚えがない場合

全く身に覚えがないにもかかわらず、強制わいせつの容疑をかけられてしまった場合、アリバイ事実が存在することを弁護士が検察官・裁判官に主張し、不起訴処分あるいは無罪判決の獲得を目指します。捜査機関によってDNA鑑定、血液鑑定が実施されている場合は、改めて専門家に鑑定を依頼したり、裁判所に対して鑑定を実施するよう請求します。

 

 

(2)相手の同意があった場合

相手の同意があったにもかかわらず、強制わいせつの容疑をかけられてしまった場合、本人と相手の関係、交際するようになった経緯、交際の状況、性行為前後のやりとり等から、そもそも強制わいせつには当たらないことを主張します。

 

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否認事件の刑事弁護

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オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。たとえ犯罪の種類が同じでも、事件が異なれば、求められる弁護活動も違ってきます。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

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