横領

横領罪の基礎知識

(1)横領罪の3類型

 

対象者

刑罰

具体例

単純横領罪(刑法252条)

自己の占有する他人の物を横領した者

5年以下の懲役

レンタカーを契約終了後返還せず使い続けた場合

業務上横領罪(刑法253条)

業務上自己の占有する他人の物を横領した者

10年以下の懲役

従業員が顧客から集金した金銭を着服した場合

遺失物横領罪(刑法254条)

占有を離れた他人の物を横領した者

1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料

路上に置かれていた自転車を持ち去った場合

 

 

(2)横領事件の流れ

単純横領罪の起訴率は約34%、業務上横領罪の起訴率は約46%、遺失物横領罪の起訴率は約13%です(平成24年検察統計年報)。遺失物横領罪は起訴されても罰金で終わるケースが多いですが、単純横領罪と業務上横領罪には罰金刑がないので、起訴されると執行猶予がつかない限り懲役刑に服することになります。

 

着服金額が数百万円にのぼる業務上横領の場合、示談が成立しなければ、初犯であっても起訴され実刑となる可能性が高いです。逆に示談が成立すれば、複数の前科があるとか執行猶予中である等の不利な事情がない限り、実刑を回避できる可能性が高いです。

 

【横領のページ】

業務上横領のご質問

 

 

横領罪の弁護方針(罪を認める場合)

(1)示談をする

横領事件においては、性犯罪等と異なり、被害者側に示談交渉そのものを拒否されることはまずありません。示談金については被害金額をベースとして交渉することになるでしょう。業務上横領のケースでは、会社としても横領の事実が公になることは避けたいとの判断から、示談が成立すれば警察に被害の申告がなされず、そもそも刑事事件とならない場合も少なくありません。

 

示談交渉に入る前に逮捕されてしまったとしても、その後に示談が成立すれば、被害金額が多額であるとか前科がある等の不利な事情がない限り、不起訴となる可能性が高まります。検察官は起訴するか否かの判断するにあたり、示談の成否を非常に重視しているからです。

示談の基礎知識

 

 

(2)被害者に謝罪する

被害者にお会いしたり、手紙をお送りして謝罪します。通り一遍のことを述べるのではなく、自分の言葉で謝罪することが重要です。 

 

公判請求されたら…

本人作成の謝罪文を証拠として提出します。また、裁判官の前で被害者への思いを直接語ってもらいます。

 

 

(3)環境を改善する

横領した金銭で多額のブランド品を購入したり、ギャンブルに興じるなど生活の乱れが事件の背景にある場合は、抜本的な生活環境の改善が必要となってくるでしょう。借金問題が事件の原因になっている場合は、弁護士が別途委任を受けて債務整理を行いますいずれにせよ生活環境を立て直すためにはご家族の協力が不可欠です。ご家族には日常生活の中で本人を監督してもらいます。

 

公判請求されたら… 

本人を監督する旨の誓約書をご家族に書いてもらい証拠として提出します。また、情状証人として、裁判官の前で、本人の更生をどのようにサポートしていくのかを語ってもらいます。

 

 

(4)その他の弁護活動

① 早期釈放を目指す

身体拘束されている場合は、早期釈放に向けた弁護活動を行います詳しくはこちら

 

② 寄付をする

示談が成立しなかった場合、反省の気持ちを示すために慈善団体等へ寄付をすることがあります。公判請求された場合は、寄付したことの証明書を証拠として提出します。

 

 

横領罪の弁護方針(無罪を主張する場合)

(1)横領罪の成立要件を検討する

単純横領罪及び業務上横領罪が成立するためには、(業務上)委託に基づいて占有している他人の物を違法に取得したことが必要です。そのため、①委託があったのか、②本人が目的物を占有していたのか、③目的物は「他人の物」といえるのか(本人の物と考える余地はないか)、④目的物を違法に取得したのか(委託者のためにする意思はなかったのか)といった点について一つ一つ検討し、横領罪の成立要件を満たしていないと考えられる場合、その点を検察官や裁判官に指摘します。

 

 

(2)被害者側の言い分を検討する

業務上横領罪の多くは、被害届の提出、告訴など被害者側のアクションをきっかけとして捜査が始まります。既に被害者が民事訴訟を提起していることも少なくありません。なかには会社内部の権力闘争や民事訴訟を有利に運ぼうとして、相手を告訴する者もいます。そのため、横領事件においては、被害者側の言っていることが本当か否かを慎重に吟味する必要があります。

 

人間の記憶は時の経過とともに衰えていくものですが、取調べが進むにしたがって、被害者側の供述がより詳しくなっていくということがあります。また、異なる時点で作成された複数の供述調書の間で、同一の場面についての供述内容が不自然に変化していることもあります。これらは被害者側の恣意的な態度を強く示唆するものです。弁護士が被害者側の供述調書を検討したり反対尋問を行うことによって、これらの不合理な変遷を炙り出します。

 

【関連ページ】

否認事件の刑事弁護

業務上横領のご質問

 

 

オーダーメイドの弁護活動

このページでご紹介している弁護方針は一つの例にすぎません。事件によってベストな弁護活動は異なります。ウェルネスでは、数多くのノウハウに基づき、一つ一つの事件に対応した完全オーダーメイドの弁護活動を行います。

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